
PROFILE この記事の登場人物

北口 明宏 アース製薬株式会社 新価値創造本部 ブランドイノベーション部 次長
研究開発部門で虫ケア用品の開発に従事したのち、現職に。害虫の種類ごとの生態をふまえた対策に精通し、かつて「殺虫剤」と呼ばれた「虫ケア用品」の企画を手がける、“虫ケア用品のプロ”。「駆除後の予防」をモットーに、多種多様な新製品を企画し、社会に新たな価値を提供し続けている。次なる目標は、虫ケア用品の正しい使い方を広く知ってもらうこと。
気温が上がり始めると動きが活発になり、夏に本格シーズンを迎える害虫。気づけば家のなかに侵入していてギョッとすることも……! そんな悩みを防ぐには、場所ごとに合わせた対策がカギとなります。
今回は「虫ケア用品」のプロであるアース製薬・虫ケア用品担当の北口明宏さんに、夏場に気をつけたい害虫の種類と、侵入・定着を防ぐ具体的な方法を聞きました。場所ごとのリスクとポイントを押さえ、しっかりと対策しましょう!

虫ケア用品をはじめ、家庭用品や衛生用品、芳香・消臭剤など幅広い製品の製造・販売を手がける、1892年創業の生活衛生用品メーカーです。虫ケア用品のシェア率は驚異の約60%。「地球を、キモチいい家に。」をスローガンに掲げ、人と環境へのやさしさを追求しながら、衛生的で快適な暮らしを支える製品づくりに取り組み続けています。
アース製薬株式会社の企業サイト夏に注意すべき主な害虫とは?

多くの虫は暖かく湿度の高い環境を好むため、夏が近づくと動きが活発になります。エサを求めて徘徊するのは虫の本能。戸外をうろついているうちに、エサや快適な環境に引き寄せられて人間の家に入ってしまうことがあるのです。
蚊(アカイエカ)は屋外から人にくっついて家のなかに入りやすく、ゴキブリやコバエ、アリやムカデは家の隙間から侵入します。ダニ(ヒョウヒダニ類)は布団やカーペット、衣類に元々いることが多く、高温多湿の夏になると特に増殖しやすくなります。
北口「このなかでも、夏に特に気をつけたいのはダニ(ヒョウヒダニ類)ですね。小さすぎて目に見えないため、普段はあまり気にしていないという方もいるかもしれません。しかし、基本的にはどの家にも必ずいると思ってください。ゼロにすることは不可能ですが、ダニは死骸やフンもアレルギーの原因(アレルゲン)となるため、増殖しないようしっかりと対策をしてほしいですね」
種類を問わず、害虫の被害を減らすには家への侵入を防ぐことが欠かせません。では、どのような対策をすべきなのでしょうか。
【対策】夏の害虫はどこから入ってくる? 侵入経路と4つの場所別対策
害虫は開けっ放しの玄関や窓、網戸やドアの隙間、排水パイプ、換気口など、家のわずかな隙間から侵入します。「小さな隙間だから大丈夫」と思っていても、たった数ミリの幼虫が侵入し、家のなかで成虫になって繁殖してしまうことも……。
ここでは、害虫の侵入経路と場所別の対策を解説します。ぜひチェックしておきましょう。
場所01:玄関・窓|開けっ放しに注意。 網戸の隙間も忘れずに

北口「害虫の侵入を防ぐには、玄関や窓、ベランダを開けっ放しにしないことが第一です。また、網戸に穴や隙間がないか確認し、必要であれば隙間用のテープなどでしっかりふさいでください。
窓を閉めているときでも、網戸は端まで閉めておくようにしましょう。中途半端な位置に置いたままにしておくと、害虫がサッシに潜み、窓を開けたタイミングで侵入することがあります。網戸を正しい位置に置いていないご家庭は、意外と多いんですよ。ぜひ確認してみてほしいです。また、窓を開ける際にも注意が必要です。窓を半開きにしていると、窓と網戸の間に隙間ができやすく、虫が入りやすくなります。窓を開けて網戸にする際は、窓と網戸のフレームが重なり、隙間がないかを確認してみてください。
特にコバエ(ショウジョウバエ類、ノミバエ類)やクロゴキブリにとっては、人間の家のなかは食料だらけです。まずは侵入を防いでほしいですが、たとえ入ってきてもすみつかれないよう、生ゴミなどはためずにすぐに捨て、こまめに掃除して清潔を保つようにしてください。また、部屋が散らかったままだとゴキブリの隠れ場所が増えるので、整理整頓しましょう」
場所02:外壁のひび割れ・エアコンの排水ホース・換気口|小さな隙間も油断禁物! しっかりふさいで侵入防止

北口「一見気づきにくい侵入ポイントには、外壁のひび割れやエアコンの排水ホース、換気口などがあります。虫は暗くて狭いところを好むため、誤って入り込んでしまうことが多いんです。エアコンの排水ホースには水がたまっているので、水を飲みにくるうちにホースをつたって家のなかに入ってしまった、ということもよくありますね。
外壁のひび割れは補修する、排水ホースには防虫キャップを取りつける、換気口には専用のフィルターをつけるなど、侵入経路を物理的にふさぎましょう。ふさぐのがどうしても難しい場合は、害虫の侵入・定着予防をうたっている薬剤を使ってみてはいかがでしょうか。虫の種類ごとに、さまざまなものが販売されています」
場所03:寝室・クローゼット|湿気はNG! 換気でしっかり対策

北口「寝室やクローゼットは湿気がこもりやすく、ダニ(ヒョウヒダニ類)が繁殖しやすい場所です。十分な換気を心がけましょう。クローゼットや押し入れはたまに中身を取り出して、しばらく扉を開けておくことをオススメします。ときおりサーキュレーターで風を送ると、よりしっかりと湿気を飛ばすことができますよ。
ダニは寝具や衣類、カーペット、ソファなどに潜んでいます。定期的に洗濯してエサとなるフケや垢を減らし、繁殖を抑えましょう。ちなみに、寝具を天日干しする方は多いですが、できれば布団乾燥機やコインランドリーの乾燥機を使ったほうがいいですね。ダニは50~60℃以上の熱で駆除できますが、布団や枕は分厚いので表面しか熱くならず、ダニが内部に逃げてしまうんです。乾燥機でまんべんなく熱を当ててください。
ソファやカーペットなど洗濯が難しいものには、駆除用のスプレーやシートなどを活用しましょう。死骸もアレルギーの原因となるので、駆除したあとに掃除機で吸い取ることも大切です」
場所04:床下・屋根裏|気になるときは専門業者へ相談を!

北口「古い木造物件などの場合、シロアリ(羽アリ)が飛んできて床下や屋根裏にすみつき、木材を食べてしまうこともあります。特に、洗面所や台所などに湿った木材があると寄りつきやすく、一度巣を作ると大量発生します。不安な方は、まずはシロアリがいないかチェックしてみましょう。すみついたシロアリを自力で完全に駆除するのは難しいので、できるだけ早く専門の業者に相談してくださいね」

床下に集中することが多いシロアリの被害。いち早く被害に気づくには、専門の業者による床下点検が必要です。そのときに使用される装置が「床下検査ユニット」。大東建託はドローン等を使った事業を手掛けるエアリアルワークス社と共同で、業界最高水準の軽量・高速起動を実現した「MOGRAS6L(モグラス・シックス・エル)」を開発し、試行導入を開始しました。安全・効率的にシロアリ対策を行える新たなソリューションの誕生で、点検のハードルがぐっと下がりそうです。
床下点検に最適な床下検査ユニットを6月から試行導入開始身近な “アレ” が侵入経路になることも
北口「実は、“段ボール”がダニやゴキブリの侵入経路やすみ家になることもあります。卵がついていたり、家に持ち込まれたときには既にすみついていたり……。段ボールは折り重なった状態で置いておくことが多く、ギザギザした構造なので虫が隠れやすいんですよね。そのうえ暗くて湿っぽいので、虫にとっては非常に落ち着く環境なんです。長期間放置せず、できるだけ早く捨てるようにしてください」


































「例えば、一般家庭でよく見かけるクロゴキブリは夏に遭遇しやすい害虫の代表例ですが、実は、冬の間は戸外で休眠しているんですよ。春になって暖かくなると動き出し、エサが豊富な家のなかに侵入します。ゴキブリにとって、人間の家は水や食べ物があり、すむところもある快適な場所です。私たちにとっては小さな水滴や食べかすも、彼らが生きるには十分な量ですから」