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【温故知新~未来へのバトン~】Vol.3 「鉄筋コンクリート造」商品の歴史:前編 ——後発企業なりの販売戦略

2024.03.04
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【温故知新~未来へのバトン~】Vol.3 「鉄筋コンクリート造」商品の歴史:前編 ——後発企業なりの販売戦略

PROFILE

戸田 宗稔

戸田 宗稔 商品開発部 課長(大東建託)

RC造商品「リグノ」の商品開発を担当し、当社独自の中層建築向け建築システム「リグノ式」の開発にも携わる。その他、木造企画型商品シリーズである「シエルガレージ」と「シエルオーナー」の商品開発も担当。商品開発歴10年。

今村 由吏

今村 由吏 商品開発部 商品開発課(大東建託)

新卒として入社後に支店設計課で3年間設計業務に従事した後、本社の首都圏設計センターで特注RC案件の設計を担当。現在は商品開発部で実物件設計やエクステリア設計プレゼンテーション資料作成等の支店支援に携わる。

創業50周年を迎えた、大東建託の商品開発の歴史を振り返る連載シリーズ「温故知新 ~未来へのバトン~」。商品開発の最前線で戦い続ける社員とともに時代の変遷を辿りながら、これまでの大東建託のあゆみや、商品開発における想いをひも解いていきます。

第3回目の前半は、大東建託が1995年から取り組み始めた「RC造(鉄筋コンクリート造)」商品の開発について。商品開発部課長の戸田さんに、後輩社員の今村さんが話を聞きました。

(本メディアのリニューアルに伴い、2024年11月30日に編集しています)

RC造(鉄筋コンクリート造)とは?

コンクリートと鉄筋の2つの材料の長所を生かし、一体構造とすることで高い耐震・耐風性を発揮する構造のこと

RC造(鉄筋コンクリート造)とは?

バトン1 「木造の大東建託」がRC造に取り組む意味

今村 由吏(大東建託の女性社員:商品開発部 商品開発課) 今村

「販売実績の8割が木造と、『大東建託=木造(2×4工法)』のイメージが強い大東建託がRC造に参入したのには、どんな背景があったのでしょうか?」

戸田「1990年代、当時の都市計画法により防火地域・準防火地域※1には高い防火性能が求められ、土地オーナーさまからアパート建設のご相談をいただいても、木造アパートを建てることが制限※2されていました。これが、大東建託が『RC造』に取り組み始めたきっかけです」

戸田 宗稔 ※1
都市計画法で「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として指定されるエリア
※2
2000年に建築基準法が改定され、現在では木造でも階数が3以上、または延べ床面積が100㎡を超える建物でも耐火建造物の基準を満たせば建設が可能
戸田 宗稔(大東建託の男性社員:商品開発部 課長) 戸田

「賃貸住宅市場へ参入して以降、大東建託は多様化するオーナーさまのニーズに対応するため、商品建物のバリエーション拡大を目指してきました。創業期から鉄骨造も扱っていましたが、鉄骨造を得意とするハウスメーカー系の競合他社に対抗するには、さまざまな課題がありました。一方、RC造には造形の柔軟性があり、外観デザインや間取りなどの設計において自由度の高い設計が可能です。そこで私たちはこの柔軟性を活かし、大東建託の考える“造形の美しさ”を追求した建物デザインで、他社との差別化を図りました」

「エストレーノランデュール(2004年)」。RC造の豊かな表現力を活かし、建物の細部に装飾を施すことで、大東建託独自の魅力を演出した エストレーノランデュール(2004年)。RC造の豊かな表現力を活かし、建物の細部に装飾を施すことで、大東建託独自の魅力を演出した
今村 由吏(大東建託の女性社員:商品開発部 商品開発課)

今村「当時の商品カタログを見ると、海外の建築物に見られるデザインを意識した細部の造形がとても特徴的だと感じました。このようなデザインイメージは、2×4工法商品を通して作り上げられたそうですが、RC造でも踏襲していくことで、差別化につなげていったんですね」

戸田 宗稔(大東建託の男性社員:商品開発部 課長) 戸田

「当時、世帯の最小単位は『家族(ファミリー)』で考えられていたんです。RC造による最初の商品である『ニューマリッチRC』は、どこでも建てられる “スタンダードなRC造賃貸住宅” として開発されました。共用廊下の片側に住戸の玄関扉が並ぶ“片廊下型タイプ”の賃貸住宅で、和室を含む一般的なカップル・ファミリー向け2LDK~3LDKの間取りになっています」

ニューマリッチRC(1996年) ※パンフレットより抜粋 ニューマリッチRC(1996年) ※パンフレットより抜粋 ニューマリッチRC(1996年) ※パンフレットより抜粋
戸田 宗稔(大東建託の男性社員:商品開発部 課長) 戸田

「長年、大東建託の商品開発は、1つの商品を継続的に改良を重ねることで新しい商品へと進化させ続けてきました。初代の商品をベースにして、その時代の世帯の特徴や建設地域で求められる居住者ニーズに合わせていくことで、現在のような多種多様なタイプの商品が生まれてきたんです」

今村 由吏(大東建託の女性社員:商品開発部 商品開発課) 今村

「商品バリエーションがとても多いのは、住宅需要と供給のバランスまで考えられた結果だったんですね」

戸田 宗稔(大東建託の男性社員:商品開発部 課長) 戸田

「2000年代に入り核家族化が進むと、1K・1LDKといった間取りの都市部向け高層建築(5階建て以上)、都市近郊向け中層建築(3~4階建て)の開発を行うようになりました。そして、都市部とその周辺エリアへの営業が強化されたことで、販売領域はさらに拡大していきました」

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