毎年、正月の風物詩として全国を熱狂させる箱根駅伝。ファンの方なら、「コース沿いに住めば、気軽に生観戦を楽しめるのでは?」と一度は考えたことがあるのではないでしょうか。そこで、各地域を知り尽くした賃貸不動産の「いい部屋ネット」担当者が、観戦しやすく暮らしやすいオススメエリアを厳選してご紹介します。
目次
箱根駅伝ってどんな大会? 基本情報と歴史を解説
箱根駅伝(正式名称:東京箱根間往復大学駅伝競走)は、1920年にスタートした日本の大学駅伝を代表する大会です。発案者は、マラソンの父として知られる金栗四三(かなくりしそう)氏。彼は「世界に通用するランナーを育成したい」という思いから、箱根駅伝を創設しました。
1997年、鶴見中継所に建てられた箱根駅伝のランナー像
大会は1月2日から3日にかけて行われ、1日目の往路(1区東京・読売新聞社前から5区箱根・芦ノ湖までの5区間)と、2日目の復路(6区箱根・芦ノ湖から10区東京・読売新聞社前までの5区間)の総距離217.1kmで競われます。前年の上位10校で構成されるシード校や、予選会を通過したチームを含む全21チームが出場します。
往路・復路のコースマップ
優勝争いやシード権争い、繰り上げスタート回避を懸けた戦いなど、多くの感動を呼ぶ箱根駅伝は正月の風物詩として全国で注目され、テレビ中継の視聴率は30%に迫るほど。大会当日は毎年多くの観客が沿道から声援を送っています。迫力の1区・10区! オススメ観戦スポットは「六郷橋」、暮らしやすいのは2つの商店街を擁する「雑色駅」周辺エリア
往路1区は箱根駅伝のスタートを飾る緊張感たっぷりの区間です。距離は比較的短く、起伏も少なく、気温も低めで走りやすいものの、出遅れは致命的。1分遅れるだけで、他区間で2分の遅れに相当すると言われるほど重要な区間です。そのため、ここでは各チームのエース級の選手が活躍します。復路10区は長く続いた駅伝の最終区間。どんなに上位につけていても、10区で失速すると一気に順位が崩れるプレッシャーがかかります。コースは平たんで走りやすいものの、23kmもの長距離と日差しの暑さが選手に試練を与える難しい区間です。オススメの観戦スポット「六郷橋」
六郷橋の歩道は絶好の箱根駅伝観戦スポット。普段は地元のランナーたちの練習コースとして親しまれている
この区間でオススメの観戦スポットは、東京都大田区東六郷と神奈川県川崎市川崎区本町を結ぶ多摩川に架かる「六郷橋」です。ここは、1区の平たんで直線的なコースが続いた後、17kmを過ぎた地点でアップダウンが現れ、選手たちがラストスパートをかける瞬間を間近で見ることができるため、観戦にぴったりのスポットといえます。
六郷橋沿いの土手には緑地野球場がいくつもあり、街と自然が融合した景色を楽しめる
暮らしやすいのは、京急本線「雑色駅」周辺エリア
昔ながらの精肉店から有名飲食チェーン店まで、バラエティ豊かなお店が軒を連ねる「雑色商店街」
京急蒲田駅と京急川崎駅の中間に位置する「雑色(ぞうしき)駅」周辺は、便利さと落ち着きを兼ね備えた魅力的なエリア。駅の西側には「雑色商店街」が、東側には「水門通り商店街」が広がり、日常の買い物や外食を手軽に楽しむことができます。さらに、駅前には大型スーパー「オーケー」もあり、生活の利便性が非常に高い地域です。さらに、駅前広場では「G-round」というマルシェが定期的に開催され、地域住民同士の交流を深める機会が多いことも魅力のひとつ。住みやすさと温かみのある地域の雰囲気が、雑色駅周辺の人気を支えています。交通アクセスの面では、羽田空港や品川、横浜へ行きやすく、単身赴任や出張が多い方にとって理想的な立地でしょう。ほど近い「京急蒲田駅」や「川崎駅」の周辺と比べて家賃が抑えられており、単身者向けの物件だけでなく、ファミリー向けの広めの物件も充実しています。
永瀬
「自分も雑色駅の近くに住んでいるのですが、箱根駅伝当日は普段の落ち着きがうそのように大盛り上がりです!」
激闘の2区・9区! オススメ観戦スポットは「戸塚中継所」、暮らしやすいのは大型商業施設が集結している「戸塚駅」周辺エリア
往路2区は「花の2区」と呼ばれ、各チームのエースランナーが登場します。この区間は、13km付近の「権太坂(ごんたざか)」をはじめ、ラスト3kmには上り下りの繰り返しが待ち受けるタフなコースです。ごぼう抜きも多く、学生陸上界の最高峰の戦いが繰り広げられる、非常に見ごたえのある区間となっています。復路9区は「復路のエース区間」として勝負が決まる重要な区間です。コース序盤は下り坂、後半は平たんな道が続き、走りやすい一方で最長区間でもあり、無鉄砲に突っ込むと失速のリスクもあります。ここでは優勝争いやシード権争いの逆転劇が起きることも多く、鶴見中継所では毎年ドラマが繰り広げられます。オススメの観戦スポット「戸塚中継所」
右側の駐車場が「戸塚中継所」にあたる
この区間でオススメの観戦スポットは、神奈川県横浜市戸塚区の国道1号線沿いに位置する「戸塚中継所」です。2区は体力、精神力、勝負勘が試される過酷な区間で、選手たちは「戸塚の壁」を越え、スタミナを使い果たしながら必死に中継所を目指します。エースたちの激闘を間近で見られる非常に魅力的なスポットです。
暮らしやすいのは、「戸塚駅」周辺エリア
戸塚駅東口駅前ペデストリアンデッキ
「戸塚駅」は、JR横須賀線、総武線、東海道線、湘南新宿ライン、成田エクスプレスの5路線が利用できるなど、交通の便が良好。駅の東西には「トツカーナモール」「サクラス戸塚」「戸塚モディ」「アピタ戸塚店」などの商業施設が充実しており、日常の買い物や用事を便利に済ませることができます。都内への通勤や湘南エリアへのお出かけもしやすい立地で、平日も休日も快適に過ごせるでしょう。
線路を挟むようにして、東側(左)に「戸塚モディ」、西側(右)に「トツカーナモール」が建っている
また、戸塚区は横浜市18区の中で最も面積が広く、人口は4番目に多いものの、人口密度は10番目となっています。2004年から始まった戸塚駅西口の再開発により交通や安全などさまざまな面で快適性が向上し、静かで住みやすい環境が整いました。「横浜駅」や「大船駅」と比べると家賃が抑えられており、広めの間取りを希望する方にも人気。単身者からファミリーまで、多様なライフスタイルに対応しています。交通の便が良く、生活が快適で、コストパフォーマンスにも優れている「戸塚駅」周辺は、都会的な利便性も、郊外の居心地の良さも併せ持ったバランスのいいエリアといえるでしょう。
櫻井
「戸塚駅周辺は、平日は都内への通勤、休日は湘南エリアへのお出かけに最適な、中間地点の魅力的な立地です」
絶景の3区・8区! オススメ観戦スポットは「サザンビーチちがさき海水浴場」、暮らしやすいのは海沿いのリゾート感を味わえる「茅ヶ崎市東海岸南」エリア
往路3区は、時には強い向かい風が選手を苦しめることもありますが、遊行寺の坂を下る以外は比較的平たんで走りやすく、スピード型の選手がごぼう抜きを披露することも多い区間です。復路8区は気温の上昇とともに選手を苦しめるボディーブローのような区間。前半はフラットで走りやすいものの、後半に待ち受ける遊行寺の坂が大きな難所となります。スピードよりもタフさが求められ、体力勝負が光る区間です。オススメの観戦スポット「サザンビーチちがさき海水浴場」
サザンオールスターズのCDジャケットでもおなじみ、サザンビーチちがさき海水浴場のシンボル「茅ヶ崎サザンC」
この区間でオススメの観戦スポットは、浜須賀交差点から始まる海を臨むコースです。選手たちが青い海を背景に走る姿は圧巻で、特に「サザンビーチちがさき海水浴場」は名所として人気があります。この場所は見通しが良く、レースの流れを感じやすいため、迫力のある走りを間近で楽しむことができます。海風や景色を感じながら応援するのにぴったりのスポットです。
左手側から茅ヶ崎の海風が吹き、真正面には富士山が見えるコース
暮らしやすいのは、茅ヶ崎駅の南側に広がる「東海岸南」エリア
茅ヶ崎駅南口の様子
東海道線と相模線が通る「茅ヶ崎駅」南側の東海岸南エリアは、駅から徒歩圏内で海にもすぐにアクセスできる魅力的な立地です。子育て世代やサーフィンを楽しむ人々に人気が高く、周辺にはおしゃれな飲食店やマリンスポーツショップが多く点在しています。また、駅近くには「イオン茅ヶ崎中央」や「イオンシネマ茅ヶ崎」があり、生活の利便性が非常に高いのも特長です。
閑静な住宅街の東海岸南エリア。右側に見えるマリンスポーツショップには、サーファーたちが集う
電車で横浜まで約30分、東京まで約1時間とアクセスが良好で、都心に通勤する方にも便利なエリアです。自然豊かな環境ながら、リゾート感と日常の利便性が共存しているため、非常に住みやすい地域といえます。
早船
「茅ヶ崎の夏の風物詩『サザンビーチちがさき花火大会』では、海面に映る花火が絶景です!」
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