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長期優良住宅のメリットとは? デメリットや認定条件、申請方法についても解説

2025.11.10
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長期優良住宅のメリットとは? デメリットや認定条件、申請方法についても解説

PROFILE

泉川 仁史

泉川 仁史 商品開発部 商品開発課(大東建託)

2019年9月、大東建託に入社、商品開発部に配属。入社後は長期優良住宅の認定基準に対応した「シエル」シリーズ「シエルパティオ」や防災配慮型賃貸住宅「ぼ・く・ラボ賃貸フィール」の商品開発を担当する。その他、障がい者グループホーム「パートナーガーデン」や2×4造木造耐火「リベルテ フロー」に携わる。商品開発歴6年。

マイホーム購入についてインターネットでリサーチしていくと、「長期優良住宅」という言葉を目にする機会が増えているかと思います。長期優良住宅とは、国が定める基準をクリアした、長く快適に住み続けられる住宅のこと。長期優良住宅の認定を受けると、さまざまな優遇措置を受けることが可能です。

この記事では、長期優良住宅に関する基礎知識や、具体的なメリットとデメリット、認定条件や申請方法まで、わかりやすく解説していきます。

長期優良住宅とは?

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、「長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」のこと。国の所管行政庁(都道府県や市町村など)に申請することで、認定を受けることができます。「つくっては壊す」という従来の住宅のあり方を見直し、良質な住宅を手入れして、長く大切に使い続ける「ストック型社会」への転換を実現するために、2009年に認定制度が導入されました。認定を受けることで、子どもや孫の代まで住宅の資産価値を維持しやすくなります。

長期優良住宅の認定条件

長期優良住宅の認定を受けるためにはいくつかの認定条件を満たす必要があります。それぞれの項目について解説します。

劣化対策

数十年単位の長期間にわたって、構造躯体が使用できるための措置(構造躯体の腐食・腐朽および摩損の防止)が講じられていることが求められます。具体的には、劣化対策等級(構造躯体等)の等級3であること、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造などの構造の種類に応じた基準を満たすことなどです。

耐震性

稀に発生する大型地震に対しても、損傷のレベルを抑えるための措置が講じられている必要があります。具体的には、建築基準法で定められた耐震基準よりも高いレベルが求められ、壁量計算または許容応力度計算で耐震等級2以上であることが認定条件となっています。

省エネルギー性

地球環境に優しい住宅であることも求められるので、住宅の断熱性能や日射遮蔽性能など、必要なエネルギー消費量を抑えるための基準を満たす必要があります。具体的には、省エネルギー対策等級の断熱等性能等級5以上であること、さらに一次エネルギー消費量等級6以上の性能を確保することです。

維持管理・更新の容易性

給排水管やガス管などは、ある程度の年数が経つと修理や交換などが必要になってきます。そこで、将来的なメンテナンスや設備の更新をスムーズに行えるよう、構造躯体に影響を与えることなく配管の点検・清掃・補修・更新が行えることが求められます。

具体的には、一戸建て住宅では維持管理対策等級(専用配管)の等級3、マンションなどの共同住宅では維持管理対策等級(共用配管)の等級3、更新対策(共用排水管)の等級3であることが条件です。

可変性(共同住宅・長屋のみ)

居住者のライフスタイルの変化に合わせて間取りを柔軟に変更できる措置が講じられていることが求められます。マンションなどの共同住宅や長屋のみに適用される基準です。

バリアフリー性(共同住宅のみ)

将来的にバリアフリー化が必要になった際、改修可能な措置が講じられていることが求められます。共同住宅のみに適用される基準で、共用廊下などの共有部分や通路の幅、手すりの設置などに関わる基準が定められています。

住戸面積

良好な居住水準を確保するため、一戸建ての場合は75m2以上、共同住宅の場合は40m2以上の床面積が求められます。

維持保全計画

住宅の維持保全の観点から、以下の部分・設備については、定期的な補修・点検の時期を設定した計画(維持保全計画)を策定する必要があります。

災害配慮

災害発生のリスクのある地域においては、そのリスクの高さに応じて、所管行政庁が定めた措置を講じることが条件となります。具体的には、地震対策、土砂災害や津波・洪水などに対する対策などです。

長期優良住宅のメリット

メリット

長期優良住宅の認定を受けると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。主なものを見ていきましょう。

長期間、安全・快適に暮らすことができる

長期優良住宅は、高い耐震性や耐久性が確保されているため、地震などの災害に強く、構造的な劣化が起こりにくいのが特徴です。また、高水準の断熱性能や遮音性も備えているため、季節を問わず快適に生活することができ、安心して長く住み続けることができます。

さまざまな減税を受けられる

長期優良住宅に認定されると、以下のように税制面で優遇措置が受けられます。一般の住宅では適用されない特例や期間の延長などがあり、経済的な負担を大きく軽減することが可能になります。主な減税は以下の通りです。

【自宅を建てる人向け】住宅ローン減税

長期優良住宅を購入する場合は、税の優遇措置が受けられます。一般住宅よりも控除額が多い点が特徴です。一般住宅は控除率0.7%、控除期間最大10年間のところ、長期優良住宅は控除率0.7%、控除期間最大13年間となっています。控除対象の借入限度額に対しても、一般住宅の借入限度額は3,000万円のところ、長期優良住宅は最大4,500万円、子育て世帯または若者夫婦世帯の場合は最大5,000万円です(2025年12月31日までに入居した場合)。なお、適用条件は「自ら居住する住宅であること」なので、賃貸住宅の場合は適用されません。

【自宅を建てる人向け】投資型減税

投資型減税は、所得税から控除を受けられる制度で、認定住宅の性能を強化するためにかかる費用の10%相当額(最大650万円)を所得税から控除できる特例措置です。長期優良住宅のほか、ZEH住宅なども対象となっています。住宅ローンを利用しない、現金購入者も対象になるので、現金で購入する方にとっては大きなメリットといえるでしょう。こちらも適用条件は「自ら居住する住宅であること」なので、賃貸住宅の場合は適用されません。

【自宅を建てる人向け】【オーナー向け】不動産取得税の減税

不動産取得税の課税標準からの控除額が、一般住宅よりも優遇され、1,300万円に引き上げられます(一般住宅の場合、控除額は1,200万円)。これにより、支払う税額を抑えることができます。ただし、対象となるのは、2026年3月31日までに新築された住宅です。

【自宅を建てる人向け】【オーナー向け】登録免許税の税率引き下げ

住宅を購入する際は、その土地・住宅が誰のものなのか、新しい所有者への移転登記と登録登記が必要になります。長期優良住宅は、この際にかかる登録免許税が軽減されます。所有権保存登記は、税率が0.15%から0.1%へ、移転登記は戸建ての場合は0.3 %から0.2%へ、マンションは0.3%から0.1%へ税率が引き下げられます。

【自宅を建てる人向け】【オーナー向け】固定資産税の減税期間の延長

固定資産税の減税措置の適用期間が、一般の住宅(3年間)に比べて延長されます。一戸建ては最大5年間、マンションなどの共同住宅では最大7年間にわたり、税額が2分の1に減額されます。なお、2分の1に減額される期間は、一般住宅よりも2年間長く延長されます。

住宅の種類一般住宅長期優良住宅
2階以下の戸建て3年間、税額2分の15年間、税額2分の1
3階以上の中高層耐火住宅やマンション5年間、税額2分の17年間、税額2分の1

【自宅を建てる人向け】住宅取得等資金贈与の非課税限度額の拡大

親や祖父母から住宅取得(新築・増改築)のための資金贈与を受ける際、住宅要件によっては、非課税となる限度額が一般住宅よりも拡大されます。これにより、まとまった資金を贈与税の負担なく受け取ることができます。

【自宅を建てる人向け】【オーナー向け】フラット35住宅ローン金利の優遇

「【フラット35】S(金利Aプラン)」といった、長期優良住宅を対象とした優遇金利の住宅ローンを利用できます。一般の住宅に比べて、当初一定期間の金利引き下げが適用され、総返済額を抑えることが可能です。ただし、戸建てと賃貸では優遇金利や期間の条件に違いがあり、「フラット35」は賃貸を目的とした住宅は対象外となります(例:フラット35の借入金利が、当初5年間、年0.75%引き下げ、など)。

他にも、賃貸住宅でも長期優良住宅やZEH基準に適合する場合に、当初15年間金利引下げを受けることができる住宅ローン「子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資(住宅金融支援機構)」などもあります。

【自宅を建てる人向け】【オーナー向け】地震保険料の割引が受けられる

長期優良住宅の耐震性の高さは、地震保険でも評価の対象となります。認定基準である「耐震等級2以上」をクリアし、所定の確認書類を保険会社に提出することで、地震保険料が割引(割引率は、耐震等級2は30%、耐震等級3は50%)になる優遇を受けることができます。また、住宅の耐震性能の向上を反映し、地震保険料率は引き上げ傾向にあり地震保険付帯率(火災保険と合わせて契約している率)も年々上がっています。

【自宅を建てる人向け】【オーナー向け】補助金が活用できるケースも

「子育て住宅グリーン支援事業」や、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業」など、国や自治体による補助金制度を利用できる場合があります。ただし、補助金の活用には、別途それぞれの事業の要件を満たす必要があるため、担当窓口に確認が必要です。また、住宅ローン減税との併用ができないケースなどもあるため、利用要件については事前によく確認するようにしましょう。

【自宅を建てる人向け】【オーナー・入居者向け】住宅の資産価値が下がりにくい

長期優良住宅は、その高い耐久性や適切な維持管理計画により、住宅の寿命が長く、資産価値が下がりにくいという特徴があります。もし、将来売却する予定があるという場合は、こまめなメンテナンスを心がけましょう。

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅の認定を受けることには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。購入時のコストや手間を理解したうえで、認定を受けるかを検討する必要があるでしょう。ここでは、主なデメリットを紹介します。

申請に費用がかかる

長期優良住宅の申請は無料ではなく、一定額の費用がかかります。設計図書類の作成費用や認定手数料、手続きの代行手数料など、数十万円程度かかることが一般的です。心配な方はハウスメーカーや専門機関にあらかじめ申請費用がいくらかかるのか確認してみましょう。

建築コストがかさむ

長期優良住宅は、国の定める高い技術基準をクリアするために、通常の住宅よりも高性能な材料や工法を採用しているケースも多いです。そのため、認定基準をクリアするための設備費用などで、建築コストが一般住宅よりも高くなる傾向があります。

建てた後も定期的なメンテナンスが必要

長期優良住宅の認定条件には、「維持保全計画」が含まれるため、認定を受けた後も定期的な点検や補修が義務付けられます。これを怠ると、最悪の場合、認定が取り消される可能性があるため、注意が必要です。補助金や優遇措置を受けている場合は、認定が取り消されると返還を求められることがあります。

工事着工前に申請をする必要がある

長期優良住宅の認定には、工事を始める前(着工前)に行政庁へ申請し、認定を受ける必要があります。着工後に申請することはできないため、認定を受ける場合は、早い段階でハウスメーカーや設計士に相談し、計画を進めなければなりません。認定に必要な書類を準備するのも時間がかかるため、計画的にマイホームの購入を進める必要があるでしょう。

長期優良住宅の申請方法

申請方法

長期優良住宅の認定申請は、専門知識が必要となるため、通常は建築を依頼するハウスメーカーや工務店、設計事務所が代行して行います。ここでは、申請のおおまかな流れを解説します。

STEP01:住宅性能評価機関に必要書類を提出する

まずは、建築する住宅の設計図面や、認定基準を満たしていることを証明するための各種計算書(耐震性、省エネルギー性など)を準備します。この工程は、建築会社や設計者が中心となって進めていきます。必要書類が揃ったら、登録住宅性能評価機関に書類を提出し、技術的な審査を受けます。住宅の設計が長期優良住宅の認定基準を満たしているかどうかが確認され、満たしていれば「確認書」または「住宅性能評価書」が交付されます。

住宅性能評価機関に提出する書類

  • 確認申請書または設計住宅性能評価申請書
  • 各種図面、計算書など

STEP02:書類を添え、所轄行政庁に申請

STEP01で交付を受けた確認書と、認定に必要な申請書類、維持保全計画書などの必要書類を添えて、所轄の行政庁(都道府県または市区町村)に認定申請を行います。行政庁による審査を経て、問題がなければ「認定通知書」が交付されます。

行政庁へ認定申請する際に必要な書類

  • 認定申請書
  • 確認書
  • 各種図面など

STEP03:工事完了したら所轄行政庁に報告

認定通知書を受け取ったら、いよいよ建築工事に着工します。工事が完了した後、行政庁に対して工事完了の報告を行えば、すべての手続きが完了となります。しかし、住宅完成後は維持保全計画に基づく点検や修繕、修繕記録の作成と保存などの手続きを繰り返し行います。維持保全計画の期間は30年以上ですが、必要に応じて見直しを行い、住宅が良好な状態で保たれるように管理していきます。

メリットとデメリットを比較検討して、長期優良住宅の申請を進めよう

長期優良住宅は、設備をそろえるために建築コストがかさむというデメリットはあるものの、高い安全性と快適性を長期にわたって確保できるだけでなく、税制優遇や金利優遇といった大きな経済的メリットを受けられます。

住宅の「質」を高め、将来的な資産価値を維持したいと考える方にとって、長期優良住宅の認定は非常に有効な選択肢です。メリットとデメリットを比較検討したうえで、マイホーム計画を進めていきましょう。

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