
PROFILE この記事の登場人物

菅野 哲広 いい部屋ネット新宿店 店長(大東建託リーシング)
宅地建物取引士。2010年大東建託 足立支店に入社。現在は大東建託リーシング いい部屋ネット新宿店 店長として、お客さまが求めるより良い未来に寄り添い、その実現に尽力し、店舗運営と組織の発展に邁進中。
いよいよ新年度。入学・入社など新生活を始めるにあたって、新居に引っ越す方も多いですが、初めての部屋探しは難しいものです。賃貸物件の検索サイトを見ても、物件やチェック項目が多く、戸惑った経験は誰しもあるのではないでしょうか。
初めて1人暮らしをする初心者でも、いくつかのポイントを押さえればいい物件に巡り合える確率が上がります。そこで「いい部屋ネット」新宿店の店長を務める菅野さんに、失敗しない賃貸物件選びのコツを教えていただきました。
初めての部屋探しでも失敗しない7つのポイント
部屋探しは、時期によって物件数や借りる際の条件が変わります。特に引っ越しシーズンの繁忙期(1〜3月)は競争も激しく、希望の物件に巡り合うのも難しいものです。そこで、不動産業界歴15年の菅野さんに「これさえ押さえておけば失敗しない」という7つのポイントを教えていただきます。
就職の内定や大学合格の時期によって、部屋探しを始めるタイミングは大きく変わります。また地方から東京など、知らない地域に移住する場合は土地勘もないので、何を基準に部屋探しをすればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
菅野「ご進学の方、新社会人の方、ご転勤の方などの引っ越しが集中する1~3月は賃貸不動産業界にとってハイシーズン。早い方は12月に転居先を決めています。エリアによっても異なりますが、東京23区に関していえば、好条件の物件は1月でほとんど空いていないような状況です。人それぞれのご事情もあるかと思いますが、これから挙げる7つのポイントを押さえていただければ、土地勘がなくても良い物件に巡り合える可能性はぐっと高まります」

ポイント① 新着物件は毎朝・毎晩チェックしてお気に入り登録を
新着物件の更新頻度は不動産会社によって異なるので、物件検索サイトは毎朝・毎晩チェックするのがオススメです。また、多くのサイトに備わっている『お気に入り物件登録』機能を活用すると効率的。登録した物件をまとめて問い合わせたり、直接店舗へ行かずにウェブ上で申し込みができたりするので、積極的に使うと良いでしょう。
菅野「いい部屋ネットでは、基本的に週1度のペースで新着物件を更新しています。朝のチェック時に更新されていなくても、夜には新着物件が増えていた、ということはよくありますので、ぜひこまめに見てみてください」

ポイント② いい物件は早い者勝ち、先約がいても諦めないで
新築や駅近など、ニーズの高い物件は申し込みが集中しがち。空き物件情報を出した当日に契約が決まることも珍しくないといいます。
菅野「早い者勝ちなので、いい物件だと思ったら遠慮せずにすぐお問い合わせしてください。先約が入っていても入居審査に通らないケースがありますので、2番手、3番手でも諦めずにご相談していただきたいですし、条件の近い別の物件を紹介できることもあります」
ポイント③ 1〜3月は競争率も高いが、新築物件の供給も多い
1〜3月は競争が激しい一方で、退去者も多いシーズン。退去希望日を伝える『解約予告期間』は1~2カ月前が通例なので、一斉にいい物件も出回ります。
菅野「建設会社から新築物件の供給が増える時期でもあります。ライバルは多いですが、短期決戦にはうってつけです」
2021年は約33万6千戸、2022年は約35万3千戸と、毎年安定して30万戸以上もの借家用新築物件が建てられています。(出典:令和5年度 住宅経済関連データ 『新設住宅着工戸数の推移(総戸数、持家系・借家系別)』(国土交通省))
ポイント④ コスパの良さを重視するなら5・8・11月が狙い目
1〜4月、9~10月は決算期や人事異動で転勤する社会人、新学期を機に1人暮らしを始める学生などが増える時期。引っ越しシーズン前後の5・8・11月は閑散期となり、競争率も低くなるため、落ち着いて部屋探しをすることができます。
菅野「東京23区ですと、ハイシーズンの入居率は99%超え。そうなるとオーナーさまや管理会社も強気になり、礼金を高く設定します。ただ繁忙期が過ぎて空室があった場合、礼金をカットしてでも入居してもらいたいと考えるオーナーさまがいますので、コスパの良さを狙うなら閑散期にお部屋探しをすると良いでしょう」
ポイント⑤ 短期で集中して決めるが吉、長期間粘っても理想の物件が出てくるとは限らない
差し迫った引っ越しではないからといって、時間をかけて部屋探しをするのは得策ではありません。
菅野「お引っ越しを決めるのには、進学・就職・独立・結婚などの目的や理由があって選択するお客さまが多いので、長く待っていてもいい物件が出てくる保証はないのです。希望に合った物件が出てきたときは、すぐにつかんでいただくのが一番です」
ポイント⑥ 入居可能時期と解約予告期間のチェックは必須
初めての部屋探しで見落としがちなのが『入居可能時期』。前の入居者が退去した後にリフォームやクリーニングが行われるので、入居可能日は2~3週間後になります。それを確認せずに契約をしたことで、入居予定日が合わなくなって困るお客さまもいるといいます。
菅野「物件ページには入居可能日も記載していますが、それはあくまで目安。部屋の状態やオーナーさまの状況によって変わりますので、なるべくお問い合わせして確認していただきたいです。併せて、賃貸物件から賃貸物件にお引っ越しする場合は、ご自身の『解約予告期間』の確認も忘れずに。それを計算に入れていなかったために『まだ退去できていないのに、新居の家賃の支払いも始まってしまう……』なんていうケースがあります」

ポイント⑦ 内見せずに決める場合は、契約タイプの確認を忘れずに
菅野「検索サイトに掲載された写真や情報と、実際の物件に齟齬がないように、ぜひ内見をしていただき、周辺環境なども併せて確認していただきたいのですが、前の入居者の退去時期によって難しい場合もあります。そのときは契約タイプを確認してください。申し込みをした時点で審査が通ったら内見をせずにそのまま契約となる『先行契約型』、先に申し込みと審査を進めて、前居住者の退去後に内見をして最終判断をする『先行申込型』の2つがあります。引っ越しの経験が浅い方は後者を選んでいただいた方が安全です」