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木造住宅の特徴とは? 他の建物構造との比較やメリット・デメリットについて解説

2025.07.31
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木造住宅の特徴とは? 他の建物構造との比較やメリット・デメリットについて解説

PROFILE

宮田 英二郎

宮田 英二郎 技術監理部(大東建託)

1992年に本社設計部に入社。その後は住宅開発部、技術部、商品開発部等を経て、基幹商品開発の構造設計や木造エコプレカット工法等の新工法開発を手がける。2025年4月に技術監理部へ異動。現在は、2×4工法住宅型有料老人ホーム「ソエルガーデン」等の新商品開発に携わっている。

住宅の構造にはさまざまな種類があります。日本では一般的な木造住宅ですが、その特徴やRC造やSRC造、S造との違いについてしっかり理解できている人は意外と少ないのではないでしょうか。

この記事では、木造住宅の特徴や代表的な工法、他の建物構造との違い、メリット・デメリットなどについてわかりやすく解説します。

木造住宅とは?

木造住宅とは、柱、壁、梁、土台など、建物の骨組みとなる主要な構造部に木材を用いた住宅のことです。日本の気候風土に合った建築方法であり、現在でも戸建て住宅を中心に広く採用されています。

木造住宅で用いられる工法

木造住宅では主に2種類の工法が用いられています。それぞれの特徴について見ていきましょう。

木造住宅で用いられる工法

在来(木造軸組)工法

在来工法は、日本の伝統的な木造建築の工法であり、柱や梁などの軸組で建物を支えるのが特徴です。設計の自由度が高く、増改築にも比較的対応しやすいというメリットがあります。日本の風土に根ざした、柔軟性の高い建築方法です。

2×4(ツーバイフォー)工法

2×4(ツーバイフォー)工法は、北米で発展した工法で、断面が2インチ×4インチの規格化された木材と合板で壁や床などの面を構成し、箱状に組み上げて建物を支えます。高い気密性や断熱性、耐震性の高さが特徴で、工期が比較的短いというメリットもあります。規格化された部材を用いる、効率的な建築方法です。

木材の安定調達に向けて

世界的に木材を含む資材価格の高騰や調達の不安定化が進んでおり、大東建託は2×4用木材を安定調達するための新会社「大東カナダトレーディング株式会社」を2023年にカナダBC州に設立。同社は、資材の安定調達や迅速な情報収集。また、2030年までに持続可能な木材調達比100%を目指しています。 (引用:【サステナビリティ】カナダに2×4用木材安定調達のための現地法人を設立

RC造、SRC造、S造…… 木造と他の建物構造の違い

建物構造には木造のほかにも、さまざまな種類があります。主な特徴と木造との違いについて見ていきましょう。

RC造(鉄筋コンクリート造)との違い

RC造は、建物の主要な構造部分(柱・梁・床・壁など)を、鉄筋とコンクリートを組み合わせて造る建築構造のことです。一般的に、木造よりも建物重量が重くなり、また建築コストが高くなる傾向がありますが、耐久性や遮音性では優れています。

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)との違い

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)は、鉄骨の柱や梁の周りに鉄筋を配置し、コンクリートで覆った構造です。RC造よりもさらに高い強度を持つため、高層建築物に用いられます。木造と比較すると、強度や耐火性は非常に高いですが、建築コストはRC造以上に高くなります。

S造(鉄骨造)との違い

S造(鉄骨造)は、鉄骨を主要な構造材とする構造で、工場や倉庫、商業施設など、広い空間を必要とする建物に適しています。木造に比べて強度が高いですが、一般的に遮音性や断熱性では劣る場合があります。

【メリット】建築費やリフォームの柔軟性、木材特有の快適さなど、木造住宅のメリット

木造住宅には多くのメリットがあります。主なものについて見ていきましょう。

メリット01 建築費が比較的安い

一般的に、木造住宅はRC造やS造と比較して、材料費や基礎工事費などが抑えられる傾向にあります。特に、在来工法は比較的ローコストで建築できる場合が多く、予算を重視する方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

メリット02 リフォーム・間取り変更がしやすい

木造軸組(在来)工法は、柱や梁で建物を支える構造のため、壁を取り払ったり、間取りを変更したりするなどのリフォームが比較的容易に行えます。ライフスタイルの変化に合わせて住まいを柔軟に変化させたいと考える方にとって、大きなメリットとなります。

メリット03 断熱性・調湿性に優れた木材特有の快適さ

木材は、繊維の間に空気を多く含み、断熱性に優れています。夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるため、冷暖房費の節約にもつながるでしょう。また、湿度を吸収・放出する調湿効果もあり、室内の湿度を一定に保ち、快適な居住環境を実現します。

メリット04 再生可能な資源でエコ

適切に管理された森林から伐採された木材は、植林によって再生可能な資源です。また、木材はCO2を吸収し、固定します。さらに、鉄やコンクリートなどの他の建築材料と比較して、製造時のエネルギー消費量やCO2排出量が少なく、環境負荷の低いエコな素材といえるでしょう。

【デメリット】耐火性や耐久性、品質など、木造住宅のデメリット

木造住宅にはメリットだけでなく、いくつかのデメリットもあります。こちらについてもしっかりと理解しておきましょう。

デメリット01 火に弱い

燃えやすい性質を持っているため、RC造やS造と比較して火災に弱いというデメリットがあります。しかし、適切な耐火被覆をすることでこのデメリットをカバーできます。また、近年では燃えにくい木材や防火性の高い建材を使用するなどの対策も進んでいます。

デメリット02 耐久性にやや課題がある

木材は、湿気やシロアリなどの影響を受けやすく、適切なメンテナンスを怠ると耐久性が低下する可能性も。そのため、定期的な点検と適切な維持管理が必要となります。

デメリット03 音が響きやすい

一般的に、木造住宅はRC造のような重量のある建物に比べて、音が響きやすい傾向があります。特に、二階の足音や生活音が階下に伝わりやすいという課題は無視できません。しかし、遮音性の高い床材や壁材を使用するなどの対策によって、ある程度改善することは可能です。

デメリット04 天然素材なので品質にばらつきがある

天然素材であるため、含水率や強度、木目などにばらつきがあります。そのため、使用する木材の品質を見極める専門知識や、適切な乾燥・加工技術が求められます。信頼できる建築業者を選ぶことが、品質の高い木造住宅を建てるための重要なポイントとなるでしょう。

木造住宅に長く住むためのポイント

“賃貸住宅を超える賃貸”「メリディオ24」(2004年)。イタリアンヴィラ様式の外観デザイン。南北両方に玄関(1階住戸は南側、2階住戸は北側)がある「リバースフラット形式」を採用 “戸建住宅を超える賃貸” 「サンレミ」(2004年)。素焼風の屋根と、塗装と石積み風の外観が特徴のプロヴァンス風の外観デザイン。室内には天然石の対面カウンターや鋳物調のカーテンレールなどを採用

木造住宅の寿命を延ばし、快適な住環境を維持するためには、どういったことに気をつけなければいけないのでしょうか。知っておきたいポイントについて解説します。

木造住宅の寿命

木造住宅の法定耐用年数は22年と定められていますが、これはあくまで法律上の減価償却期間です。適切なメンテナンスを行うことで、実際の耐用年数を延ばすこともできます。

定期的なメンテナンスの重要性

木造住宅に長く住むためには、定期的な点検とメンテナンスが非常に重要です。シロアリ対策、雨漏り対策、外壁の塗り替えなど、適切な時期にメンテナンスを行うことで、建物の劣化を防ぎ、寿命を延ばすことができます。

【まとめ】木造住宅の特徴を理解することで、長く快適に暮らせる住まいを実現できる

木造住宅は、日本の風土に合った快適で温かみのある住まいを提供します。建築費が比較的ローコストでリフォームもしやすいといったメリットがある一方で、耐火性や耐久性など、注意すべき点もあります。これらを理解し、適切なメンテナンスを行うことで、木造住宅は長く快適な暮らしを支える大切な住まいとなるでしょう。木造住宅の特徴を理解し、賢い住まい選びに役立ててください。

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