
PROFILE この記事の登場人物

江田 凌祐 管理工事部 資材販売課(大東建託パートナーズ)
2019年大東コーポレートサービスに入社。現在は大東建託パートナーズ 管理工事部 資材販売課にて、大東グループの協力業者・取引先・社員向けECサイト「すまちく建材店」の運営を担当。
トイレの故障は、日常生活にダイレクトに影響を与えるトラブル。焦って無理に直そうとすると、かえって被害を広げてしまうこともあるので、正しい対処法を知っておくことが大切です。
暮らしや住まいのトラブル解決法を紹介する「住まいのトリセツ」シリーズ。3回目の今回は、トイレの故障について症状別の原因や応急処置を紹介します。
【症状別】トイレ故障の主な原因と応急処置
トイレの不具合の原因と応急処置を5つの症状別に解説します。
症状01. 水が詰まった、水位が上がったまま
レバーを引いても水が流れない、あるいは少ししか流れず便器内の水位が上がってくる状態です。主な原因としては、大量のトイレットペーパー、あるいは異物混入が考えられます。

特に気を付けていただきたいのが、ペット関係。ペット飼育可能な建物にお住まいの方は、猫砂や動物の毛、ペットシート等もつまりの原因となります。また、ペットの糞(ふん)もトイレに流してはいけません。犬や猫の糞は、人間の排泄物と異なり水に溶けにくく、詰まりの原因になります。お住まいの地域のルールに従いゴミとして処分してください。
出典:江田島市HP応急処置としては、ラバーカップで解消できることがあります。
① 排水口にラバーカップを密着させる
② ゆっくり押して強く引き上げる
ラバーカップをゆっくり押し込んだ後、カップ内の水を排水口へ押し出し、便槽内に水を溜めた状態で素早く引いてください。ラバーカップの使い方は、機種により異なる場合があります。
③ ②を何度か繰り返し行う
ポイントは、カップ内に空気を入れないこと。カップ内の水の水圧で詰まりを押し流します。また、汚水が跳ね上がる可能性があるので、中央に穴をあけたビニールなどを便器に被せ、周りに新聞紙などを敷いて作業するのがオススメです。

ここまでで直らなければ、修理業者や管理会社に相談しましょう。
症状02. 水が流れない
レバーを回しても手応えがなく、水が出てこない状態。主な原因は、レバーと連動している「チェーン」の切断や脱落、または断水です。タンク内外の構造は機種により異なる場合があります。応急処置として、次の手順を試してみましょう。
① 止水栓が開いているか確認し、閉まっていたら開く
② タンク内のチェーンが外れていないか確認する
チェーンが切れていたら、基本的には部品交換が必要です。

ここまでで直らなければ、修理業者や管理会社に相談しましょう。
症状03. 水が止まらない
便器内にチョロチョロと水が流れ続けたり、タンクの中で水の音が止まらなかったりするケース。主な原因は、タンク内部のゴム弁か浮き玉の不具合です。応急処置の手順は次の通り。
① 止水栓を止める
止水栓は、トイレのタンク付近にあることが多いです。マイナスドライバーやコインを使って時計回りに回し、水の供給を止めてください。(画像右)赤丸が止水栓。タンクのないトイレの場合、止水栓が扉の中にある場合があります。
② タンクのフタを開けてゴム弁が正しく閉まっているか確認する
③ ゴム弁が浮いていたり、チェーンが絡まっていたりしたら手で調整する

それでも改善しない場合は、ゴム弁か浮き玉の劣化が疑われます。ここまでで直らなければ、修理業者や管理会社に相談しましょう※。
※症状04. 水漏れしている
給水管の接続部分や、床と便器の隙間から水がじわじわと漏れ出している状態です。主な原因としては、接続部のパッキン劣化、ナットの緩み、あるいは便器本体のひび割れなどが考えられます。放置すると感電・漏水被害につながるため、迅速に次のような対処が必要です。
① 止水栓を閉めて水漏れを一時的に解消させる
② 水漏れ箇所を確認する
どこから漏れているのかを特定するために、タンク、給水管、便器などを乾いた雑巾で拭いてから、水が染み出す場所を探してください。
③ 接続部のナットが緩んでいる場合は、軽く締め直す
ナットは、強く締めすぎないようにしましょう。

ほとんどの場合、自分で対応するのは難しいので、ここまでで直らなければ修理業者や管理会社へ速やかに相談しましょう。
症状05. 温水洗浄便座(ウォシュレット)の不具合
温水洗浄便座(ウォシュレット)のノズルから水が出ない、お湯にならない、あるいは勝手に動き出すなどの電気系統のトラブルです。主な原因としては、センサーの汚れ、フィルターの詰まり、または電装基板の寿命が考えられます。応急処置として、まずは次の3つを試してみてください。
① 電源が入っているか確認する
プラグがしっかり差し込まれているか、電源が入っているか、リモコンやセンサーの電池が切れていないかなど、そもそも電源が入っているかをチェックしましょう。
② コンセントを一度抜き、再起動する
③ 取扱説明書を読む
問い合わせの前に、取扱説明書を一度確認しましょう。メーカー・形式が分かれば、各メーカーのWebサイト等で確認できる場合があります※。

ここまでで直らなければ、修理業者や管理会社に相談しましょう。
※応急処置は日中・平日に
ここまで紹介した応急処置をする場合、気を付けてほしいのが、「夜中や休日は無理に触らない」ということです。悪化してしまった場合、修理業者や管理会社ですぐさま対応できないからです。まずは止水栓を止めて、翌朝や翌営業日に連絡できるようにしましょう。なお、修理業者や管理会社にどのタイミングで連絡すればいいのか迷う場合は、以下の「すぐ連絡すべき緊急度」も参考にしてみてください。
すぐ連絡すべき緊急度
| 緊急度 | 対応 | 症状 |
|---|---|---|
| ★★★ | 今すぐ連絡 | ・水が止まらない ・床からの水漏れ |
| ★★ | 応急処置後に相談 | ・詰まりが解消しない |
| ★ | 様子見可 | ・温水洗浄便座(ウォシュレット)の不具合 |
【NG】トイレが詰まったときにやってはいけないこと
トイレの故障は、誤った対応をすれば取り返しのつかないことになります。ここからは、中でもトイレが詰まったときにやってはいけないことを紹介します。
何度も水を流す
トイレが詰まっているのに焦って何度も水を流すと、水位がどんどん上昇して便器から汚水が溢れるという最悪の事態に陥ります。マンションだと下の階に漏水するリスクもあります。1回流してダメなら、ストップしましょう。
無理やり棒や針金で突く
何とか詰まりを解消しようとして、棒や針金を使うと、排水管や便器を傷つける恐れがあります。また、かえって詰まりを奥に押し込む可能性も。修理費が上がってしまう場合もあるので、避けた方がいいでしょう。
市販の薬剤をむやみに使う
トイレ詰まりといっても、原因はトイレットペーパーや排泄物、異物、尿石などさまざま。全ての原因に対して、効果がある市販の薬剤はありません。そのため、むやみに市販の薬剤を使っても詰まりが解消できない可能性があります。また、薬品の中には混ぜて使用すると、有毒ガスが発生する危険なものもあります。便器・配管を傷めることもあるため、むやみな使用はやめましょう。
自然に直ることを期待して放置する
トイレ詰まりの原因が、トイレットペーパーや便など水に溶けるものであれば、放置で詰まりが解消することもあります。しかし、原因が異物や汚れなど水に溶けないものは、すぐに対処しなければ、重症化してしまうケースがあります。原因が分からなければ、直ちに対処するようにしましょう。
節水のため、トイレのタンクにペットボトルを入れる人もいるかもしれません。しかし、詰まりが生じやすくなるため、オススメできません。水量が減ることによって流れが悪くなってしまいます。さらには、タンク内の部品の破損につながる可能性もあるので、こうした節水術はやめましょう。

応急処置で改善しなければ、早急に相談を
水回りのトラブルは、感電・漏水被害につながる可能性もあるため、早急な対処が必要です。ここまで紹介した応急処置を試してみても改善しない場合は、修理業者や管理会社に相談しましょう。
















