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杉山愛さんに学ぶ3つのメンタル安定術。健やかな毎日を送る秘訣とは?

2025.08.04
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杉山愛さんに学ぶ3つのメンタル安定術。健やかな毎日を送る秘訣とは?

PROFILE

杉山 愛

杉山 愛 元プロテニスプレイヤー

15歳で日本人初の世界ジュニアランキング1位に輝き、17歳でプロに転向。オリンピックには連続4回出場したほか、グランドスラムでは女子ダブルスで3度の優勝、混合ダブルスでも優勝を経験するなど、数々の功績を残した。2009年の現役引退後は、コメンテーターや解説者など多方面で活躍。2018年にはITF公認「Ai Sugiyama Cup」を立ち上げ、若手選手の育成にも注力している。2023年から国別対抗戦日本女子代表監督に就任。プライベートでは2児の母。

2025年5月から6月にかけて、富山・福井・大阪・札幌(札幌のみ2週間かけて2大会実施)の5大会にわたる女子テニス国際大会「大東建託オープン2025」が開催されました。そこで今回は、同大会の設立に携わった日本女子テニス界のレジェンド・杉山愛さんにインタビュー。アスリート人生を通して獲得した“メンタル安定術”を軸に、ウェルビーイングや健康経営について語っていただきました。

引退を覚悟した過酷な現役時代、どうやってメンタルを安定させていた?

17歳でプロに転向してから、グランドスラム優勝、ダブルスで世界ランク1位、オリンピック4回出場など、テニス界に名を刻む数々の好成績を残してきた杉山さん。“勝負どころ”の強さを遺憾なく発揮してきましたが、現役時代にメンタルの不調を感じたことがあったと言います。

杉山愛①

「25歳の頃にテニスを辞めたくなるほどのスランプに陥ったことがある」とお聞きしました。当時はどのような状況だったのでしょうか?

杉山「4歳でラケットを握ってからというもの、テニスがとにかく大好きで大好きで。15歳のときに日本人初の世界ジュニアランキング1位を獲得して、17歳でプロに転向してからも順調にランキングを上げていきました。そんな中、25歳のときにシングルスで全く結果を出せなくなってしまったんです」

初めて壁にぶつかってしまったんですね。

杉山「結果が出なくなると自信も失い、結果が出せず…… という負のスパイラルに陥って、究極的には飛んでくるボールが怖く、打ち方も分からないという状態にまで落ち込んでしまいました。試合に負けると当然ながら、毎週更新されるランキングの順位も落ちていきますから、『プロとしてやっていけなくなるのでは』という恐怖から『もう辞めたい』という気持ちが日増しに強くなっていったんです」

そんな状況から、どのようにして立ち直り、現役を続行することができたのでしょうか?

杉山「幼い頃からずっとサポートしてくれていた母に、『テニスをもう辞めようと思う』と報告したんです。そうしたら母が『でもここでテニス辞めちゃったら、他のことをスタートしてもうまくいかないんじゃない? 自分のやるべきことをすべてやりきれたの?』と聞かれて、ハッとしました。『プロを名乗っている以上、自分のやれることをすべてやりきってテニス人生を全うしよう』とゼロからの再スタートを切ることにしたんです」

テニスボール

お母さまの言葉をきっかけとして、立ち直っていったんですね。

杉山「もちろん、すぐに結果は出ませんでした。ただ、打ち方が分からないからこそ基礎に立ち返ることができると前向きに考えて、それまでの『フィーリング重視』から“心技体”を総合的に向上させる『テクニック重視』のトレーニングに切り替えたんです。心が弱かったからこそ『逃げ出したい』と思ってしまったので、テニスを通して自分と向き合うことは特に意識していましたね。コーチを務めてくれていた母と二人三脚で、地道な試行錯誤を重ねて1~2年ほど経った頃にようやく結果が出始め、少しずつ調子を取り戻していきました」

年間280日の過酷な海外生活で見いだした、杉山流“3つのメンタル安定術”

現役時代は1年間のうち280日以上は海外生活を送り、試合続きの日々を過ごしていたという杉山さん。過酷な環境の中で平常心を保つために、どんなことを実践していたのでしょうか。アスリートに限らず、誰もが日常に取り入れやすい「3つのメンタル安定術」を教えてもらいました。

3つのメンタル安定術とは

メンタル安定術① 呼吸法

杉山「現役時代は朝晩30分ずつの呼吸法を実践していました。へそ下5cmぐらい所にある『丹田(たんでん)』を意識しながら、新鮮な空気を送り込むイメージで息を吸います。丹田に空気をギュッと入れ込んだら、下腹に力を入れてお尻を締めます。体の不調や緊張といったネガティブなものがあるときは、それらを吐き出すイメージで息を吐きましょう。私の場合は鼻から吸って鼻から吐いていましたが、口から吐いても構いません。また、息を吸い込む秒数にも決まりはないので、ご自身のその時々の心地よさを優先してください」

メンタル安定術② イメージトレーニング

杉山「何かをする前に『うまくいかないんじゃないか』といったネガティブなイメージが頭から離れないときは、それをいいイメージで上塗りするよう意識しましょう。現役時代は、躍動感のある動きでテニスボールを捉えたり、ガッツポーズをしたりするイメージを思い浮かべていました。会社員の方に置き換えると、プレゼンを控えて緊張している場合、微笑みながら気持ちよくプレゼンできている様子を思い浮かべると良いかもしれませんね」

メンタル安定術③ 1日単位で考えない

杉山「例えば、栄養バランスのいい食生活を送りたいと思ったとしても、忙しい日常を過ごしながら、毎日完璧な食事を摂るのは難しいですよね。そこで、3日間や1週間など、一定期間の中で『なんとなくバランスが取れていればOK!』と、ゆとりを持った目標を設定するのがオススメです。こうすることで無理なく帳尻合わせができるようになり、結果的に目標が達成しやすくなります」

テニスコート

杉山「ご紹介した3つの方法は、私自身が自分を見つめ直していろいろと試す中で、特に相性がいいと感じたものです。ただ、自分なりの緊張や不安との向き合い方は本当に人それぞれなので、ぜひ自分が落ち着くもの、テンションが上がると感じるものを探してみてくださいね」

「自分にあまり期待しないことが功を奏した」セカンドキャリアで変わった仕事へのマインド

現役を引退後、テレビ番組のコメンテーターやトークイベントへの登壇、テニスのコーチや解説者など、さまざまな場で活躍し続けている杉山さん。選手時代と環境が変わったことで、メンタル面に変化はあったのでしょうか。

杉山愛②

引退後、セカンドキャリアを築く中でメンタル面に変化はありましたか?

杉山「引退してすぐの頃は、自分が何をやりたいかが分からずにいました。いただいたオファーに応えながらセカンドキャリアを模索していたので、自分に対してあまり期待していなかったんです。テレビ番組にコメンテーターとして初出演したときも、自分の言いたいことがうまく言葉で表現できなかった反省はありましたが、1年ほど経ってからは『元々コメントのプロではないんだから、テレビの前にいる視聴者の代弁をするつもりで話せばいいのかもしれない』と思えるようになり、それからはあまり気負わずに取り組めるようになりました」

そのほか、監督業も務められていますが、どのようなマインドで取り組んでいますか?

杉山「女子テニス国別対抗戦『ビリー・ジーン・キング・カップ』の日本代表監督として、大会に出場してもらうために選手と交渉する際、『いい返事をもらえなかったらどうしよう……』などと不安を抱くことはあります。しかし、自分ではどうしようもできないことなので、ベストな結果にならないときはセカンドベストを目指そうと気持ちを切り替えています。また、2025年4月には、9名の元女子プロテニス選手とともに『Square Plus』という団体を立ち上げ、新たな領域にもチャレンジしています」

杉山愛さんが代表理事を務める「Square Plus」
杉山愛さんが代表理事を務める「Square Plus」

日本の女子テニス界のさらなる発展への貢献とさまざまな活動を通じ、すべての人々の「夢を叶える」姿を後押しすることを目的として立ち上げられた団体。杉山愛さんのほか、中村藍子さん、森上亜希子さんが代表理事を務め、理事には浅越しのぶさん、小畑沙織さん、神尾米さん、土居美咲さん、長塚京子さん、森田あゆみさんなど、日本女子テニスの一時代を築いてきた選手たちが名を連ねています。国際大会の出場条件である世界ランキングでの上位成績やポイントを取得する大会が少ない背景を受け、現在は「大東建託オープン」をはじめとした大会の主催・運営など、若手の可能性を広げるための活動に注力しています。

Square Plusホームページ

6月6日開催の「大東建託オープン2025 大阪大会」では、大東建託とのコラボイベントにも登場されていましたね。

杉山「大東建託さんは『Square Plus』が組織化する前から私たちとタッグを組み、2023年に3大会、2025年は5大会のスポンサーを務めてくださいました。そのご縁で、これまでにもさまざまなイベントでご一緒させていただきました。

今年の大阪大会では、大東建託の社員の皆さんを対象に『テニスクリニック&トークセッション』を開催しました(※)。『テニスクリニック』では、現Square Plusのメンバーがテニスの基本をレクチャーしました。『トークセッション』では、社員の方々と45分間のディスカッションを実施。日常を生きる中で抱えているストレスにどのように対処していくのかという問題は、アスリートにも会社員の方にも共通しているんですよね。大東建託社員の皆さんと直接交流させてもらったのが初めてで、とても楽しい時間でした」

大東建託は、「健康・Well-Being経営」の一環として社員対象のイベント「テニスクリニック&トークセッション」を企画し、大阪大会開催中に実施した。「Square Plus」から、元プロテニスプレーヤーの杉山愛さん、中村藍子さん、浅越しのぶさんをお招きし、運動する機会や健康について考える機会を提供することでヘルスリテラシーの向上を図った。
テニスクリニック トークセッション 6月6日の「大東建託オープン大阪大会」で行われた「テニスクリニック」と「トークセッション」

このイベントは、大東建託における「健康経営」の一環として杉山さんとのコラボをお願いしました。杉山さんは「健康経営」についてどのような印象をお持ちですか?

杉山「ここ数年は特に働き方が大きく変わってきていますよね。労働時間の短縮などを通じて、社員の心身のストレス軽減に努める会社も増えてきたと感じます。もちろん仕事でも、テニスの練習でも、“頑張りどき”はあります。しかし、ハードワークをすれば必ずしも成果が上がるわけではなく、かえってパフォーマンスが落ちてしまうことも。心身が健康であれば、やはりいいパフォーマンスもできるでしょうから、自分を大事にしつつ、仕事や会社にも貢献していく。このバランスを取ることが重要なのではないでしょうか」

ありがとうございます。最後に、杉山さんがいつも笑顔で健やかに毎日を過ごされている秘訣を教えてください。

杉山「私も常に元気なわけではなく、心身のコンディションが整わない日も当然あります。でも、監督業や『Square Plus』の活動、プライベートの母親業のバランスを取らなければいけないからこそ、その時々のプライオリティを都度判断して、時に“無理しない”選択肢を持つよう心がけています。そのためにはまず、自分らしく働けるスタンスを知ることが必要ですよね。自分と向き合うことを通じて自分自身を知り、やるべきことに優先順位をつけて、頑張り過ぎたら休む。これに尽きるのではないかなと思います」

杉山愛③

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