
PROFILE この記事の登場人物

望月 祐希 ITフロンティア事業部 WEBデザイン課 兼 企画管理事業部 IT教育課(大東コーポレートサービス)
接客・販売業を10年以上経験したのち、2020年8月に大東コーポレートサービスへ中途入社。プログラミング開発未経験で入社し、苦労して覚えた経験を活かし、現在はRPAプログラムを障害者へ教える委託訓練事業の講師役を主に担当している。障害特性・体調と仕事のバランスを取りながらの活躍を目指し、日々努力中。

酒匂 博之 ITフロンティア事業部 RPA開発課 兼 企画管理事業部 IT教育課(大東コーポレートサービス)
大東コーポレートサービスに入社して6年目。3年間プログラマーを経験後、現在はシステムエンジニアを従事。新規開発、運用業務、外部販売など幅広い業務を経験。健常者や障がい者の橋渡しとして周りを支えている。

竹澤 ITフロンティア事業部 RPA開発課 兼 WEBデザイン課(大東コーポレートサービス)
2018年3月に大東コーポレートサービスへ入社。DTP課でデザイン業務を経験後、2022年にRPA推進課(現RPA開発課)へ異動。DTP・WEB・RPAを勉強中の身。コードなんて絶対打てないと思っていたが、明確に答えがあるところは意外と障害特性に合っていたと思う今日この頃。
「障害者雇用促進法」の改正に伴い、2024年4月より民間企業の法定雇用率が2.5%に引き上げられました。
しかし、企業における障がい者雇用はまだまだ課題が山積み……。障がい者だからと“特別扱いはしない”というのは理解していても、実際は障がいを「個性」と捉えたり、意思疎通する際に壁を作ってしまったりと、どこか腫れ物に触るような気遣いになってしまうことが少なくありません。包摂的かつ持続可能な経済成長を目指すためには、障がい者であっても一個人としての関係性を築き、お互いを理解し合うことが不可欠だといえるでしょう。
今回は、⼤東コーポレートサービスに障がい者雇用で入社した3名に、仕事への向き合い方や働きがいについて、ざっくばらんに“本音”を語ってもらいました。
IT講師をしたり、銭湯や美術館に行ったり…… 障がい者社員の“いつもの働き方”や“休日のリフレッシュ方法”

まずは皆さんの普段の業務や、プライベートでの過ごし方を教えてください。

「私は今年で入社6年目を迎えます。最初はプログラマーとして、エクセルやVBA(Visual Basic for Applications:プログラミング用語)を使って業務効率化の仕事を行っていました。直近では、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)プログラム開発のディレクター業務を担当し、2024年10月からは望月さんと同じIT講師にキャリアチェンジしました。休日は、妻とゲームして遊んだり、料理を作ったりとリフレッシュしています」

「私は2018年に入社し、チラシやポスター作成といったDTP(印刷物などのデザインのこと)の制作の仕事に携わっていました。当初は紙媒体のデザインが多かったのですが、途中からWebデザインの案件に関わったり、人手が足りない時にRPA開発のお手伝いをしたりと、幅広い領域で業務を経験してきました。休みの日は趣味の手芸や散歩を楽しむほか、母と文化財めぐりに出かけたりしていますね」
⼤東コーポレートサービスでは、就労を目指す障がい者の方に業務内容や会社の雰囲気を知ってもらう目的で約2週間の職場実習を行っています。3人は入社前の実習に参加し、障がい者採用枠で入社した経緯になっています。
なぜ、大東建託で働こうと思ったのでしょうか?

「『大東建託』という会社名で選んだわけではなく、入社前に参加した体験実習のサポート体制を見て決めました。実習では、毎日とても優しく丁寧に教えてくれたのが印象的でした。障がい者雇用で働く身として、『これなら安心して働ける』と思うことができましたね」

「就労移行支援へ通っていた時に紹介されたのが、⼤東コーポレートサービスでした。『RPA業務の募集があるので応募してみない?』と言われて体験実習に参加したのがきっかけになっています」

「障がい者雇用で色々と調べていたところ、Webデザインに比べて紙媒体のデザイン関係の求人が少なくて。私は紙媒体のデザインの勉強をメインでやっていたので、自分のスキルを活かせる求人を探していくうちに、⼤東コーポレートサービスを見つけたんです」
自身のスキルアップの瞬間や、他者からの評価でやりがいを感じる
仕事のやりがいや楽しさを実感したエピソードがあれば教えてください。
望月「IT講師の仕事で、実習生から『楽しい、面白い!』と言ってもらえるとうれしくなりますね。初日は講義の内容が全然わからなくても、実習が終わる頃にはひと通り理解できるようになっていたりと、実習生の成長を実感した時は達成感を得られます。私は背中を軽く押すような気持ちで、個々に寄り添いながら教えることを大切にしています」

望月さんのバディを務める小島さんは、実習生から手書きの手紙をもらったエピソードを話してくれました。実習場所に朝早く着いたときにやることなど、望月さんの細やかなアドバイスに対して、「技術指導よりもサポートが良かったからとても助かった」という言葉が綴られていたそうです。

酒匂「プログラマーとしてキャリアをスタートし、そこから段々と仕事の幅が広がっているのが、とてもやりがいにつながっていますね。開発できなかった機能を実装できるようになったり、今まで経験がなかったワークフローの申請ができるようになったりとか、少しずつ自分の携われる部分が増えてくるとうれしくなります。光栄にも、これまでの自分の働きぶりや成果を評価いただき、今年の10月から今の部署のリーダーに任命されました。チームを率いる立場として意識したいのは『周囲を明るく前向きにすること』。自分ができることは限られていますし、周りの人たちに協力してもらうためには『自分自身のやり方やこだわりを手放すこと』だと思っています」
課長の戸﨑さんやバディの稲田さん、小島さんは、元々SEとして働いていました。その頃から、プログラマーとして働きやすい環境を影ながら支えてくれていたそうで、「今度は自分がリーダーとして、チームに還元していきたい」と酒匂さんは胸をふくらませます。

「私はシンプルに自分のデザインした制作物の感想をもらうのが一番うれしく感じます。私は自己肯定感が低いのですが、ポジティブな感想を聞けると、仕事に前向きに取り組めるようになるんですよ。自分が制作したポスターやチラシなど、印刷したものが出来上がった際には、手元に持ってきてくれるので、自分のデザインした制作物を見ると、やはり自然と喜びがこみ上げてきますね」

地方予選で金メダル獲得! 障がい者の技能を競う「アビリンピック」にかける想い
デザインスキルの高さは折り紙付きの竹澤さん。実は、2024年11月に実施される第44回全国障害者技能競技大会「アビリンピック」の東京都代表に選ばれたとのこと。その参加への意気込みも聞いてみました。
竹澤さんは「アビリンピック」の地方予選で金メダルを獲得されたとか。次に控える、全国大会に向けた意気込みについて教えてください。

「アビリンピックに参加した当時は、DTPのスキルに加えて、少しだけHTML/CSSがわかる状態でした。Webの方はバディの小島さんがバックアップしてくれるので、コーディングの勉強も兼ねて参加してみようと思ったんです。実は学生時代にもWebをかじったことがあったのですが、そのときは『自分にはコードを書くのは合わない』と感じたので、紙のデザインを中心に学んでいました。でも今回のアビリンピックに参加したことで、苦手意識はなくなったというか。表彰されるときに、選考委員の方から『とても見やすいコードでしたよ』と声をかけてもらい、覚えれば意外とできることに自信を持てました。これを胸に、全国大会でも自分のベストを尽くしたいですね!」
「私は2020年8月に⼤東コーポレートサービスへ入社し、現在は企画管理事業部でRPA開発やWeb制作を教えるIT講師の仕事をしています。休日は、日頃の疲れを癒すために銭湯や露天風呂へ行き、デジタルデトックスするようにしていますね」