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【温故知新~未来へのバトン~】Vol.4 「DK SELECT」の歴史:前編 ——時代と社会に向き合う新ブランド誕生

2024.06.14
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【温故知新~未来へのバトン~】Vol.4 「DK SELECT」の歴史:前編 ——時代と社会に向き合う新ブランド誕生

PROFILE

下平 孝洋

下平 孝洋 商品開発部 課長(大東建託)

2008年入社時より40もの商品を手掛ける。近年では、2階建長屋「クルール」シリーズや「ニューデフィ」、3階建共同住宅「コンテチェストⅢ」、「ぼ・く・ラボ賃貸」シリーズの商品開発を担当。商品開発歴15年。

北村 春樹

北村 春樹 商品開発部 商品開発課(大東建託)

新卒として入社後、商品開発部に配属となる。現在は、下平さんのチームでCLT3階建共同住宅「フォルターブⅢ」の商品開発を担当する。

右手 健介

右手 健介 商品開発部 商品開発課(大東建託)

新卒として入社後、商品開発部に配属となる。北村さんと同じく、現在は下平さんのチームで CLT3階建共同住宅「フォルターブⅢ」の商品開発を担当する。

創業50周年を迎えた、大東建託の商品開発の歴史を振り返る連載シリーズ「温故知新 ~未来へのバトン~」。商品開発の最前線で戦い続ける社員とともに時代の変遷を辿りながら、これまでの大東建託のあゆみや、商品開発における想いをひも解いていきます。

第3回目の前半は、2016年に誕生した賃貸住宅ブランド「DK SELECT(ディーケー・セレクト)」の誕生について。商品開発部の課長である下平さんに、後輩社員の北村さんと右手さんが話を聞きました。

(本メディアのリニューアルに伴い、2024年11月30日に編集しています)

バトン1 「DK SELECT」という名前に込めた想い

北村 春樹(大東建託の男性社員)商品開発部 商品開発課 北村

「まず、『DK SELECT』というブランド名にはどんな想いが込められているのでしょうか?」

下平「大東建託の商品開発は、住まう人の嗜好やライフスタイルに合わせて自由に選択でき、自分らしい生活を送るための“自己実現の場※1”とすることを究極の目標としています。また同時に、個人の所有物である戸建住宅と異なり、賃貸住宅は入居者さまの高い流動性が特徴の“循環型住宅”として、サステナブルな役割を果たす必要もあります。そのためには、社会課題や家族形態など時代の変化に合わせた進化が求められます。

つまり『DK SELECT』というブランド名には、生活者のライフスタイルに寄り添う住環境を追求するだけでなく、“変わるもの”と“変わらないもの”を的確に見極めながら、時代に即した柔軟な賃貸住宅の在り方を探り、住まいの本質的な価値を持続的に提供するという大東建託の姿勢が込められているんです」

下平 孝洋:商品開発部 課長(大東建託の男性社員) ※1
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した、人間の欲求を生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現の欲求の5つの階層に分けて説明した心理学理論。自己実現の欲求は最上位に位置し、人間が自己の能力や可能性を最大限に発揮し、自分自身の成長や達成感を追求する欲求のことを指す
右手 健介(大東建託の男性社員)商品開発部 商品開発課 右手

「では、『DK SELECT』の開発が始まったきっかけは何だったのでしょうか?」

下平 孝洋(大東建託の男性社員)商品開発部 課長 下平

「何か明確なきっかけがあったというより、社会の変化に合わせて必要になったのだと思います。まず、2011年頃からCSV経営※2が広まり、事業活動を通じて社会課題の解決が求められるようになったことが考えられます。特に賃貸住宅の建設は、物的・人的な面で地域社会に大きな影響を与えるため、地域社会との共存がますます重要になってきました。

また、社会全体で賃貸住宅の地域社会への影響がより意識され始め、大東建託でも“社会の公器”という視点を取り入れた商品開発が行われるようになりました。さらに当社では、賃貸住宅の可能性を当社グループだけでなく、社会とともに追求するために、2012年から毎年『大東建託 賃貸住宅コンペ』を開催しています。

このコンペを通じて、多様化する価値観を取り入れた賃貸住宅の仕組みや空間の在り方などについて、若い世代も含めて幅広く議論が交わされるような文化が生まれてきました。こうしたさまざまな背景から、大東建託の特徴を活かした賃貸住宅を“ブランド”として定義し、差別化を図っていくことになったのではないでしょうか」

※2
Creating Shared Valueの略。事業活動を通じて社会の持続可能な発展に貢献し、経済的な成功と社会的な影響力を両立させ、持続可能な社会の実現を目指す事業経営手法

バトン2 新賃貸住宅ブランドが誕生する空白の4年間に行ったこと

右手「大きな社会変化のうねりのなかで、賃貸住宅の新しい価値提供が求められるようになったんですね。ちなみに、2012年の賃貸住宅コンペ開催から2016年の『DK SELECT』が誕生するまでは少し期間がありますが、その間はどのような商品開発が行われてたのでしょうか?」

右手 健介(うて・けんすけ) 商品開発部 商品開発課
下平 孝洋(大東建託の男性社員)商品開発部 課長 下平

「この期間も、私たちはさまざまな社会課題をテーマに商品開発を行い、試行錯誤を重ねてきました。例えば、環境問題に対しては、2014年にパッシブデザイン※3を取り入れた商品『ソヨカ』を40周年記念商品として開発しました。この商品は、自然の風の流れを取り入れる設計、室内に取り込む日差しを調節できる機能、蓄熱温度を通常よりも低く抑える効果のある舗装材や植栽を配置したランドスケープデザインなど、敷地全体が一年を通して心地よい環境となることを目指しました。

また、少子高齢化問題に対しては、将来の入居需要構造の変化に対応するための新たな試みとして、2016年に多世代コミュニティ賃貸住宅『エンテラス』を開発しました。今後増えていくシニア層と子育て世帯層を基軸に、互いを支え合う持続可能なコミュニティ形成を目指したこの商品は、前例のない入居者さま募集と管理・運営体制への新たな挑戦でもありました」

※3
機械に頼らず太陽の光や熱、風など自然の力を利用することでエネルギー消費を抑え、快適な生活環境や室内気候を実現させようとする設計手法
ソヨカ(2014年) エンテラス(2016年) (左)ソヨカ(2014年)/(右)エンテラス(2016年)
右手 健介(大東建託の男性社員)商品開発部 商品開発課 右手

「こうした商品への取り組みが、『DK SELECT』にも影響を与えているんですね」

下平 孝洋(大東建託の男性社員)商品開発部 課長 下平

「これらの取り組みは、社会に向けた大東建託の新たな姿勢の表明となりましたが、同時に社会課題の解決に向け、賃貸住宅の役割や課題も明確になりました。それは『オーナーさま・入居者さま・地域社会・大東建託グループの関係性をどのように築くか』 ということ。すなわち、コストの配分をどう考えるかという課題です。社会貢献だからといって、オーナーさまの負担が過剰になってはとても持続可能な関係性とはいえません。

全てのステークホルダーにとって緩やかなWIN-WINの関係をデザインしていく、バランス感覚が非常に重要です。特に前例のない新たな取り組みであればなおさらです。実施した影響をステークホルダーごとに検証し続け、社会課題に真正面から向き合っていくことが、その後の“賃貸住宅に求められていること”として明確になったと感じています」

ここまで、「DK SELECT」誕生までの経緯について、下平さんに話を聞いてきました。続く後編では、2023年に行われたブランドリニューアルについて掘り下げています。

DESIGN the FUTUREーいい未来を、建てようー

大東建託の賃貸住宅に関わる全ての方の人生や未来に向き合い、可能性を探求し、より良い建物をデザインしたい… そんな熱い想い・こだわりをもった技術スタッフの仕事内容や建築、オーナーさまの想いなど、さまざまな切り口からご紹介します。

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