
PROFILE この記事の登場人物

仲宗根 昌則 総務部 総務課 兼 防災管理課 課長|防災士(大東建託)
10年間プログラマーとして勤めた後、大東建託の沖縄支店に入社。本社異動後は総務部総務課に所属し、通達・通知や一般申請、事務基準細則などの文書管理やペーパーレス・業務効率化を目的とした電子契約の導入、防災ビジョンの策定などに携わる。2023年に防災士の資格を取得し、BCP訓練や防災イベントなどの企画・運営・活動PRなどグループ会社全体の防災力強化に努めている。
大東建託グループは、「地域の“もしも”に寄り添う」という防災理念のもと、さまざまな防災への取り組みを推進しています。災害時にお家でできる実践的な防災知識や方法を全11回に分けてご紹介。
今回は災害時に重要なライフラインの一つである水道をテーマにした「断水時」の防災テクニックについてご紹介します。
水がないと困ること
在宅避難時の生活の維持に、自宅のライフライン(電気・ガス・水道など)の確認は不可欠です。大地震などの災害では、電気の復旧よりも「水道」の復旧に時間がかかることがあります。水が使えないとトイレが流せない、お風呂に入れない、洗濯ができないなど、大きなストレスを抱えることになります。
他にも、以下のようなものが使えなくなり、健康・衛生面のリスクが生じます。
| 項目 | リスク |
|---|---|
| 飲み水 | 水分補給ができず、特に高齢者や子どもは脱水のリスクが高まる |
| 料理 | 調理だけでなく、食器が洗えない |
| トイレ | 悪臭や衛生悪化につながり、感染症のリスクも上がる |
| 手洗い・うがい | ウイルスや細菌対策が難しくなる |
| お風呂・シャワー | 体を清潔に保てず、特に夏場は衛生が悪化する |
| 洗濯 | 着替えが不足し、臭いや肌荒れの原因になる |
| 掃除 | トイレやキッチンの衛生環境が悪化する |
| 介護・育児 | おむつ交換、ミルク作り、体拭きなどが困難になる |
そんな過酷な状況に備えて、日頃から具体的な対策を知っておくことが大切です。
まずは「飲み水」の確保が大切
災害が発生したときに最も重要なのは飲み水の確保です。まず飲料水は家族全員分を確保するために4人家族の場合、一人当たり2L(500mlでも可)・6本入りの箱を5箱(7日分)※。衛生状況にもよりますが、2Lよりも500mlのペットボトルの方が衛生面では好ましいです。
水の必要量の目安として、4人家族の場合、最低でも 「一人当たり1日2L(500mlでも可) × 3日分」 を目標にし、可能であれば1週間分のストックがあるとより安心です。備蓄の際は、普段飲んでいる水やお茶を多めに買い置きし、使ったら買い足す「ローリングストック法」がオススメです。また、500mlのペットボトルよりも、2Lの大きいサイズの方が保管・管理が効率的ですが、それぞれメリット・デメリットがあります。
※飲料水の容量別比較
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 2L | ・コスパが良い ・省スペースで保管可能 ・空き容器の使い道がある(給水タンクの代わりなど) | ・重い(持ち運びに苦労) ・直接飲用は向かない(コップの利用推奨だが、コップも清潔である必要あり) |
| 500ml | ・持ち出しが容易(同じ2L分でも小分けにできたり、防災リュックの空きスペースに保管など柔軟な収納可能) ・コップが不要 ・早く飲みきれるため衛生的 | ・2Lより高い ・すぐなくなる |
ラップやウェットティッシュを活用する「節水」テクニック
また、限られた水を大切に使うための工夫も重要です。食器にラップをかぶせて使い、汚れたラップだけを捨てれば、お皿を洗う水を節約できます。

歯や口の中の衛生管理には、口腔ケア用ウェットティッシュが万能です。1人1日9枚(手拭き/歯磨き/スプーン拭き用に1食3枚×3食)を目安に備蓄し、歯磨きの代わりに口の中を拭いたり、手拭きやスプーンの汚れ落としに活用したりできます。

身体を清潔に保つには、体を拭くための「ボディ用ウェットティッシュ」や、髪を洗えないときに使える「ドライシャンプー」を防災用に備蓄しておきましょう。また、浴槽に水を張っておく「風呂の残り湯の貯留」は、災害時の貴重な水源になりますが、長期間放置すると雑菌が増えるため、災害時以外は数日を目安に入れ替えてください。
トイレが使えない、流せないときの対処法
断水時に最も困るのがトイレです。水が流せないからといって、そのまま用を足すと不衛生リスクが高まりますので、必ず市販の携帯トイレキット(凝固剤付き)を用意しましょう。

簡易トイレの作り方はポリ袋を便器に2枚被せて、その中に凝固剤を入れて用を足します。使用後は上の袋だけを取り出して縛り、可燃ゴミとして処理します。もし凝固剤がなければ、新聞紙をちぎったものやペット用トイレシートを入れて用を足します。使用後は上の袋だけを取り出して縛り、可燃ゴミとして処理します(イラスト©文平銀座+NPO法人プラス・アーツ)。

断水は数日から数週間に及ぶこともあり、想像以上に負担の大きい状況が続きます。しかし、日頃からの備えや工夫次第で、衛生環境を保ちながら心身の健康を守ることができます。まずは、できることから準備を始めましょう。
























