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住まいと暮らし

全国で住みここち1位「北海道・東川町」は住みやすい? 人気の理由や住民のホンネを聞いてみた

2025.10.14
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全国で住みここち1位「北海道・東川町」は住みやすい? 人気の理由や住民のホンネを聞いてみた

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ケンタクアイ編集部

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大東建託グループのニュースメディア「KENTAKU Eyes(ケンタク アイ)」の編集部。暮らしを豊かにする知識やアイデア、最新技術、大東建託で働く人々の想い・取り組みの裏側まで、さまざまな情報をお届けします。

大東建託が実施している「街の住みここちランキング 自治体ランキング<全国版>」において、2年連続で全国1位を獲得した町があります。それが、北海道の「東川町」です。何かと話題の町ですが、伝わってくるのは自然が豊か、オシャレ、移住者が多い、という断片的な情報ばかり。そこで、町長や地元住民の方々にインタビューし、リアルな暮らしを聞きました。

「住みここ街歩き」シリーズ。住んでみたい人気の「あの街」、実際に住んでいる人々が感じる住みここちは?

大東建託では、2019年より全国100万人以上を対象に、住まいに関する大規模調査を実施しています。1つは、住んでみたい「あの街」をランク付けする「住みたい街ランキング」。もう1つは、実際に住んでいる人々に聞いて街をランク付けする「街の住みここちランキング」。KENTAKU Eyes編集部が、住んでみたい「あの街」の住民たちに街頭インタビューを敢行して実態調査していきます。

移住の町・東川町の特徴を教えてくれたのは、菊地伸さん(町長)

移住の町・東川町の特徴を教えてくれたのは、菊地伸さん(町長)

1967(昭和42)年東川町生まれ、58歳。酪農学園大学卒業後、音楽活動や会社員などを経て1992(平成4)年に東川町役場に入庁。交流促進課長、企画総務課長、東川スタイル課長、産業振興課長を歴任し、2023年1月末日に退職。同年、東川町長に立候補し、初当選。現在に至る(2025年9月時点)。

東川町公式サイト

東川町ってどんな街? 田舎に位置しながら、都会とつながるバランスの良さが魅力

移住の町・北海道 東川町ってどんな街? 田舎に位置しながら、都会とつながるバランスの良さが魅力

北海道のほぼ中央に位置する東川町は、北海道第2の都市である旭川市に隣接。その市街地までは車で30分という近さです。それでいながら町域の一部は、北海道最高峰の旭岳を含む大雪山国立公園と重なっています。このように、都市に近いながらも豊かな自然を擁することが、東川のさまざまな魅力につながっているようです。

大東建託の「街の住みここちランキング2025 自治体ランキング<全国版>」では、2年連続の1位を獲得。実際に住んでいる方々が評価するランキングで1位ということは、住民の満足度の高さを意味しますが、その評価の源泉はどこにあるのでしょうか。まずは東川町長に、町の特徴を伺ってみました。

移住の町・北海道 東川町

東川町の特徴のひとつとして“上水道がない”という点に驚きました。

菊地町長 菊地町長

「東川町では、家庭やお店、工場など、全ての建物で大雪山の伏流水である地下水をポンプでくみ上げて使っています。極端に言えば、蛇口をひねればミネラルウォーターが出てくるんです。もちろん下水道は完備していますが、上水道というインフラはありません」

地下水と子ども

もうひとつの特徴として“移住者が多い”とお聞きしました。

菊地町長 菊地町長

「移住者の定義が難しいところですが、東川町にルーツを持たない世帯という意味でいえば、町民の半数以上が移住者にあたります。また、10年前、町内にある自営の飲食店や販売店は35店舗でしたが、今では80店舗を超えました。こうしたことからも、個人事業主や自営業の方が多く移り住んでおり、理想の暮らしをかなえる具体的な場所として東川を選んでいらっしゃるんだと思っています」

人口も着実に増え続けているそうですね。

菊地町長 菊地町長

「東川町は住みやすいまちづくりを志し、その中でも教育と子育てには力を入れてきました。それもあってか、現在の人口のボリュームゾーンは30〜40代の子育て世代です。ご家族で移住という方もいらっしゃいますし、旭川にお勤めの方が、暮らすならと東川町にいらっしゃるケースもありますね」

最後に、「街の住みここち全国1位」という結果に対する感想をお聞かせください。

菊地町長 菊地町長

「2年連続全国1位ということは全く想像していませんでした。もちろんこの結果は、町民の皆さんも含めて大変うれしいことですが、行政としては一喜一憂することなく、住んでいる人がそういう評価をしてくださったんだということをしっかり肝に銘じて、これからも町づくりを頑張っていきたいと、思いを新たにしています」

実際の住みここちは? 街頭インタビューでその実態に迫る

実際の住みここちは? 街頭インタビューでその実態に迫る

実際のところ、東川町の住みやすさはどれほどのものなのでしょうか? 「街の住みここちランキング2025 自治体ランキング<全国版>」によると、下記4つのポイントが特に評価されていることが分かりました。

①親しみやすさ気取らない雰囲気や地元出身でない人のなじみやすさ、煩わしくない近所付き合い、地域のつながりやイベント参加のしやすさ
②防災地盤・津波・密集地火災の心配のなさ
③静かさ治安騒音や騒々しさのなさ、治安の良さ、海・山・川など自然の充実度、町並みのきれいさ、道路の混雑度合い
④行政サービス保育・教育・介護サービスや、公園・緑地・緑道など公共施設の充実度

調査対象である全国47都道府県(対象自治体1,890)のうち、「親しみやすさ」と「防災」は1位、「静かさ治安」は2位、「行政サービス」は4位を獲得。その一方で、賑わいに関しては226位、そして「交通利便性」と「生活利便性」については平均以下という評価になっています。親しみやすく静かで災害の心配はないけれど、賑わいや便利さとは縁が遠い。そんな暮らしの様子を、町でお会いした住民3名に聞きました。

住民の声01「落ち着いていて、人の距離感がちょうどいい」(在住歴7年のKさん)

最初にお話を伺ったのは、1歳半の男の子を抱っこしていたKさん(女性・30代)。北海道の小さな町に住んでみたいと思い、千葉県から東川に移住したそうです。そうしてここでご主人と出会い、結婚されたといいます。

住民の声01「落ち着いていて、人の距離感がちょうどいい」(在住歴7年のKさん)

Q1.東川町の高評価ポイント「親しみやすさ」「静かさ治安」「防災」「行政サービス」についてどう感じますか?

住民の声01「落ち着いていて、人の距離感がちょうどいい」(在住歴7年のKさん) Kさん

「町に対する愛着は確かにあると思います。この町が好きだし、住んでいて本当に心地いいんです。小さい町なので買い物に出れば誰かしら知り合いに会います。でも、変に近過ぎることもなくて、お互いに生活を尊重し合っている。そういう、ちょうどいい距離感が快適さにつながっているような気がします」

Q2.東川町の住みここちはいかがでしょうか?

住民の声01「落ち着いていて、人の距離感がちょうどいい」(在住歴7年のKさん) Kさん

「とてもいいです。やはり子育て真っ盛りなので、子ども中心の生活になっちゃうんですよね。それもあって、どうしても話題は子どものことになりがちです。だけど、子どもを軸にしたママ友じゃなくて、もともと知り合いだった人から先輩ママとしてアドバイスをもらえたり。子どもを中心にするんじゃなくて、大人が自然な生活の中で、みんなで子育てをしている感じがします。それから、行政サービスの充実ぶりには助けられていて。例えば、産前産後には役場に電話すると、お弁当の宅配サービスを受けることができたんです。小さな町だからこその小回りの良さ、みたいなものがあるんですよね」

Q3.あまり知られていない東川町の魅力があれば教えてください。

住民の声01「落ち着いていて、人の距離感がちょうどいい」(在住歴7年のKさん) Kさん

「『キャンモアスキービレッジ』ですかね。冬の朝イチは、仕事の前にひと滑りっていう人たちが集まるんです。みんな大人になっても遊びに貪欲で諦めていないというか、とても楽しそうで見ていてうれしくなります。冬に東川町へ訪れたら、ぜひオープン直後の『キャンモアスキービレッジ』に行ってみてほしいです」

住民の声02「個が際立った人たちが集まっている」(在住歴82年のYさん)

次にお話を伺ったのは、奥様とともに可愛らしいワンちゃんのお散歩をしていたYさん(男性・80代)。Yはさんは北見市生まれながら、物心つく前に東川町に引っ越しており、80年以上お住まいとのことです。

住民の声02「個が際立った人たちが集まっている」(在住歴 82年のYさん)

Q1.東川町の高評価ポイント「親しみやすさ」「静かさ治安」「防災」「行政サービス」についてどう感じますか?

Yさん Yさん

「防災については昭和22年だったか、川が氾濫したことがありましたけど、それ以降災害らしい災害は記憶にないです。地震もまずないですしね。天災とはあまり縁のない町じゃないでしょうか。治安についても心配したことは一度もないですね」

Q2.東川町の住みここちはいかがでしょうか?

Yさん Yさん

「住みやすい、の一言です。私が若い頃は、東川町に住んでいますって言ったら、それはどこだ? って言われるくらい田舎で知名度のない土地でした。それが今では、住みたいという方が集まっていらっしゃる。やっぱり何十年もかけて行政の方や民間の諸先輩方がコツコツとこの町をいい方向に導いてきてくれたからだと思います。私は町で掲げている『適疎(てきそ)』っていう言葉が大好きなんですよ。賑やかすぎず、過疎すぎない。高い建物があるわけじゃない、派手なお店があるわけじゃない。だけど、自然を大事にしながら着実な町づくりを進めてきた。そういうことが、適度に田舎っていう東川町の魅力をつくっているんじゃないでしょうかね」

Q3.あまり知られていない東川町の魅力があれば教えてください。

Yさん Yさん

「この町は食事がおいしいんです。カレーならここだよ、そば屋ならここだよって、どこに行ってもそのお店の個性がはっきりしている。食いしん坊の私にとっては最高ですね。それは食事だけじゃなくて、山用品のお店だったり、洋服のお直しだったり。専門的なお店が、この小さな町の中に集まっているんです。そういう、個が際立った人たちが集まっていることを、とても楽しませてもらっています」

住民の声03「移住者にとっては、不便さも魅力のひとつ」(在住歴22年のOさん)

最後にお話を伺ったのは、町はずれの公園でワンちゃんのリードを引いていたOさん(男性・40代)。東京から移住されたそうです。

住民の声03「移住者にとっては、不便さも魅力のひとつ」(在住歴 22年のOさん)

Q1.東川町の高評価ポイント「親しみやすさ」「静かさ治安」「防災」「行政サービス」についてどう感じますか?

Oさん Oさん

「『静かさ治安』の面でいうと、手つかずの自然がいっぱいあって、旭岳が雄大で。あと、東川は西に開けているので夕日がきれいなんですよ。静かでゆっくりしている感じがすごく気に入っていますね。交通が不便なんじゃないかと言われることがありますけど、自分は感じたことがないですね。ここの暮らしに慣れたっていうのもありますけど、そもそも田舎がいいなと思って移り住んでいるので、来ている時点で不便さも魅力のひとつなんです。だから移住者にとっては、不便なことってあんまりないんじゃないでしょうか」

Q2.東川町の住みここちはいかがでしょうか?

Oさん Oさん

「20代の頃に自転車旅行をしていたんですが、その途中に旭岳温泉の宿でアルバイトをしたのがきっかけで、仕事を変えながらずっと東川町にいます。最初に来たときに、いい所だなって思ったんです。住んで、知り合いが増えるほど面白くなってきている感じです。特におじいさん世代に魅力的な人が多いですね。中でも木工とか、ものを作ってきた人たちには独特のパワーがあって、興味深い人ばかりです。話していると、自分はいい先輩に恵まれているなって思えますよ。たぶん東川町の良さは今に始まったことじゃなくて、ずっとこういう人たちが育ててきたんだろうなって」

Q3.あまり知られていない東川町の魅力があれば教えてください。

Oさん Oさん

「十分知られているかもしれませんが、やっぱり自然の豊かさですかね。例えば夕焼けだったり、天の川だったり、黄色く紅葉したカラマツに朝日が当たっていたり。何気ないけどびっくりするくらいきれいなものが生活の中にあるのは、本当に素晴らしいです」

実際に東川町の町を歩いてみて 次のページ
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