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【温故知新~未来へのバトン~】Vol.4 「DK SELECT」の歴史:後編 ——新たな賃貸住宅のスタンダードを作り出す

2024.10.24
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【温故知新~未来へのバトン~】Vol.4  「DK SELECT」の歴史:後編 ——新たな賃貸住宅のスタンダードを作り出す

PROFILE

下平 孝洋

下平 孝洋 商品開発部 課長(大東建託)

2008年入社時より40もの商品を手掛ける。近年では、2階建長屋「クルール」シリーズや「ニューデフィ」、3階建共同住宅「コンテチェストⅢ」、「ぼ・く・ラボ賃貸」シリーズの商品開発を担当。商品開発歴15年。

北村 春樹

北村 春樹 商品開発部 商品開発課(大東建託)

新卒として入社後、商品開発部に配属となる。現在は、下平さんのチームでCLT3階建共同住宅「フォルターブⅢ」の商品開発を担当する。

右手 健介

右手 健介 商品開発部 商品開発課(大東建託)

新卒として入社後、商品開発部に配属となる。北村さんと同じく、現在は下平さんのチームで CLT3階建共同住宅「フォルターブⅢ」の商品開発を担当する。

創業50周年を迎えた、大東建託の商品開発の歴史を振り返る連載シリーズ「温故知新 ~未来へのバトン~」。商品開発の最前線で戦い続ける社員とともに時代の変遷を辿りながら、これまでの大東建託のあゆみや、商品開発における想いをひも解いていきます。

第3回目の後半は、2023年に行われた「DK SELECT」ブランドリニューアルの狙いについて、商品開発部の課長である下平さんに、後輩社員の北村さんと右手さんが話を聞きました。

(本メディアのリニューアルに伴い、2024年11月30日に編集しています)

バトン3 新たな3つのコンセプト「環境・防災・ライフスタイル」

北村「『DK SELECT』は2023年にブランドを一新し、“環境(環境にやさしい)” “防災(自然災害の多い日本でも安心して暮らせる)” “ライフスタイル(自分らしい暮らしを楽しむ)”の3つのコンセプトを軸に、新しい価値を提供する賃貸住宅を目指すことになりました。環境については、ブランド誕生時から、国内初のLCCM賃貸住宅商品『ニューライズLCCM』や『CLT※1工法』の第1号商品『フォルターブ』といった商品でも重視されていますよね」

北村 春樹(きたむら・はるき) 商品開発部 商品開発課
『環境(環境にやさしい)』『防災(自然災害の多い日本でも安心して暮らせる)』『ライフスタイル(自分らしい暮らしを楽しむ)』
※1
木のぬくもりを持ちながら、高い強度と断熱性を兼ね備えた建材
フォルターブ(2019年) フォルターブ(2019年)
日本初のLCCM賃貸集合住宅「ニューライズLCCM(2022年)」 日本初のLCCM賃貸集合住宅「ニューライズLCCM(2022年)」
下平 孝洋(大東建託の男性社員)商品開発部 課長 下平

「そうですね。県立広島大学の小林謙介准教授の知見を得て、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)※2、カーボン・フット・プリント※3などの取り組みを数年来続けてきました。中でも『ニューライズLCCM』は、建物の建設から解体までのライフサイクルにおけるCO2の収支をマイナスにする賃貸住宅として、長年の技術開発から誕生した商品です。

また、『ZEH(ゼッチ)賃貸住宅』には、当社オリジナルの低圧一括受電システム※4を採用し、グループ会社である『大東建託パートナーズ』が所有する太陽光発電を設置することで運営しています。屋根貸しとなるため設備投資負担はなく、さらに屋根貸し賃料を毎月お支払いすることで、オーナーさまの負担とリスクを最小限に抑えた『ZEH賃貸住宅』の提供が実現しました。これにより、再生可能エネルギーの普及促進に貢献し、大東建託グループは環境への取り組みを加速させることができました」

※2
ライフサイクル評価(Life Cycle Assessment)の略。製品の生産から廃棄までの各段階でのエネルギー消費、資源使用、廃棄物生成などを分析し、ライフサイクル全体を通しての環境負荷を定量的に算定する手法
※3
商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して表示する仕組み
※4
低圧での電力受電、余剰電力の売電、各住戸における太陽光発電電力の自家消費などを、電力会社と当社グループとの間で一括して行う仕組み。現在、京セラ株式会社と共同特許出願中
右手 健介(大東建託の男性社員)商品開発部 商品開発課 右手

「“防災”は、なぜコンセプトの一つとして加わったのでしょうか?」

下平「近年、気候変動が顕著になり各地で激甚災害が頻発しています。この社会課題を解決し、地域社会に貢献できる取り組みが『防災』でした。大東建託グループでは、2018年より始まった防災プロジェクト“防災と暮らしの研究室『ぼ・く・ラボ』”を中心に、地域の防災力強化に取り組んでいます。ここから、防災に配慮した賃貸住宅の開発はスタートしました」

下平 孝洋(大東建託の男性社員)商品開発部 課長)
下平 孝洋(大東建託の男性社員)商品開発部 課長 下平

「その後、賃貸住宅コンペでもお世話になった建築設計事務所『Eureka』の稲垣淳哉さんの協力を得て開発したのが、防災配慮型賃貸住宅『ぼ・く・ラボ賃貸』の第1号商品『ニーモ』です。稲垣さんはレジリエンス住宅※5に造詣が深く、私たちは稲垣さんから防災に関するさまざまな考え方を教えていただきました。

そのなかでも、日々の暮らしに災害への備えを無理なく取り入れる“フェーズフリー”の考え方は、賃貸住宅の在り方に非常にマッチしており、『ぼ・く・ラボ賃貸』の根幹をなすコンセプトとなりました」

※5
自然災害や気候変動などの脅威に対して強く、平常時には快適で安全な住環境を提供し、災害時には自律的に機能し、被災後の復旧・復興を円滑に行うことができる住宅
下平 孝洋(大東建託の男性社員)商品開発部 課長 下平

「さらに近年、気候変動対策として注目されてきているのが、“緩和と適応”という考え方です。これは、温室効果ガスの排出量を抑えるなど気候変動の原因を減らす “緩和” と、被害を最小限に抑えるための備えとしての “適応” 、この両輪で取り組むことが重要だという考え方です。

この考え方に沿って、住まいに求められる『ライフスタイル』の追求(QOLの向上)をベースとし、緩和策としての『環境』、適応策としての 『防災』を兼ね備えた賃貸住宅を目指すなかで、現在の3つのテーマである 『環境・防災・ライフスタイル』 に焦点が絞られていったというわけです」

右手 健介(大東建託の男性社員)商品開発部 商品開発課 右手

「『DK SELECT』が誕生する過程で、『持続可能な環境貢献とバランスが大事だ』という話がありましたが、3つのコンセプトにたどり着くまでの考え方はとても理にかなっているなと感じました」

バトン4 “未来のスタンダード”を生み出すために

北村「多様な職種のグループ社員と協力して進めていった『エンテラス』と同様、私が担当しているCLTの商品開発も、新たな工法ということで前例のないチャレンジです。下平さんは新しいことにチャレンジする際、困難を乗り越えるためには何が必要と考えているでしょうか?」

バトン3:未来のスタンダードを生み出すために
下平 孝洋(大東建託の男性社員)商品開発部 課長 下平

「直面する課題に対して、解決策を“自分自身の想い”として昇華させることができるかが重要です。商品開発に取り組むうえで、社会的な意義を強く感じることはモチベーションの源となります。私自身は小家族化が進む現代において、賃貸住宅こそが理想的な住まいであるという考えを持っています。この信念が私に力を与え、諦めずに前進することができるのだと思います。

そして、先進的な取り組みに挑戦しなければ、未来のスタンダードは生まれません。CLTについても、脱炭素社会の実現に向けてスタンダードになりうる可能性を秘めています。課題はたくさんあるかもしれませんが、自分たちを信じて突き進んでいけば、いつか成果に結びつけることができると思います。焦らず、困難に立ち向かいながら、目標に向かって努力を続けていってほしいと思っています」

右手 健介(大東建託の男性社員)商品開発部 商品開発課 右手

「『これは正しいはずだ』という意識を持ちながら取り組むことが重要なんですね。現状に満足せず、変革を恐れずに突き進むためには、具体的にどのような努力が必要だと考えていますか?」

バトン3:未来のスタンダードを生み出すために

下平「建築に限らず、自分の興味の範囲を超えて、社会のさまざまな事柄に興味を持つことが重要です。なぜなら、多くのステークホルダーが介在する賃貸住宅は、社会の縮図そのものだからです。私の場合は、ニュースなど社会の情報に常にアンテナを張るようにしていますね。また、新しい着想を得るためには、展覧会、音楽、文芸などの芸術分野にも関心を持つことも有効で、思わぬ気づきがあったり、アナロジー※6を感じたりすることがありますね」

※6
異なる事柄や概念の間に共通点や類似点を見出すこと
右手 健介(大東建託の男性社員)商品開発部 商品開発課 右手

「建築以外の経験も商品開発に活かせるということには、私も共感できます。自分の趣味を通じて得た感覚や知識が、従来の社内の固定概念を打破するきっかけになったり、ターゲットに寄り添った商品開発に結びついた経験があるので、とても納得できます」

下平 孝洋(大東建託の男性社員)商品開発部 課長 下平

「失敗を恐れず、新しいアイデアを試行錯誤しながら、課題解決や商品開発に取り組み、未来のスタンダードを作りあげていってください」

右手・北村「下村さん、今日はありがとうございました!」

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