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ケンタクアイ編集部
大東建託グループのニュースメディア「KENTAKU Eyes(ケンタク アイ)」の編集部。暮らしを豊かにする知識やアイデア、最新技術、大東建託で働く人々の想い・取り組みの裏側まで、さまざまな情報をお届けします。
「百年の恩を一朝に報じる」――。
長年にかけて積み重ねられた恩義や愛情を、短期間で恩返しすることの難しさや大切さを表すことわざです。
2025年問題では国民の5人に1人が後期高齢者になるとされ、働きながら親の介護を担うビジネスケアラーも増え続けています。そんな中、「親孝行をしたいけど、何をすれば良いのか分からない」という方に向けて、親孝行をやりたくなる理由や、具体的な贈り物・金額例などを紹介していきます。
金銭・時間に余裕が出てくる30~40代が「親孝行したい」と思い始める
30~40代は、共働き世帯が多く、給与収入の伸びも高い時期なので、アクシデントがない限り、家計に余裕がある世帯が多いといえます。一方で、この年代は親が定年を迎えて年金をもらい始めたが、まだまだ元気というケースが多いです。金銭・時間的に余裕があり、親も元気なこの年代だからこそ、必然的に「親孝行をしたい!」と思う方が多いのかもしれません。
厚生労働省の調査によると、日本の人口は減少傾向にあり、2070年には総人口が9,000万人に減少し、高齢化率が39%になるともいわれています。また、少子高齢化の動きもあるため、「30〜40代で親の介護や親孝行を意識する」傾向にあるようです。
どんな親孝行をする? 贈り物や金額ランキング
では、具体的にどんな「親孝行」をすればいいのか? 例えば、高級レストランでの食事や旅行などの贈り物をイメージされる方が多いのかもしれません。調査結果を元に、具体的な贈り物や金額例を紹介していきます。
贈り物の上位は、食事や食品・飲料、旅行

実際に、三井ガーデンホテルズによる「親子の会話の実態や親孝行に対する意識調査」を見てみると、親に贈ったものの比率は、食事や食品・飲料、旅行の順に高いことが分かりました。衣服や小物といった「形に残るもの」よりも、体験や思い出となる「心に残るもの」が選択されやすいことが伺えます。
1年間で使える金額の1位は1~2万円。平均は……?
メディケア生命保険の「家族の絆と老後の生活に関する意識調査2014」によると、親孝行に1年間で使える金額として最も多かった答えは1~2万円で、次に多いのが5〜10万円と、人によってバラつきがありました。また、平均では約7万4千円(男性:約9万円、女性:約5万8千円)のようです。
親孝行したいときには親はなし。親と会える時間は、残り約9.5日(228時間)

セイコーホールディングスが発表した「セイコー時間白書2019」によると、10~60代の人で、父親と過ごす時間が足りないと考えている人が77.5%、母親と過ごす時間が足りないと考えている方が76.9%。多くの人が大切な人と過ごす時間が足りないと感じていることや、親世代も寂しい思いをしているであろうことが察せられます。
親との時間が足りない理由
そして、「人生の中で、あとどれくらい親に会って話せる時間が残っているのか?」を算出した表があります。年齢とともに親と会って話せる生涯時間はどんどん短くなり、親と別居している40~44歳の人が親と会って話せる時間は、母親が20.7日(496時間)、父親に至っては9.5日(228時間)しか残されていないようです。
大切な人と会って話をすることができる生涯残り時間
これら2つの調査を見て感じるのは、掛けるお金の多寡や贈り物の内容以前に、直接「感謝の気持ちを伝えること」や「同じ時間を過ごすこと」自体が、本当の意味での親孝行なのではないか、ということです。
実態は、半数近くが親孝行できていない。親孝行を意識する理由

ただ、親孝行の実態は、8割近くの方が「親孝行をしたいと思っている」一方で、5割近くの方は「できていない」と回答している調査結果も。その理由は、「具体的に何をしたらいいか分からない」が最も多く、何をしたらよいのか分からず、行動に移せていない人が多いことがわかります。
親孝行への第一歩は……?
後悔は先に立たず。まずは親と「直接会うこと・話すこと」から始めてみましょう。月に数回は電話するなど、コミュニケーションを密にし、気軽に話し合えるような関係を保つことが大切です。ある程度コミュニケーションが取れるようになったら、親が元気なうちでないと話せない「これからのこと」を切り出してもいいかもしれません。
親と話しておきたい「これからのこと」
- これからやりたいことはあるか?
- 老後は実家に住み続けたいか?
- 介護になったら自宅で過ごしたいか? 高齢者施設に入りたいか?
- 住み替えたい場合、実家や土地はどうしたいか?
40代以降の主なライフイベントにかかる費用(参考)

親の意向を聞いた上で、自分たち(=子ども)にどんなサポートができるか? どんなサポートをして欲しいか? まで聞いておきましょう。最初は何を聞けばよいのか分からないことだらけだと思いますので、まずはファイナンシャルプランナーなど、その道のプロに相談してみるのも一つの手です。親が「いざ」というときに真っ先に相談できる関係性を構築しておくことも、立派な親孝行です。皆さんの親孝行の参考になればさいわいです。