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RC造(鉄筋コンクリート造)って何? 他の建物構造との違いや耐用年数・防音性について解説

2025.06.17
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RC造(鉄筋コンクリート造)って何? 他の建物構造との違いや耐用年数・防音性について解説

PROFILE

阿久井 信志

阿久井 信志 技術監理部 構造技術課/構造設計一級建築士(大東建託)

2014年に入社。設計部、首都圏設計センターを経て、2021年から技術監理部に所属。現在は、首都圏エリアにおける特注RC造の構造設計全般の業務に従事している。

濱崎 紀彦

濱崎 紀彦 技術監理部 構造技術課/構造設計一級建築士(大東建託)

2014年に東広島支店 設計課に入社。2018年に設計部 技術課へ異動、首都圏設計センター等を経て、2021年から技術監理部に所属。現在は、流通開発事業部 西日本建築事業本部エリアにおける特注RC造の構造設計全般の業務に従事している。

賃貸物件を探しているときに物件詳細ページで間取りや専有面積、築年数などと一緒に「RC造」という表記を見たことはありませんか。建物構造の一つですが、具体的にどういった構造なのかを理解している人は少ないかと思います。

この記事では、RC造の特徴や他の建物構造との違い、耐用年数・防音性、メリット・デメリットなどについてわかりやすく解説します。

RC造(鉄筋コンクリート造)とは?

RC造は、建物の主要な構造部分(柱・梁・床・壁など)を、鉄筋とコンクリートを組み合わせて造る建築構造のこと。「RC」は、Reinforced Concrete(補強されたコンクリート)の略称です。耐久性や防音性、耐火性に優れていることから、集合住宅(マンション・アパート)や公共施設などで多く採用されています。

基本的な仕組み

鉄筋は引っ張る力(引張力)に非常に強い性質を持っていますが、熱に弱くさびやすいという弱点があります。コンクリートは圧縮する力(圧縮力)に非常に強い性質を持ち、熱にも強いですが、引っ張る力には弱いという弱点があります。

鉄筋コンクリートの特性(引用:鉄筋コンクリート造) 鉄筋コンクリートの特性(引用:鉄筋コンクリート造

RC造では、これらの正反対の性質を持つ材料を組み合わせることで、それぞれの弱点を補い合い、非常に強固で耐久性の高い構造を実現しているのです。具体的には、鉄筋を網状に組んだ型枠の中にコンクリートを流し込んで一体化させます。コンクリートが鉄筋を覆うことで、さびや熱から鉄筋を守り、建物全体として引っ張る力と圧縮する力に優れた強度を発揮するのです。

耐用年数は47年?

RC造の法定耐用年数は住宅用のもので47年と定められていますが、これはあくまで法律上での減価償却期間であり、実際の建物の寿命とは異なります。適切なメンテナンスを行うことで、耐用年数を超えて住み続けることも可能です。

優れた防音性

RC造は、コンクリートの密度が高く、音を通しにくい性質があるため、防音性にも優れています。外部からの騒音はもちろん、隣室や上下階からの生活音も軽減する効果が期待できるため、静かで快適な居住環境を実現しやすい構造といえるでしょう。

RC造(鉄筋コンクリート造)と他の建物構造の違い

建物構造にはRC造のほかにも、さまざまな種類があります。主な特徴とRC造との違いについて見ていきましょう。

RC造(鉄筋コンクリート造)と他の建物構造の違い

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)との違い

SRC造は、鉄骨鉄筋コンクリート造(Steel Reinforced Concrete Construction)の略で、鉄骨の柱や梁の周りに鉄筋を配置し、コンクリートで覆った構造のこと。RC造よりもさらに強度が高く、高層ビルや大規模な建築物に用いられることが多いのが特徴です。ただし、コストや工期はRC造よりもかかる傾向があります。

S造(鉄骨造)との違い

S造は、柱や梁など、建物の構造部分に鉄骨(Steel)を使う構造のこと。軽量で施工期間が短く、設計の自由度も高いのが特徴です。RC造に比べると一般的には耐火性や遮音性は劣りますが、工場や倉庫など大空間を必要とする建物には適しています。

木造(W造)との違い

木造(W造)は、建物の柱や梁などに木材を使用した構造のこと。主に一戸建てや3階程度までの低層の建築物に使われる構造で、RC造に比べると一般的には耐久性や耐火性、防音性は劣ります。しかし、建築コストが比較的低く、柔軟なリフォームが可能というメリットもあります。

RC造にはラーメン構造・壁式構造もある

建物構造にはRC造などの素材による分類だけでなく、建物の支え方の違いによる分類もあります。主な2種類について見ていきましょう。

組み方を基準としたラーメン構造・壁式構造もある
構造説明
ラーメン構造柱と梁で建物を支える、低層から高層まで幅広く用いられる構造のこと。室内に構造上必要な壁がないため、自由な間取り設計が可能
壁式構造壁や床などの面で建物を支える、低層から中層の建物に用いられる構造のこと。柱や梁が室内に出ないため、スッキリとした空間設計が可能

【メリット】耐震性、耐火性、防音性、耐久性…… RC造(鉄筋コンクリート造)の4つのメリット

RC造には多くのメリットがあります。主なものについて見ていきましょう。

メリット01 高い耐震性

RC造の最大のメリットは、高い耐震性です。鉄筋とコンクリートが一体化することで、地震の揺れに対して粘り強く抵抗し、建物の倒壊を防ぐ効果が期待できます。

メリット02 優れた耐火性

コンクリート自体が不燃材料であるため、優れた耐火性も持ち合わせています。火災が発生した場合でも、延焼を防ぎ、建物の構造的な安全性を保つことができるのです。

メリット03 高い防音性能

前述の通り、高い防音性もRC造の魅力です。密度の高いコンクリートが音を遮断するため、静かで快適な居住環境を実現できます。

メリット04 耐久性の高さ

耐久性が非常に高いこともメリットとして挙げられます。適切なメンテナンスを行うことで、長期間にわたり建物の資産価値を維持することが期待できるでしょう。

大東建託ではオリジナルの高耐久資材を使用

外壁などに防水性を確保する目的でシーリングを使用。大東建託の建物で使用されるシーリングは従来のシーリングと比較し耐候性に優れ、期待耐候年数が約30年と長期間になっています(引用:大東建託の高耐久シーリング「オリジナルの高耐久資材」)。

大東建託ではオリジナルの高耐久資材を使用

【デメリット】コスト、結露…… RC造(鉄筋コンクリート造)の3つのデメリット

RC造には多くのデメリットがあります。主なものについて見ていきましょう。

デメリット01 建築コストが高い

RC造のデメリットとしては、まず建築コストが高い傾向にあることが挙げられます。特に低層の場合は、木造や軽量鉄骨造と比較して材料費や人件費が多くかかるため、初期費用が高くなってしまうのです。

デメリット02 結露やカビが発生しやすい

コンクリートの気密性が高く湿気が抜けにくいため、換気が不十分な場合は結露やカビが発生しやすいという側面も。そのため、適切な換気対策を講じる必要があります。

デメリット03 リフォームや解体に手間がかかる

建物の構造自体が頑丈であるため、リフォームや解体をする際は通常よりも手間がかかる場合があることも考慮しておく必要があります。

【まとめ】建物構造の特徴を理解して、自分に合った住まい選びを目指そう

RC造は、耐震性や防火性、防音性に優れた建物構造です。他の構造と比較して建築コスト面での課題はあるものの、長期的に快適かつ安心して暮らせる居住環境を実現しやすい構造といえるでしょう。構造ごとの特徴をしっかり理解して、自分に合った住まい選びを目指してみてください。

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