MENU
大東建託NOW

上司に完璧さは必要ない。自信がなくてもやってみる価値がある、女性管理職のススメ

2025.03.03
ポスト ポスト ポスト ポスト シェア シェア はてブ はてブ LINE LINE LINE LINE URLコピー URLコピー
上司に完璧さは必要ない。自信がなくてもやってみる価値がある、女性管理職のススメ

PROFILE

鬼沢 裕子

鬼沢 裕子 人事・ダイバーシティ領域スペシャリスト(ベネッセホールディングス)

大学卒業後、ベネッセコーポレーションに入社し、教育事業、介護事業、そして人事を主に担当。最終的にはベネッセホールディングスの人事部門のCHRO(最高人事責任者)として執行役員を務め、退任後はアドバイザーとしてベネッセの人事業務に携わる。これまでの人事・介護領域における幅広い知見・経験を活かし、2024年4月からは、コンサルタントとして大東建託の人事部門や関係部門に対して、人的資本経営や介護事業などの取り組みを支援するなど、現在もその分野で活躍している。

湯目 由佳理

湯目 由佳理 執行役員 ダイバーシティ推進部長(大東建託)

2000年に派遣社員として大東建託へ入社し、2002年に正社員に。2016年には人事部のダイバーシティ推進課に異動し、2022年にはダイバーシティ推進部として独立、現在に至る。ダイバーシティ推進に携わって9年目を迎え、長時間労働の改善や有休取得促進、人材育成、労働環境と業績のバランスを見た評価指標の導入など多岐にわたる取り組みを行う。女性活躍推進においては「いろどりLAB」の立ち上げや、両立支援制度の拡充、女性育成プログラムの導入を実現し、女性の管理職増加を目指した活動を推進している。

女性活躍推進のため、大東建託では「女性育成プログラム」を導入し、女性管理職の比率を上げるための具体的な取り組みを進めています。そこで、3月8日の国際女性デーを前に、同プログラムに携わるダイバーシティ推進部の湯目部長と社外パートナーの鬼沢裕子氏による対談を開催しました。

なぜ女性は昇進をためらうのか? 社内アンケートで浮かび上がってきた「自信のなさ」の正体とは? 不安を感じる女性たちに、企業は何ができるのか?

お二人の実体験を交えながら、社会が求める女性登用と当事者の間にあるもどかしいギャップと、そのギャップを解消するアプローチについて、本音で語っていただきました。

心理的サポート、ロールモデルの提示…… 企業が取り組むべきアプローチとは?

そういった女性の昇進を阻む要因を取り払うために、大東建託ではどのような取り組みを行っているのでしょうか?

大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理 湯目

「調査を進めると、昇進の打診を断った女性は、直属の上司が管理職候補として報告を上げないため、上層部では存在すら把握できていない状況が浮かび上がってきました。そのため、まずはこの状況を変えるために、登用する側が『優秀な人を登用する』という受け身の姿勢だけでなく、『資質のある人を見つけに行く』という能動的な取り組みが必要だと考えました。この考え方を仕組み化したのが『女性育成プログラム』であり、その中核にあるのが『クオータ制』です」

女性育成プログラムのひとつ「クオータ制」

大東建託が推進している、女性管理職の比率を着実に向上させるための制度のこと。最大の特徴は、女性管理職の人数を「目標」ではなく「必達の基準」として設定する点です。職種や部署ごとに、「3年後までに何人の女性管理職を誕生させるか」を明確に決定。候補者の発掘から育成、最終的な登用までのプロセスを計画的に進めます。制度を導入した結果、2021年4月時点で4.9%だった女性管理職比率は、2024年4月には6.5%にまで上昇しました。(出典元:管理職登用する側・される側の意識改革 大東建託の「女性育成プログラム」【前編】

女性育成プログラムのひとつ「クオータ制」
「心理的サポート、ロールモデルの提示…… 企業が取り組むべきアプローチとは?」大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理

「資質のある人を見つけに行く」とは、具体的には何をするのですか?

大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理 湯目

「上司向け研修では、女性たちから『無理です』という答えが返ってきた場合、キャリアップへの意欲がないと判断するのではなく、『なぜそう思うのか』をもう一歩踏み込んで聞いてください、と伝えています。自信がないなどのマインドの問題であれば研修を受けてもらって解消を図り、家庭の事情であれば適切なタイミングで準備を整える、といった形で一歩踏み込んだ対応をしています。執行責任者へは、選定理由と本人の意欲や状況を併せて報告してもらっています」

マインドの問題に対して、研修ではどのようにアプローチしているのでしょうか。

大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理 湯目

「階層別に設けている女性教育プログラムで、『管理職とはこうあるべき』という固定観念をほぐしています。管理職だからといって完璧でなければならないわけではなく、等身大のままでいい、あくまで担う役割が変わるだけ、といったことをお伝えしています。さらに、上司向け研修では、『能力を見込んでいるから声をかけているんだよ』『困ったら相談してくれればいいから』といった言葉がけをしてくださいとお伝えしています。女性にとっては、一歩を踏み出すために上司からの声がけが非常に重要なんです」

鬼沢 裕子:人事・ダイバーシティ領域スペシャリスト(ベネッセホールディングス) 鬼沢

「私も最初に昇進の打診がきたとき、不安はありましたが、上司やそのとき関わっていた社外スタッフの方たちの励ましで踏み切れたのを今でもすごく鮮明に覚えてます」

大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理 湯目

「実は私自身も、執行役員の打診を受けた際に一度断りました。というのも、ちょうど部長職の方たちと一緒に研修を受けて、その推進力やバイタリティ、知識量に圧倒された後だったんですよ。それで『あんなすごい人たちがたくさんいるのに、私には無理です』とお伝えしたんです。そうしたら社長の竹内から『確かに彼らはすごい。でも湯目さんには湯目さんのやるべきことがある』と言われて。私自身がダイバーシティを推進してきた立場なのに、多角的な視点の重要性を忘れ、無意識のうちに『私には彼らと同じスキルはない、だから何もできていない』と思い込んでいたんだ…… と、そのときに気付かされました」

管理職候補者が一堂に会する「異業種交流会」が、女性たちの背中を押すきっかけに

女性管理職の前例が少ない中、模索しながら邁進してきた鬼沢さんと湯目さん。お二人が手を組んで推進している「女性育成プログラム」の一環として、2024年9月に大東建託主催の「異業種交流会」を初開催しました。

2024年9月に開催された「異業種交流会」の様子。大東建託と交流のある企業を中心に、情報通信業や不動産業、製造業、金融・保険業など 2024年9月に開催された「異業種交流会」の様子。大東建託と交流のある企業を中心に、情報通信業や不動産業、製造業、金融・保険業など全7業界12社から20名もの“課長候補者の女性たち”が集まり、意見交換やグループディスカッションなどを実施

開催の狙いを教えてください。

大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理 湯目

「私自身、管理職になる一歩手前の層を対象とした外部の異業種交流会に参加しまして。行ってみるとみなさん『自信がない』と話されていて、自分と同じような悩みを抱えていることが分かったんですね。当時、大東建託には女性の管理職がほとんどおらず、ロールモデルが限られていたため、外部でのこうした交流が非常に大きな意味を持ちました。

当社の社員にもぜひ同じような機会を提供したいと思い、自社で企画しました。また、お付き合いのある企業様にも同様の悩みを抱える社員の方がいらっしゃるのではないかと考え、お声がけしたところ多くの賛同をいただき、異業種交流会の開催にいたりました」

大東建託 地濃礼美(女性社員) 「異業種交流会」でスピーチする鬼沢さん

実際に参加した方たちからはどのような感想が上がってきましたか?

大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理 湯目

「非常に好評でした。例えば、鬼沢さんの経歴を見ると『すごい人なんだろうな』と圧倒されてしまいますが、実際にお会いして話をすると、話し方や雰囲気から親しみやすさを感じられますよね。そういったパーソナリティーの部分って直接会わないと伝わらないはずです」

鬼沢 裕子:人事・ダイバーシティ領域スペシャリスト(ベネッセホールディングス) 鬼沢

「『ロールモデル』という言葉がありますが、パネルディスカッションの中で出た『ロールサンプル』という言葉が印象的でしたね。完璧な1人のモデルを目指すのではなく、『この人のここがいい』『あの人のここが役に立つ』といった形で、複数の人の良い部分を参考にしながら自分らしい管理職像を作り上げていく。柔軟な考え方がすてきだと思いました」

「異業種交流会」参加者の声

  • もう少しリラックスして管理職(課長)を捉えてもいいと思えた
  • 不安やもどかしさを抱えているのは同じなんだと心強い気持ちになった
  • 悩んでいるのは自分だけではないと勇気をもらった
  • さまざまな業種・職種の方の意見を聞けて世界が広がった
  • 女性ならではの視点でお話しすることが出来て良かった
  • 普通の私でもやっていけるスタイルを見つけたいと思った

なかなか改善されない残業や育休取得のハードル。社会的な要因に企業ができるアプローチとは

今後、社会全体でさらに女性管理職推進を進めるために、いち企業ができることは何だと思われますか?

鬼沢 裕子:人事・ダイバーシティ領域スペシャリスト(ベネッセホールディングス) 鬼沢

「男性も女性も、とにかく定時で帰る日をもっと増やすことが重要だと思います。これは日本全体の課題ですが、全体で取り組めば大きな変化が期待できるのではないでしょうか。もちろん、業態や職種によって残業ゼロが難しい場合もあるでしょう。しかし『予定外の残業』を減らすことはできます。日本は『生産性が低い』と指摘されることが多いですが、その一因は限られた時間を効率的・効果的に使い切れていない点にあると感じます。この点を改善することが、業務時間の圧縮、ひいては女性の活躍推進にもつながると考えています」

大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理 湯目

「以前、当社でもコロナ禍以前にノー残業デーを導入しました。当初は『そんなの実現できるわけがない』という声が多かったのですが、最終的には定着しました。すると次第に、ノー残業デーにプライベートの予定を入れ始める社員も増えていったんです」

鬼沢 裕子:人事・ダイバーシティ領域スペシャリスト(ベネッセホールディングス) 鬼沢

「仕事が終わる気がしなくても、とにかくまず『キリをつける』ことが大事ですよね。それを習慣化することで、働き方自体が変わっていきます」

鬼沢 裕子:人事・ダイバーシティ領域スペシャリスト(ベネッセホールディングス)

育休についてはいかがでしょうか?

鬼沢 裕子:人事・ダイバーシティ領域スペシャリスト(ベネッセホールディングス) 鬼沢

「制度として整っているものの、『男性が育休を取ると周囲によく思われないのではないか』と遠慮してしまうケースはまだまだあるようです。一方で、男性社員が育休を取る旨を顧客に伝えたら『さすがだね』と評価されたというエピソードも出てきていて、時代の流れが確実に変わってきているのを感じます」

大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理 湯目

「大東建託では、男性社員も必ず育休を取得することをルール化しています。最初は『忙しくて休めない』という声もありましたが、『絶対に取ってください』と徹底しました。その後、取得者に社内SNSで感想を共有してもらっていますが、『取って良かった』というポジティブなコメントがほとんどです」

鬼沢 裕子:人事・ダイバーシティ領域スペシャリスト(ベネッセホールディングス) 鬼沢

「仕組みができることで生まれるロールモデルが増えれば増えるほど、次に続く人が現れやすくなる。一気には変わりませんが、着実に変化していくためにもまずは仕組みを作ることが大切なのではないでしょうか」

自信を持ってキャリアを磨ける未来に向かって

女性の活躍推進における課題は「家庭との両立」にフォーカスされがちですが、今回の対談を通じて見えてきたのは、マインド面も重要な要素である、ということ。

女性の「自信のなさ」や「完璧を求められるプレッシャー」に対する理解と、それを解消するための努力を仕組み化した大東建託の「女性育成プログラム」が成果を上げており、女性管理職の比率も確実に増えていることは、まさにその証拠といえるでしょう。

役員クラスに進む女性候補者が増えるためにはまだ時間がかかるかもしれませんが、企業の取り組みとともに、働き方改革や家事・育児の分担など、社会全体の意識が変わっていけばより多くの女性が自分らしいキャリアを描ける時代がくるはずです。

鬼沢 裕子:人事・ダイバーシティ領域スペシャリスト(ベネッセホールディングス)、大東建託 ダイバーシティ推進部長 湯目由佳理
1 2

Related Articles

『KENTAKU Eyes(ケンタクアイ)』は、
大東建託グループが立ち上げたニュースメディアです。

お届けするのは、暮らしを豊かにする知識やアイデア、見たことのない最新技術、
大東建託で働く人々の想い・取り組みの裏側まで、実にさまざま。

私たちがつないできた“今まで”と、これから皆さんがひらいていく“未来”を
一緒にのぞいてみませんか?

FOLLOW US
Instagram
SHARE ポスト ポスト ポスト ポスト シェア シェア はてブ はてブ LINE LINE LINE LINE URLコピー URLコピー
目次
シェア