
PROFILE この記事の登場人物

谷口 浩崇 保安管理部 保安企画課 次長(ガスパル)
2011年8月、株式会社ガスパルに入社。さいたま販売所、川口販売所を経て、本社に異動。経営戦略室、都市ガス推進課などを担当。2023年11月より現職。

仲宗根 昌則 総務部 総務課 兼 防災管理課 課長|防災士(大東建託)
10年間プログラマーとして勤めた後、大東建託の沖縄支店に入社。本社異動後は総務部総務課に所属し、通達・通知や一般申請、事務基準細則などの文書管理やペーパーレス・業務効率化を目的とした電子契約の導入、防災ビジョンの策定などに携わる。2023年に防災士の資格を取得し、BCP訓練や防災イベントなどの企画・運営・活動PRなどグループ会社全体の防災力強化に努めている。
大東建託グループは、「地域の“もしも”に寄り添う」という防災理念のもと、さまざまな防災への取り組みを推進しています。災害時にお家でできる実践的な防災知識や方法を全11回に分けてご紹介。
今回は「ガス」が止まったときに知っておきたいライフライン対策や、慌てず行動するための留意点についてご紹介します。
ガスが止まると困ること
地震や災害が発生すると、電気や水道といったライフラインと並んで、生活に大きな影響を与えるのが「ガス」の停止です。特に都市ガスは、主に道路の下に埋設されたガス管を通じて供給されており、配管の点検や復旧作業に時間を要することが多い場合があります。一方、LPガスは、被災状況や地域の体制によって差はありますが、建物毎に供給されているため、比較的早期に復旧できる場合があります。
ガスが使えなくなると、調理や給湯、暖房といった生活に欠かせない機能が一気に失われます。いざというときに慌てず対応できるように、ガスが止まった際の対処法や代替手段、そして事前の備えについて知っておきましょう。
他にも、以下のようなものが使えなくなり、さまざまなリスクが生じます。
| 項目 | リスク |
|---|---|
| ガスコンロ | お湯が沸かせず、カップ麺・インスタント食品が困難。電気も同時に止まると調理手段がほぼゼロに |
| お湯 | シャワー・お風呂が使えない、食器洗いで油汚れが落ちにくい、赤ちゃんのミルクづくりや介護で困る |
| 暖房 | ガスファンヒーター・床暖房が停止。室温が下がり、高齢者や子どもは体調を崩すリスク |
地震などの揺れを感知すると、ガスメーターに内蔵された安全装置(マイコンメーター)が作動し、自動的にガスの供給を遮断します。基本的には揺れが収まり、安全が確認できれば、自分で復旧操作を行うことが可能ですが、大規模災害時には配管の損傷などでガスの供給自体が停止している場合もあり、復旧までに数日から数週間かかることもあります。
まず試したい、ガスの復旧手順と注意点

復旧操作の手順は以下の通り。使用していないときは、ガス栓や元栓を閉めておくことが安全面で重要です(イラスト©文平銀座+NPO法人プラス・アーツ)。
- すべてのガス機器の元栓を閉める
- ガスメーターの復帰ボタンを押す
- ランプが点滅したら、約3分間待つ
- ランプが消えれば復旧完了

またガスの異臭がする場合は窓を開けて換気を行い、火気を絶対に使用しないでください。配管に異常がある場合も絶対に復旧操作を行わず、地域のガス会社に連絡して復旧見込みの状況を確認するようにしましょう。平常時に、ガスメーターの設置場所や復帰手順をしておくと安心です。
動画でもチェックしておきましょう(LPガスのガスメーター復帰操作方法)
ガス復旧までの代替手段は、カセットコンロや電気ケトル
最も手軽で効果的な代替手段はカセットコンロ。お湯を沸かせば、レトルト食品の温めやカップ麺の調理も可能なので、ライフライン対策の必需品です。1人1日0.8本×必要日数分(ボンベ1本で約65分使用可。朝昼晩15分ずつの使用を想定)を目安に備蓄し、普段から予備のボンベを複数備蓄しておきましょう。

スマートフォンも充電できるポータブル電源も便利
災害時は電気やガスが止まるケースを想定し、多目的に使える代替手段を用意しておくのが肝心です。近年、災害対策アイテムとして注目されているポータブル電源はスマートフォンの充電にも使えるため、1台あると安心です。ポータブル電源の利便性としては、モバイルバッテリーと違い、100Vコンセントが必要な家電類も利用できることや、蓄電量が大きくスマートフォンを複数回充電できることです。

お風呂に入れないときは即席蒸しタオルや体拭きシートで清潔を保つ
お風呂に入れないときは、お湯を沸かしてタオルを絞り、蒸しタオルを作りましょう。保温性の高い魔法瓶や水筒があれば、一度沸かしたお湯を長時間保温でき、効率的に活用できます。また、体を清潔に保つためのウェットタオルやドライシャンプー、体拭きシートなどを備蓄しておくのもオススメです。

電気やガスを使わずに暖を取るにはアルミブランケット
防災用のアルミブランケットは軽量で保温性が非常に高く、避難生活の必須アイテムです。また、身近にある段ボールや新聞紙を体に巻きつけるだけでも断熱材の代わりになります。ただ、段ボールや新聞紙は濡れて湿ると断熱性が大幅に下がるので、濡れたらすぐに交換することが重要です。

慌てず冷静に行動するために
災害によってガスが止まってしまった場合でも、事前に正しい知識と備えがあれば、慌てず冷静に対応することができます。「もしも」の時のために代替手段を想定し、必要な備蓄を整えておくことで、災害時の不安は大きく軽減されます。ライフラインの中でも、ガスは調理や給湯、暖房といったように生活の根幹に関わるからこそ、今日からできる備えを始めてみるといいのではないでしょうか。
日頃から「もしも」を想定し、家族で話し合いながら備蓄を進めておきましょう。


























