PROFILE この記事の登場人物

青木 俊憲 管理工事部 資材販売課 (大東建託パートナーズ)
2011年8月 浜松北営業所の管理課として中途入社後、現在は 管理工事部 資材販売課で「業者様向け資材販売」・「営業所向け資材販売」・「営業所資材の在庫管理」など資材を中心とした企画業務を担当する。
キッチンの蛇口が少し緩んでいる気がする、ドアのきしみが気になる……。
賃貸住宅での生活において、ふとした瞬間に発生する「設備の不具合」。こうした設備のトラブルは、長く住んでいれば日々の暮らしの中で必ず直面するものです。「住まいのトリセツ」シリーズ6回目では、設備における小修繕のルールと、場所ごとの修理方法をコンパクトに網羅して解説します。
消耗品の交換は入居者の費用負担が基本
まず基本的な考え方として、賃貸住宅では建物の構造や備え付けの設備は「オーナーの所有物」であり、日々の生活の中で発生する軽微な修繕は入居者自身で行うという原則があります。入居者が負担する「軽微な修繕(小修繕)」とは、日常生活の中で通常発生し、入居者自身で対応できる程度の小さな修理や交換を指します。

そのため、以下のような代表例は入居者が費用負担する形になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 電球・蛍光灯の交換 電球の交換方法はこちら | 日常的に消耗するもので、入居者が交換可能なため |
| 水道のパッキン交換 (蛇口・シャワーホースの水漏れなど) | 劣化による軽微な水漏れは入居者が対応する範囲とされることが多い |
| 障子・ふすま・畳表の張り替え(軽度の破れなど) | 小修繕として扱われることが多い |
| 日常の清掃不足による汚れ・カビの除去 | 善管注意義務違反に該当するため |
| 入居者の過失による傷・汚損 | 家具をぶつけてできた壁・室内建具(ドア・引き戸)の穴・キズや、飲み物をこぼして放置した床のシミ、結露を放置して発生したカビなどは通常使用を超える損耗として入居者負担 |
その他、下記があります。
- 各種リモコンの電池
- 排水口のゴミ受けネット
- エアコンのフィルター清掃・交換
- ガスまわり
- ガラスのはめ替え
場所別のメンテナンス方法
01.水道まわり

「蛇口を閉めても水がポタポタと垂れて止まらない」という場合、多くは内部のパッキンの劣化が原因。ホームセンターなどで新しいパッキンを購入し、交換する必要があります。その際は、以下の点に十分注意してください。
① 必ず「止水栓」を閉める
作業前に、必ず止水栓を閉めてください。これを忘れると、部品を外した瞬間に水が噴き出し、部屋が水浸しになる二次被害が発生します。
② 無理な力をかけない
ネジが固いからと無理に回すと、配管を損傷させる原因となり、高額な修繕費用が発生する可能性があります。
③ 自信がないときはプロに任せる
蛇口や配管の構造が複雑だったり、修理に専門工具が必要と感じたりした場合は、無理をせず、プロの業者や管理会社に相談・依頼するのがよいでしょう。
02.シャワーホースのパッキン

シャワーの付け根やヘッド部分から水が漏れ始めた場合、内部の「ゴムパッキン」の劣化が原因です。
① 必ず「止水栓」を閉める
まずは止水栓を完全に閉めてから既存のパッキンを取り外してください。
② 同じサイズのパッキンを用意する
交換用のパッキンはホームセンターやネット通販で同じサイズのものを購入するのが確実です。サイズが合わないパッキンを使用すると、かえって水漏れが悪化する原因になります。
③ ネジを締めすぎない
無理に工具でネジを締めすぎると、パッキンやホースを傷めることがあります。適度な力加減で締めてください。交換後はしばらく漏れがないか観察し、もし漏水が続く場合は管理会社へ相談しましょう。
03.各種リモコンの電池

エアコン、照明、給湯器、などの部屋設備に付属されているリモコンが反応しなくなった際は、電池切れによる不具合が非常に多いです。
① 必ず同じ種類の新しい電池をセットする
リモコンの電池を交換する前に、裏面のカバーを開けて表記されている電池の種類と本数を確認しましょう。種類の違う電池や、新旧の電池を混ぜて使用すると、液漏れや誤動作の恐れがあります。リモコンの電池は「アルカリ電池」が基本的に最適で、マンガン電池は昔の家電向けのため、現在のリモコンにはほぼ推奨されません。
② 電池交換しても動かない場合は管理会社へ相談
新しい電池に交換しても動作しない場合は、リモコン本体の故障が考えられますので、管理会社へ相談しましょう。特に電池を長期間交換せずに放置すると、液漏れを起こし、リモコン内部が腐食して本体が使用できなくなることがありますので使用しない場合は、電池を取り外しておくことをオススメします。
04.排水口のゴミ受けネット

キッチンや浴室の排水口に設置するゴミ受けネットは、排水口の詰まりや悪臭を防ぐために必要な消耗品です。定期的な交換を行い、清潔に保つようにしましょう。
① こまめに交換することを心がける
ゴミ受けネットをゴミが溜まったまま放置すると、異物が排水管に流れ込んで詰まりの原因になります。場合によっては階下への漏水トラブルにつながる恐れもありますので、こまめに交換することを意識しましょう。
② 排水口のサイズに合ったものを選ぶ
ゴミ受けネットはドラッグストアや100円ショップなどで手軽に購入できます。排水口のサイズに合ったものを選ぶようにしましょう。また、ネット交換のタイミングで排水口まわりもあわせて清掃しておくと、においの発生を抑えることができます。
05.エアコンのフィルター清掃・交換

エアコンのフィルターは、ほこりが溜まると冷暖房の効率が下がり、カビが生えやすくなります。2週間〜1か月に一度を目安に定期的なお手入れを心がけましょう。
① 完全に乾燥させてからセットする
フィルター清掃を行う際は、まずエアコンの電源を切り、前面パネルを開けてフィルターを取り外します。フィルターに付着したほこりを掃除機で吸い取り、水洗いして汚れを落とし、日陰でしっかりと乾燥させます。完全に乾いてから戻さないと、カビの発生や故障の原因になります。
② 清掃してもエアコンの効きが悪い場合は業者や管理会社へ相談
フィルター自体が破損・劣化して交換が必要な場合も入居者の負担になりますが、「エアコンから異音がする」「水が垂れる」「清掃をしても冷暖房の効きが悪い」といった場合は、業者や管理会社へ相談しましょう。
06.ガスまわり

ガスまわりの小修理は、安全第一で行うことが何よりも重要です。
① ガスコンロのバーナー部分を掃除する
ガスコンロのバーナー部分に焦げや汚れが溜まっていると、点火しにくくなるので、定期的な掃除を心がけましょう。また、点火装置が電池式の場合は電池交換で直ることもあります。
② ガス臭がする場合は業者や管理会社へ相談
ガス漏れの疑いがある際はすぐにガス栓を閉め、換気扇などのスイッチには触れずに窓を開けて換気をし、ガス会社や管理会社に連絡してください。ガス報知器が設置されていない場合はガス会社へ問い合わせてください。都市ガスとLPガスでは設置位置が違いますので注意が必要です。
07.ガラスのはめ替え

窓ガラスや室内のガラスが割れてしまった場合は、入居者負担での交換となります。費用については火災保険でも対応可能な場合がありますので保険会社へ連絡をして確認してください。
① ガラスをまとめて処分する
ガラスを拾う際は、怪我をしないように厚手の手袋を着用した上で破片を拾い集め、新聞紙などに包んで処分します。細かい破片も飛び散っている可能性が高いため、掃除機をかけましょう。
② ガラスのはめ替えは業者への依頼が基本
窓の種類やサイズによって費用が変わりますので、複数の業者に見積もりを取ると安心です。不安な場合は管理会社へ連絡してください。管理会社でも業者の手配は可能です。交換に時間がかかる場合は、段ボール・大きなビニールで窓を塞ぐなど対処しましょう。
08.室内建具(ドア・引き戸など)

毎日の開閉でネジが緩んだり、油分が切れたりすることが原因で不具合が発生しやすい箇所です。
① ドアの異音は蝶番(ちょうつがい)に潤滑剤を注油する
ドアを開閉する際に「キィー」という音が鳴る場合は、蝶番に潤滑剤を少量吹き付け、ドアを数回開閉して馴染ませます。潤滑油はホコリを吸着して黒ずみの原因になるため、ベタつきにくい「シリコンスプレー」などがオススメです。
② 戸車に詰まったホコリを取る
引き戸の滑りが悪い場合は、レールや戸車に溜まったホコリを取り除きます。また、戸車の調整ネジを回すことで、扉の傾きを修正することもできます。
迷ったときの考え方
小修繕は「自分でできる範囲」と「管理会社に任せる範囲」の線引きを知っておくだけで、いざというときに慌てなくて済みます。また、安全に配慮しながらメンテナンスを行うことで、無駄な出費を抑え、トラブルを未然に防ぐことができます。


















