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マリエさんが“材木から電気を作る”一戸バイオマス発電所を徹底レポート ——「持続可能な燃料調達」への徹底したこだわりとは?

2025.12.17
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マリエさんが“材木から電気を作る”一戸バイオマス発電所を徹底レポート ——「持続可能な燃料調達」への徹底したこだわりとは?

PROFILE

マリエ

マリエ 環境省 森里川海アンバサダー/デザイナー/アクティビスト

ファッションの観点から環境問題に積極的に取り組み、数々の循環型社会に向けた取り組みの講演・イベント・フェスプロデュースを担当。

大東建託はRE100(Renewable Energy 100%:事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達すること)に加盟し、持続可能な燃料調達に向けた取り組みを推進しています。一戸フォレストパワー(大東建託グループ)は、2025年4月より岩手県一戸町の「一戸バイオマス発電所」の運営を開始しました。

今回はファッションブランドのデザイナーであり、環境省のアンバサダーも務めるマリエさんが一戸バイオマス発電所を訪れ、カーボンニュートラルを実現するバイオマス発電の仕組みや「持続可能な燃料調達」への徹底したこだわりに迫ります。

全編は動画でご覧ください

森林未利用材(丸太)が電気に変わるまで。発電所の全工程を見学

一戸バイオマス発電所の敷地内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、見渡す限り広がる材木の山々。バイオマス発電の燃料になる丸太や材木は、近くの山々の伐採現場で切り出され、建設用材としては利用できない未利用材です。その圧倒的な量に、思わず驚きの声を上げるマリエさん。

森林未利用材(丸太)が電気に変わるまで。発電所の全工程を見学

これらの木材は、木質チップに加工されて発電燃料となりますが、マリエさんは「木材チップを燃料にして燃やせば、CO2排出の原因になるのでは?」と素朴な疑問を浮かべました。

マリエさんは「木材チップを燃料にして燃やせば、CO2排出の原因になるのでは?」と素朴な疑問を浮かべました。

その疑問に対して、一戸フォレストパワーの石島宏和(いしじま・ひろかず)所長は次のように答えます。

一戸フォレストパワーの石島宏和(いしじま・ひろかず)所長 石島

「一般的な火力発電は、石炭や天然ガスなどの化石燃料を地中から掘り出して燃やすため、地表のCO2は増えてしまいます。一方で木質チップを燃料とする場合は、木が育つ際に吸収したCO2を燃焼時に放出するだけなので、実質的にCO2の排出と吸収が相殺され、差し引きゼロになります。これがカーボンニュートラルの考え方です」

カーボンニュートラルの概念

カーボンニュートラルの概念を理解したところで、マリエさんは発電所の内部へと入っていきます。最初に訪れたのは、丸太の破砕と出来上がった木質チップを保管する「チップヤード棟」の作業場。マリエさんの見上げる先には、「チッパー」と呼ばれる巨大な機械が並び、丸太を細かく破砕して木質チップにしていきます。

ふるいの機械で規格に合ったサイズのチップだけが選別され、ベルトコンベアで次の工程へと運ばれていきます。

そして、ふるいの機械で規格に合ったサイズのチップだけが選別され、ベルトコンベアで次の工程へと運ばれていきます。

ふるいの機械で規格に合ったサイズのチップだけが選別され、ベルトコンベアで次の工程へと運ばれていきます。

発電所では一日に約260トンのチップが消費され、目の前に積み上げられた巨大なチップの山でも、たった半日で使い切ってしまうとのこと。

発電所では一日に約260トンのチップが消費され、目の前に積み上げられた巨大なチップの山でも、たった半日で使い切ってしまうとのこと。

マリエさんが次に訪れたのは「ボイラー棟」。ボイラーが室内にあるのは、「冬の寒さから従業員を守り、安全で負担の少ない環境で働けるようにするため」と石島所長は話しました。

マリエさんが次に訪れたのは「ボイラー棟」

「流動層ボイラー」は、木質チップを密閉された特殊な炉の中で、熱した砂を流動させながら燃焼させることで、効率的かつ安定した燃焼を実現しています。

「流動層ボイラー」は、木質チップを密閉された特殊な炉の中で、熱した砂を流動させながら燃焼させることで、効率的かつ安定した燃焼を実現しています。

ボイラーで生み出された高温高圧の蒸気は、配管を通って「発電棟」へ送られてきます。その勢いで発電機を動かすことで電気が生まれます。ここで作られる電気は、年間約5,175万kWh。この膨大なエネルギーが送電線を通じて、私たちのもとへと届けられていくのです。

ボイラーで生み出された高温高圧の蒸気は、配管を通って「発電棟」へ送られてきます ボイラーで生み出された高温高圧の蒸気は、配管を通って「発電棟」へ送られてきます

「中央制御室」ではボイラーやタービン、発電機がしっかり動いているかを24時間365日監視しています。外部からのハッキングなどを防ぐため、あえてインターネット回線から独立した監視システムを構築し、安全かつ安定的な電力供給を徹底しています。

「中央制御室」ではボイラーやタービン、発電機がしっかり動いているかを24時間365日監視

「海外輸入チップには頼らず、国産材に絞る」入念なデューデリジェンスの実践

「海外輸入チップには頼らず、国産材に絞る」入念なデューデリジェンスの実践

「海外からの輸入チップには頼らず、国産材に絞って取り扱いをしている」

そう語るのは、株式会社一戸フォレストパワー代表取締役社長の大久保孝洋(おおくぼ・たかひろ)さん。さらに、そのこだわりは国産材の中でも徹底されています。

株式会社一戸フォレストパワー代表取締役社長の大久保孝洋 大久保

「大東建託グループでは、以前から再生可能エネルギーの導入を進めており、兵庫県の朝来バイオマス発電所に次いで2拠点目となるのが一戸バイオマス発電所です。大東建託では多くの木材を構造材として使用しているために親和性が高く、海外からの輸入チップには頼らず、国産材に絞って取り扱いをしています」

海外からの輸入チップには頼らず、国産材に絞って取り扱いをしている
タレント・マリエ マリエ

「なるほど。丸太だけではなくて、製材の端材も多く使われているのですよね」

株式会社一戸フォレストパワー代表取締役社長の大久保孝洋 大久保

「そうですね。岩手県には製材所が非常に多く、近隣の製材所から背板などの端材を仕入れることで、木材の持つ価値を最大限に活用する『カスケード利用』の実践につながっています。また、燃料調達では入念なデューデリジェンス(価値やリスクを事前に調査・評価すること)を行い、伐採地と再植林を確認できた丸太のみを受け入れることで、違法伐採を防ぎ、山林の若返りにもつながっていると考えています」

海外からの輸入チップには頼らず、国産材に絞って取り扱いをしている
タレント・マリエ マリエ

「私が関わっているアパレル業界でも、『原材料のトレーサビリティ』はとても大切なことで、『繊維が生まれるところ、精製されるところを確認すること』は、私自身も責任を背負っていると感じたので、とても共感しました」

トレーサビリティ

原材料の調達から製造工程、流通、販売、廃棄までの履歴を追跡できる状態のこと。製品の品質管理や安全確保を目的としている

バリューチェーン全体で脱炭素化を推進し循環型社会を目指す

大東建託グループは、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」、そして2030年までに世界の平均気温上昇を1.5℃に抑える「SBT1.5℃」の達成を目標に掲げています。この目標を達成するためには、再生可能エネルギーの導入が必要不可欠ですが、実は再生可能エネルギーの証書に関してはお金を払えば誰でも買えてしまうのが現状です。

バリューチェーン全体で脱炭素化を推進し循環型社会を目指す

しかしそれでは、脱炭素をお金で解決するということにつながりかねないので、大東建託グループでは「自社で創出した再生可能エネルギーで達成すること」にこだわっています。

脱炭素社会の未来へ向けて、「買う」のではなく「創る」。

そうした強い意志の第一歩が朝来バイオマス発電所、第二歩目が一戸バイオマス発電所になるのです。

今後はグループの脱炭素化を最優先に進めつつ、管理物件の共用灯や建材メーカーといったサプライヤーにも電力を供給していく構想を描いています。自社の取り組みに留まらず、事業に関わるすべてのバリューチェーン全体で脱炭素化を推進していくうえで、一戸バイオマス発電所の取り組みは大きな役割を担うことでしょう。

管理物件の共用灯や建材メーカーといったサプライヤーにも電力を供給していく構想

マリエさん自身も、「私も見習って、原材料のトレーサビリティをもっと取れるようにサステナブルな活動を続けていきたいと感じました」と刺激を受けたそうで、サステナブルなアクションを積極的に取り入れていくことに期待を膨らませていました。

マリエ「私も見習って、原材料のトレーサビリティをもっと取れるようにサステナブルな活動を続けていきたいと感じました」

大東建託グループが目指す循環型社会への取り組みの一環として、バイオマス発電は、燃料の調達段階から環境と社会への責任を徹底的に追求し、地域との共生を図りながら未来のエネルギーを創り出しています。こうした活動が、社会全体で再生可能エネルギーの普及や促進にも貢献できると考えています。

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