
PROFILE この記事の登場人物

佐々木 康祐 データアナリスト(Red Frasco)
2022年に入社。データアナリストとして「いい部屋ネット」のデータ分析を担当。サイトの問い合わせ数の最大化のために、ユーザーの行動データや事業データなどを分析し、関係チームと連携しながら問題発見から解決までを実行。

石山 雄大 エンジニア(Red Frasco)
2021年に入社。「いい部屋ネット」開発チームに所属。データチームと連携しながらユーザーの課題を分析し、どのようなページや機能が必要なのかをデザイナーと共に設計、プロダクトの成長に向けた施策の立案・開発を推進。
時代とともに人々のライフスタイルや価値観が変化し、それに伴って賃貸物件に求める条件も多様化しています。今回は、物件検索サイト大手「いい部屋ネット」の企画・開発を手がけているベンダー・株式会社Red Frasco(以下、レッドフラスコ社)の佐々木さんと石山さんに「賃貸物件における検索条件の変遷」と「ユーザーの行動変化」についてお話を伺いました。
「探す」というユーザーの検索行動を妨げない設計を意識

「いい部屋ネット」の快適な使い心地の裏には、UIや機能の強化だけではなく、一貫したユーザーファーストの精神がありました。
他の賃貸住宅サイトと比較して、「いい部屋ネット」ならではの独自性や強みを追求するために開発で心がけていることを教えてください。
※本当に隅々までユーザーファーストを心がけているんですね。

「先ほどもお話ししたように『いい部屋ネット』は『ユーザーに優しい』ということを意識してデザインしているため『探す』という体験を洗練させて、無駄な情報を排除し、ユーザーの検索行動を妨げない設計を心がけています。それに応えているのが、地図ページと物件一覧ページをシームレスに切り替えできる『地図から探す』機能です。現在地、もしくはエリアを指定すると地図が表示され、どの位置にどれだけの物件があるのかが直感的に分かるようになっています。『駅の北側がいい』『大きな道路沿いは避けたい』など『絞り込み検索』ではカバーしていないようなユーザーの要望に寄り添えるのが特徴です。ここでもキャッシュの仕組みをフル活用することで、どんな条件でも即座にピンが表示されるよう工夫しています」


「物件探しに関しては、石山が話した『地図から探す』以外にも『通勤通学時間から探す』や『学校・施設から探す』といったように、ユーザーの多様なニーズに応えられるように機能の拡充を行っています。先ほど例にあげた『人気駅・エリアランキング』は、ライフスタイル別のランキングを追加することで、間取り条件の利用率が向上しました。ユーザーが利用したくなる機能を常に念頭に置きながら、サイトの改善に取り組んでいます」

進化し続ける「いい部屋ネット」。AIで検索体験はどう変わる?
今後はどのような展望を見据えているのでしょうか。

「現在の物件一覧ページは『新着順』を基本とし、新しい物件にたどりつけるようにしていますが、今後はユーザーごとの検索傾向や嗜好に応じた『並び順の最適化』ができないか検討しています。『家賃の低い順』や『広さを優先』といった個々のニーズに適した表示方法を取り入れ、よりパーソナライズされた検索体験を提供できるように、データチームと連携しながら取り組んでいる段階です。また、地図や沿線といったいろんな検索軸をストレスなく切り替えながら物件探しができるユーザー体験も提供していきたいです」
AIの発展によって、賃貸物件検索の体験の進化もあるのでしょうか?

「AI技術が進化すれば、『こういう探し方もありますよ』と、サイト側からユーザーに対して新しい気づきの提案ができるようになるはずです。検索条件を自ら設定しなくても、より直感的でスムーズな物件探しが実現できるようになるのではと考えています」

「『いい部屋ネット』では、賃貸物件におけるニーズの変化を的確に捉え、直感的で使いやすいUIや機能を取り入れ、ユーザーの最適な住まい探しをサポートしてきました。これからも、さらなるサービス向上を目指して進化を続けていきます」

「繰り返しになりますが、ユーザーの快適な使い心地を実現するために、最も重視しているのが表示スピードです。そのために、キャッシュ※の仕組みを複数組み合わせて活用しています。物件情報は日々変動するため、最初の検索は避けられません。しかし、一度検索した結果を物件情報が更新されるまで保持・再利用することで、検索の負荷を最小限に抑えています。つまり、ユーザーが増え、検索パターンが多様になるほど、より多くのユーザーがスムーズに利用できるサイトへと進化していく構造になっているんです」