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ケンタクアイ編集部
大東建託グループのニュースメディア「KENTAKU Eyes(ケンタク アイ)」の編集部。暮らしを豊かにする知識やアイデア、最新技術、大東建託で働く人々の想い・取り組みの裏側まで、さまざまな情報をお届けします。
2025年10月4日、東京ビッグサイトで大東建託協力会が主催する「第二回 匠マイスター技能選手権全国大会」が開催されました。この大会は、2024年に石川・東京・神戸・福岡で行われた地区大会を勝ち抜いた20支部60名の“匠マイスター”が集結し、約3時間半という限られた時間内で安全性と品質の高さを競うものです。今回は大会の熱戦の様子とともに、入賞した職人たちの想いをお届けします!
1987年に発足した大東建託協力会は、大東建託の賃貸住宅における設計・施工・修繕を担う企業で構成された組織です。高品質・高価値な建物づくりを支える存在として、日本全国にネットワークを広げ、56支部・14,000社(2024年1月現在)が所属しています。
大東建託協力会のWebサイト
職人技で未来をつなぐ。ものづくりの魅力を伝える「匠マイスター技能選手権」

建設業界はいま、長時間労働の常態化や職人の高齢化、そして若い世代の業界離れといった課題が深刻化しています。このまま対策を講じなければ、日本が誇る建設技術は次の世代へ継承されないまま失われてしまうかもしれません。
そんな危機感から、大東建託が立ち上げたのが「匠マイスター技能選手権」。建設業界の課題に立ち向かうため、優れた職人技を間近で見る機会を提供し、次世代の子どもたちにものづくりの魅力を伝えること。技能の伝承と後継者の育成こそが、この大会の根底に流れる理念です。

この大会の記念すべき第一回は、2019年6月にスタートしました。豊富な知識と経験を備えた“匠マイスター”たちが技を競い合う地区大会が開催されましたが、コロナ禍の影響で全国大会は延期に。その後、2022年1月に念願の全国大会が実現しました。仙台、神戸、福岡、東京の4会場で行われた地区大会を勝ち抜いた11名が、パシフィコ横浜に集結したのです。
そして、今回開催された第二回では、大工・電気・設備の各分野から3名がチームを組み、力を合わせて図面通りに一つの建物を完成させるという総合的な競技へと進化を遂げました。2024年に石川・東京・神戸・福岡の4会場で開催された地区大会を勝ち抜いた20支部60名による匠マイスターが、東京ビッグサイトを舞台に熱戦を繰り広げました。

【レポート】家族や同僚の声援が響くなか、匠マイスターが奮闘!
開会式は、フリーアナウンサーの平井理央さんが進行役となり、出場選手が1人ずつ紹介されました。競技ルールと採点方法の説明が行われたあと、全員でラジオ体操第一を行い、体をほぐします。タレントのヒロミさんから選手への応援ビデオメッセージが贈られ、会場は大きな拍手に包まれました。
午前10時半、いよいよ競技開始。匠マイスターたちが各競技スペースへ移動し、白熱した戦いの幕が上がりました。それと同時にYouTubeによるライブ中継も始まります。各競技スペースには、地元から駆けつけた出場選手の家族や仕事仲間が集まり、熱い声援を送りました。
競技中には、お父さんの仕事ぶりを見守るお子さまへのインタビューも!競技は途中に20分間の休憩を挟み、約3時間半にわたって実施されます。指定された区画内で、図面をもとに造作・ボード工事、配線、配管……と作業を進めていきますが、同じ区画内では2人以上の同時作業は禁止。違反した場合は減点となってしまうため、効率よく作業を進めつつも、区画外からお互いをフォローし合う連携力も求められます。

審査員たちは会場中を回り、厳しい目を光らせます。審査は単に作業の速さを競うものではなく、安全・品質・チームワークの3つの観点から総合的に評価されます。
主なポイントは、安全・品質の基本となる整理整頓の状況、計画と実際の作業に相違がないか、そして施工基準に準じた手順通りの作業が行われているかなど、工程に沿って細かく確認していきます。現場さながらの緊張感のなかで繰り広げられる職人技こそ、この大会の大きな見どころです。

選手たちは限られた時間のなか、急ピッチで作業を進めながらも、安全確認や清掃を怠りません。全国から集まった精鋭だけあって、どのチームも手際の良さとチームワークは見事なものです。
一方、会場内にはロボット操縦体験やトランポリン、エアー式迷路が設置されたキッズコーナー、キッチンカーなどが並び、家族の憩いの場となっていました。

前半は全貌が見えなかった建物も、後半に入ると徐々に完成形が見えてきて、応援する声にも一層熱が入ります。終了30分前になると工事の音も激しくなり、選手の表情もより真剣なものに。なかには時間内に完成させられたチームも現れましたが、多くのチームが苦戦し、10分間の延長戦となりました。
終了のブザーが鳴り響きます。満足げな表情で応援者と談笑するチーム、完成できず悔しさを隠しきれないチーム、さまざまな表情が交錯しました。審査時間中は、お笑い芸人の三四郎のお二人が漫才やクイズ大会で場を盛り上げ、会場は最後まで熱気に包まれていました。

建設現場の施工管理業務の効率化を目指した遠隔支援アプリ「SynQ Remote(シンクリモート)」のブースも登場。大東建託では2022年に導入され、社内普及率はなんと95%を超える実績を誇ります。ケンタクアイ編集部が実際の工事現場を訪問し、活用の様子や使い勝手を取材した記事もぜひご覧ください。
建設業向けDXツール「シンクリモート」の活用現場に突撃してみた
金賞は岐阜工事支部! 熱戦を終えたメンバーに突撃インタビュー

審査結果は、銅賞が熊本工事支部と熊谷工事支部の2組、銀賞が浜松工事支部、金賞は岐阜工事支部に輝きました。閉会式では、銅賞は代表者、銀賞と金賞はチーム全員が喜びのコメントを述べていました。
詳しい閉会式のコメントの内容は、YouTube配信(6:40:40頃〜)をご覧ください!
金賞受賞・岐阜工事支部へインタビュー! 次世代に対する想いとは?

金賞受賞おめでとうございます! まずは受賞の感想をお聞かせください。
岩井丈司さん「応援いただいた皆さんのおかげで金賞を獲ることができたと思います。本当にうれしいですね」
綿井真司さん「今朝、大会が始まるまで3人でどうするかを話し合い、会場に駆けつけていただいた現場監督の方にもアドバイスをいただいたんです。おかげで最高の結果を出すことができました」
見事なチームワークでしたが、皆さんは日頃から一緒にお仕事をされているんですか。
岡田さん「日頃から綿井さんとは現場をともにしています。岩井さんとは今大会が初めてでしたが柔軟に立ち回ってくれました」
岩井さん「とてもやりやすかったです! 息を合わせることができたと思います」
閉会式で大会副委員長が「現場全体の流れを理解しながら、自分の作業だけにとらわれることなく、それぞれをサポートしていたところが、まさに匠だと感じた」と金賞の決め手を語っていました。
綿井さん「自分がやりたい作業工程を準備しつつ、2人のことも考えて、どうやって進めていくかは意識したところです」
岡田さん「大勢の人が見ているなかで、ちょっと気負ったところもありましたが、なるべく周囲を気にせず、普段通りやることができたのが良かったです」

建物を完成させたスピードも早かったですね。
岡田さん「正直、楽勝で終わると思ったんです(笑)。でも最後の仕上げでバタバタしちゃいました」
綿井さん「建物内に2つしかブースがなかったので、どうしても1人は外での作業になります。そのとき、いかに2人の仕事をサポートできるかが重要で、そこが上手くできたと思います」
勝因は何だと思いますか。
岡田さん「事前に話し合ったとおりにできたことですね。お互いにプライドもあるので、忌憚のない意見を出し合って、それを作業に反映できたのが勝因かと思います」
完成したものがこちら。写真では伝わりにくい、繊細なディテールまで丁寧に仕上げられています!最後に次世代の職人や、これからものづくりを志す方々にメッセージをお願いします。
岡田さん「ハードな仕事という昔ながらのイメージが強くて、若い世代には魅力が伝わりにくいのが正直なところです。ただ時代が変わっても需要のある職業ですし、たくさんのやりがいもあります。今後、さらに重宝されていく業界だと思うので、僕らの世代が頑張って、次世代の職人にバトンを渡していきたいです」
インタビュー後、応援団の皆さんと記念撮影【編集後記】大会を観戦して
全国から集まった匠マイスターたちが、安全と品質を何よりも重視しながら技を競い合う姿は、まさに日本のものづくりの真髄を体現しているように思いました。
特に印象的だったのは、現地から駆けつけた家族や仲間からの熱いエール。匠マイスターたちはその声援を力に変え、素晴らしい熱戦を繰り広げていました。そんな職人たちの真剣な仕事ぶりを、子どもたちが間近で見守る光景からは、次世代への技能継承という大会の理念が確かに実現されていることも感じられました。
時間との戦いのなかでも整理整頓や安全確認を怠らない職人たちのプロ意識と見事なチームワークは、建設業界の未来に希望を感じさせるものでした。この大会が今後も、ものづくりの魅力を次世代へ伝える架け橋となることを期待します!
会場には大東建託のイメージキャラクター ・だいとくんの姿も。子どもたちに大人気でした!





































「ありがとうございます。岐阜には僕ら以上に素晴らしい職人がたくさんいることを証明したかったので、受賞できてうれしいです。岐阜はローカルなイメージが強いと思っています。岐阜の名前をもっと全国の人に知ってもらうためにも、金賞しかないと考えていました」