PROFILE この記事の登場人物

河瀬 璃菜(りな助) 料理家/フードプロデューサー/SOU㈱ 代表取締役
1988年生まれ、福岡県出身。料理家。 フードプロデューサーとして、レシピ開発や商品開発、飲食店プロデュースなど、食に関わる幅広い領域で活動。書籍 『神レンチン』(文藝春秋)をはじめ多数のメディアに出演し、地方創生の為の6次産業支援や商品開発、レストランプロデュースなど、地方と連携したプロダクトにも注力している。「全国の素敵な食材や製品の価値と想いを伝える」という信念のもと、日本各地の魅力ある食材を新しい形で発信し続けている。

出相 貴士 総務部 防災管理課 課長/防災士(大東建託)
2004年入社。入社岩国支店(閉鎖)から7支店の勤務を経て、2026年4月から防災管理課に所属。各地で、直接お客さまと関わる業務を行う中、間接的に2014年8月の広島県広島市北部豪雨災害を経験、自然災害の脅威を目の当たりにする。2020年7月の熊本豪雨の復興にボランティアとして参加。会社の防災拠点として、福岡支店を「ぼくラボステーション」とし、備蓄品管理や地域イベントに参加。福岡市との防災協定締結にも参画した。
突如訪れる地震や津波、火事などの災害を乗り切るために必要な日々の備え。
そんな中、日常で使っているモノやサービスを非常時にも役立てる「備えない防災=フェーズフリー」という考え方が浸透しつつあります。特に“食”は賞味期限があるため、古いものから消費・補充をしていく「ローリングストック法」がオススメです。
とはいえ、「防災食=簡素で味気ないもの」のイメージがありませんか? 今回は、防災食の開発も手掛けている料理家の河瀬璃菜さん(以下、河瀬)に、“日常でも楽しめる、フェーズフリーな防災食アレンジレシピ”を作ってもらいました。 災害時にも再現できる手軽さを担保しながら、普段の食卓にも取り入れられるため、ぜひ試してみてくださいね。
ポリ袋と缶詰を使った防災麺料理3選
- 湯煎でできる
- 洗い物は袋のみ
- 切り物なし
- 缶詰、麺など主原料以外は最小限
レシピ01|ツナ缶でうま味+タンパク質!「ツナポリタン」

材料(1人分)

- ツナ缶・・・1缶
- パスタ・・・100g
- 粉チーズ・・・適量
- 水・・・170cc
- 塩・・・ふたつまみ
- バター・・・5g
- トマトケチャップ・・・大さじ3
- ウスターソース・・・大さじ1
作り方

① 耐熱袋に半分に折ったパスタ、水、塩を入れたら、空気を抜き、袋の口をしっかりと結ぶ。この状態で1時間おく。

② 鍋にお湯を沸かしたら、①をパスタの袋表示より2分長く茹でる。この際、鍋底に皿などを敷く。

③ ②の袋の中に油を切ったツナ缶、Aを入れ、よく混ぜ合わせる。仕上げに粉チーズをふる。あればバターを最後に混ぜるとより美味しくいただけます。

河瀬「写真では器に移していますが、災害時は器の上に袋ごと置くことで、洗い物を出さずに食べることができますよ」
レシピ02|缶詰で手軽にエスニック「グリーンカレーうどん」

材料(1人分)

- うどん(ゆで)・・・1玉
- バジル・・・あれば
- サラダチキン(ほぐし)・・・50g
- グリーンカレー缶・・・1缶
- 麺つゆ(3倍濃縮)・・・大さじ1
- 水・・・100cc
作り方

① 耐熱袋にうどん、水、グリーンカレー缶、麺つゆを入れたら、空気を抜き、袋の口をしっかりと結ぶ。

② 鍋にお湯を沸かしたら、①を3〜4分茹でる。この際、鍋底に皿などを敷く。

③ 味が足りないようであれば塩で調える。サラダチキンを乗せ、あればバジルを散らす。

河瀬「ほぐしたサラダチキンがあれば、カットする手間もなく、簡単に具材をプラスすることができますよ。また、栄養素も取れるため、トッピングとしてきのこミックスもオススメです」
レシピ03|焼き鳥缶+コーンバターでリッチな「鳥塩バターラーメン」

材料(1人分)

- 塩ラーメン・・・1袋
- 焼き鳥缶詰・・・1缶
- バター・・・5g
- コーン缶・・・大さじ1
- もやし・・・50g
- 胡椒・・・少々
作り方

① 耐熱袋に塩ラーメンと付属の調味料、もやしを入れる。袋表示通りのお湯を入れたら、袋の口を縛り、4分おく。

② ①に焼き鳥缶、コーン缶、バターをのせ、胡椒をふる。あれば青ネギを散らす。

河瀬「鍋で茹でなくても、お湯を入れて放置することで、美味しく袋ラーメンを食べることができます。焼き鳥缶やコーンをプラスすることで、よりリッチで豪華な味わいになりますよ」
今回のポリ袋調理のポイント
ポイント① ポリ袋の「材質」を必ず確認する
「高密度ポリエチレン」と書かれた半透明の袋を使ってください。耐熱温度が110℃〜130℃ほどあり、湯煎に耐えられます。よくある「低密度ポリエチレン(透明でツルツルした袋)」や、一般的なジッパー付き保存袋は耐熱温度が低く(70〜80℃程度)、熱で溶けて破れるリスクが高いので湯煎には使えません。今回は「アイラップ」を使用しました。
ポイント② 鍋底に皿を敷く
火が当たっている鍋底に袋が直接触れると、耐熱温度を超えてしまい、一瞬で袋が溶けて穴が空きます。ダイレクトな熱で溶けるのを避けるために、「耐熱性のある陶磁器製の平皿」を敷きましょう。大きめに丸めたアルミホイルをいくつか鍋底に敷き詰めて、その上に袋を乗せる形でも代用できますよ。

防災士 出相「防災士として、必要な備蓄品の種類や数量などばかりを考えていましたが、料理に一工夫できると無機質になりがちな避難生活も少し変わりますね。高密度ポリエチレンとお皿は、私も備蓄品に追加してみたいと思います」
河瀬「『防災食』と聞くと、どうしても今の自分には必要がないように感じられ、ついつい後回しにしがちです。ですが、日常に少しでも防災の視点を取り入れることで、いざというときに救われる命や暮らしが必ずあります。防災が皆さんの日常にそっと寄り添い、万が一の備えをサポートするきっかけになれば幸いです」





















「今回は、できるだけ災害時にも役に立つレシピにするために、4つの制約を設けてレシピを作りました」