今年の10月に1周年を迎えた円谷プロダクションが提供する人気TCG(トレーディングカードゲーム)「ウルトラマン カードゲーム」がなぜか大東建託とコラボを!?
なぜそんな異色のコラボが決まったのか、「ウルトラマン カードゲーム」の総合プロデューサーである円谷プロダクションの宍戸英治さんに、コラボに込められた思いや、カードゲームそのものの魅力やこだわりについて伺いました。
閑静な住宅街にウルトラマンティガと怪獣ベムラーが出現!?
「ウルトラマン カードゲーム」と大東建託のコラボによる仮囲いは、2026年5月に開幕される「ウルトラマン カードゲーム」の世界大会「Ultra League World Championship」を記念したもの。シリーズの中でも特に人気の高いウルトラマンティガと、初代ウルトラマン(1966年放送)の第一回放送に登場した宇宙怪獣 ベムラーをフィーチャーしていて、「街の未来を託されたウルトラマンを、大東建託は応援しています」とのメッセージが添えられています。
閑静な住宅街にウルトラマンティガと怪獣ベムラーが出現!? かけがえのない親子体験としての「マイホーム」と「カードゲーム」 大東建託とウルトラマン カードゲームによる異色のコラボはどういった経緯で決まったのでしょうか。円谷プロダクションの本社にて、「ウルトラマン カードゲーム」の総合プロデューサーである宍戸英治さんにお話を伺いました。
–––建築現場にウルトラマンが現れるという意外なコラボレーションですが、そもそもどういった効果を狙ったコラボなのでしょうか? 宍戸 「大前提として意外性によるインパクトは狙っていましたね。ただそれだけではなく、マイホームの購入を検討している30〜40代は平成ウルトラマンシリーズを見て育った人が多いことを考え、こうしたデザインを見て懐かしく感じてくれるところから『ウルトラマン カードゲーム』を知っていただきたいという思いがありました。 また、家は家族の拠り所であり守るべきものなので、ウルトラマンに守られているイメージを重ねていただけたらと。さらには、子どもと建築現場を見に行った際にウルトラマンの話ができる、そんな会話のきっかけになればいいなと考えたんです。 ウルトラマンは60年間、3世代に渡って愛されているIP
※1 です。建築現場での掲出もカードゲームの開発も、親子文脈での体験や思い出づくりという側面が大きいんです。そういう意味でも、『ウルトラマン カードゲーム』はデジタルではなく紙で出すことにこだわりました。ウルトラマンのカードなら親子で一緒に遊びやすいし、親から子どもに引き継ぐことも簡単ですから」
※1 Intellectual Propertyの略で知的財産を意味する。クリエイティブな活動によって生み出されたアイデア・創作物などの総称
株式会社円谷プロダクション カード事業本部 エグゼクティブマネージャー 宍戸 英治(ししど・えいじ) –––そういった強い思いがあったのですね。とはいえ、今はTCG戦国時代と言えるような状況でライバルも多い印象です。 宍戸 「今は本当にたくさんありますよね。流行っているのはアニメIPを使ったものですが、実はTCGは運営が非常に難しいと言われていて、短期で終わってしまうものもあります。そういうなかで、流行り廃りを超えた信頼性の高いIPであるウルトラマンのカードゲームであることは大きなポイントでした。もちろんそれだけではTCGに参入する理由として不十分で、ゲームシステムに徹底的にこだわって開発できたことも重要です」
–––実際、親子で一緒に遊んでいるという声は多いんでしょうか? 宍戸 「多いです。ひとつ象徴的なエピソードがあって、マレーシアで開催された世界大会の出場選手を決める予選では、親子で参加されているプレーヤーがいました。お父さまは先に敗退してしまったのですが、お父さまが構築したデッキ
※2 を息子さんが使用して勝ち上がっていき、そして見事優勝を達成するという、まるでドラマや映画みたいなことがありました。息子さんは来年開催する世界大会にも出場予定らしいです」
※2 対戦に用いるカードの集まりのこと。自分で自由に組み合わせることができる
–––それは…… Netflixと共同制作したアニメ映画「Ultraman:Rising(ウルトラマン:ライジング)」のような展開ですね! 宍戸 「まさにそうなんです! 忘れられない親子体験ですよね。こんなふうに『親から子に残っていく』という点は、家もウルトラマンも同じだと思います。だから大東建託さんとのコラボも実現できたのだと思います」
–––先ほどマレーシアのエリアという言葉も出ましたが、リリース初期から4言語対応の製品を用意して、世界各国・地域で同時に販売開始したことはTCGとしてはかなり珍しいと思います。そういったグローバル展開をしたのはなぜですか? 宍戸 「これはカードゲームとしては初の試みで、普通は日本語版を出してから翻訳版を作るんですが、ウルトラマンファンが世界に広がっていくメッセージとしても多言語多地域展開はとても大事だと考えました。我々円谷プロダクションは今、グローバル規模での認知拡大に力を入れているんです。実際に中国などではかなり認知が拡大していますよ。 それに、メーカー経験がない円谷プロダクションがちゃんとしたカードゲームを作れるのか、難易度の高いTCGの運営ができるのかといった壁は超えなければいけなかったので、多言語・多地域で展開して世界大会を開催できると示し、『TCGの運営をちゃんとしている』という信頼感を確立することはすごく重要だったんです。実際に1年間続けられて、来年には初の世界大会である『Ultra League World Championship』を開催できるので、ひと安心しています」
Ultra League World Championship
「ウルトラマン カードゲーム」の頂点に立つ「世界王者」を決定する、年に一度の公式大会です。世界各国・地域から予選を勝ち抜いた「ウルトラリーガー」たちが、王者の名誉を目指し熱戦を繰り広げます。 開催日:2026年5月9日(土)・10日(日) 開催場所:池袋・サンシャインシティ 文化会館ビル4F 展示ホールB (東京都豊島区東池袋3-1-4)
特設サイト 「簡単」「早い」「面白い」を徹底追求。“ウルトラマンらしさ”を反映したカードゲーム 「ウルトラマン カードゲーム」はゲーム性に関しても“ウルトラマンらしさ”を詰め込んだそうです。具体的にどういった点にこだわったのか、宍戸さんにお聞きします。
–––ここからは、カードの内容について詳しく伺います。先ほど「ゲームシステムに徹底的にこだわって開発できた」とおっしゃいましたが、具体的にどのような点が特徴だといえるのでしょうか? 宍戸 「まずは、すぐに覚えられるシンプルなゲームルールです。お互いにウルトラマンか怪獣のカードを出し合い、1対1で戦闘力(BP)を比べて勝敗を決め、先に3回勝利したプレイヤーが勝利します。他のTCGと違って待ち時間が少なく、5ターン前後、時間にして10分ほどで勝敗が決まるなどスピーディな展開で、気軽に何度も楽しめますよ。 さらには、勝敗が最後までわからないといった特徴もあります。最初の勝負で負けても最後に逆転して勝つことも。“ウルトラマンらしさ”がありつつも、TCGの楽しさを感じやすい、簡単だけれど奥深い駆け引きを楽しめる設計になっています。『簡単』『早い』『面白い』の3要素に徹底的にこだわったカードゲームなんです」
–––実際にプレイしてみると、確かにルールは簡単で時間も短いけれど、駆け引きが難しくて奥深さがあると感じました。また「簡単」「早い」という観点で見ると、カードに書かれたテキストが短いことも印象的です。 宍戸 「そこは非常にこだわっている点です。やはりテキストを増やすと読みにくく、難しい印象を与えてしまって、子どもや新しく始めようとする人にはハードルが高くなってしまいます。テキストを増やせば強いカードが簡単に作れるんですが、それをあえてしていないんですね」
カード表面のテキストは長すぎず簡潔にまとめられているので、カードの効果をスムーズに理解できる –––個人的には、すぐに遊べる構築済みのスターターデッキも他のTCGと比べて強めに設定されているのが印象的でした。 宍戸 「そこに気づいてもらえるとうれしいですね。実はスターターデッキって難しいんです。なかなか手に取ってもらいにくくて、業界泣かせなんですよ。でも、できるだけ初心者のハードルを下げるために、すごく知恵を絞って作っているんです」
–––ウルトラマンはキャラクターの数も多いのでカードの強さのバランスを考えるのが難しそうですね。 宍戸 「おっしゃる通りで、極端に強いカードが出ないように意識していますし、カードの強さも少しずつ上げるようにしています。さっさと強くしたほうが短期的には売れるんですが、TCGは長く続けなければいけないものですから。長期的にプレイアブルな環境を維持して、世代を超えてデッキを引き継ぐことが可能になるようにわれわれも意識しています。ただ、あまりにも強さを上げなさすぎるとプレーヤーも飽きてしまうので、この調整は難しいと感じていますね」
–––明らかに強いカードがあるとそのカードを採用するデッキばかりになってしまいますしね。 宍戸 「そうですよね。同じくらいの強さのカードが多いのでデッキの多様性も生まれています。『ウルトラマンゼロが好きだから、ゼロを主軸にしたデッキを組む』というように、自分の好きなウルトラマンでデッキを組めるというのも大きな魅力だと思っています」
–––映像作品との整合性どうしているのでしょうか? キャラクターの数が多いだけでなく、世代ごとの思い入れもあるので「どっちが強いのか」を決めるのはかなり難しい気がしますが……。 宍戸 「そこはかなり議論しました。われわれはゲーム会社ではなく、あくまでIPの会社なので、映像作品には忠実にしたい。例えば、『ウルトラマンティガ』にラスボスとして登場したガタノゾーアは、ティガの通常カードでは勝てませんが、一番レアリティの高いRRRR(クワトロレア)のグリッターティガのカードで勝てるようになっています。原作でもティガはガタノゾーアに敗れ、グリッターティガとして復活してから倒しました。こんなふうに映像作品の名シーンを再現できるようにしています」
–––映像作品の文脈をゲームシステムに反映させているのはファンとしては胸が熱くなりますね! 宍戸 「それだけでなく、登場するウルトラマンや怪獣のイラストは、ファンがよく知る代表的なポーズや映像作品での名シーンを再現することにもこだわっています。長年のファンは一目でどの場面かを理解できますし、コレクションしたいと思ってくれるはずですよ」
現在放送中の「ウルトラマンオメガ」も「ウルトラマン カードゲーム」のカードに実装されている