
PROFILE この記事の登場人物

土屋 滉平 いい部屋ネット 亀戸店
宅地建物取引士。2019年4月、大東建託リーシング株式会社に入社。いい部屋ネット青梅店での勤務を経て、2025年より亀戸店へ配属。ルームアドバイザーとして、専門知識を活かしたお部屋探しのサポートに努めている。
引っ越し業者選びから荷造り、各種手続き、当日の流れの確認…… 引っ越し準備は想像以上にやることが多いもの。ひとつ忘れるだけでも思わぬトラブルにつながりかねないため、事前の確認と段取りが何より重要です。
この記事では、特に優先したいタスクをチェックリストで紹介しつつ、引っ越しをスムーズに進めるためのポイントを不動産のプロが解説します。「初めての引っ越しで何から手をつければいいかわからない」「久しぶりの引っ越しで全体の流れを整理したい」という初心者の方は必見です。
【基本】最初に押さえておきたい、引っ越し準備の基本

まずは、引っ越しが決まってから入居するまでの大まかな流れをつかみましょう。
① 引っ越し業者選び
新居が決まったら、希望通りの日程で引っ越しできるよう、早めに引っ越し業者を確定します。引っ越し業者を選ぶときは、費用やサービス内容だけでなく、口コミも検討材料にすると安心です。
② 事前手続き
転居届の提出、電気やガスの開栓、郵便物の転送などの必要な手続きはリストにまとめ、抜け漏れがないようにチェックします。優先順位を決めてから取り掛かるとスムーズです。
③ 荷造り
不用品の処分や粗大ごみの収集には時間がかかることも。早めに着手して必要かどうかの仕分けをしておきましょう。
④ 引っ越し当日
不動産会社で鍵を受け取り、旧居から荷物を搬出し、新居に搬入します。
⑤ 引っ越し後の手続き
転入届の提出や本人確認書類の住所変更などの手続きを行います。
土屋「引っ越し業者と日時が決まったら、まずはタスクを洗い出してチェックリストを作成し、具体的な期日を設定してスケジュールに落とし込みましょう。やるべきことと優先順位が可視化できていれば、慌てることは少なくなるはずです。引っ越し決定から入居までには、3週間から4週間程度確保できると安心です。1週目に業者選び、2週目に手続き、3週目に荷造りを終えられるのが理想ですね」
ここからは、引っ越し前から入居後にやるべきことを「引っ越し1カ月前」「1~2週間前」「前日・当日」「引っ越し後」の4つの時期に分けて紹介します。
【1カ月前】引っ越しが決まったらまず何をする? 解約手続きや粗大ごみの手配…… 予定日1カ月前までの重要タスク

引っ越しが決まったら、引っ越し予定日の1カ月前ごろまでには以下のタスクを完了しておきましょう。
| 優先度 | タスク | 届け先 | 必要なもの・その他 |
|---|---|---|---|
| ★★★ | 現住所の大家への退去報告 | 契約時の大家仲介業者・管理人など | 室内の点検や敷金返還の話し合いをする |
| ★★★ | 引っ越しの手配 | – | 見積もり、引越し用の梱包資材 |
| ★★☆ | 不用品、粗大ゴミの処分予約 | 所轄の清掃事務所など | 行政により、収集日、場所、料金が異なります |
POINT01. 退去報告は新居を確保してから
退去報告が必要なタイミングは物件によって異なるため、契約書を確認してください。一般的には、解約日の1~2カ月前には連絡します。
土屋「新居へ申し込みをした後、すぐに退去報告をする方がまれにいらっしゃいますが、万が一新居への審査に通らなかった場合、次の住居が決まっていない状態で退去することになってしまいます。そのため、必ず新居を確保してから動きだすようにしてください」
POINT02. 引っ越し業者は価格以外も注目してみよう
引っ越し業者と日時の確定も、1カ月前には完了しておきたいタスクです。同じサービス内容でも業者によっては価格が大きく異なることがあるため、費用を抑えたい場合は相見積もりを取り、値下げ交渉をすることもできます。
土屋「ただし、サービスの質などを考えると、必ずしも『安ければ安いほどいい』とは言えないのが実情です。例えば、『大事な新生活に向けて荷物を丁寧に運んでほしい』など、価格以外のポイントを重視する場合は、口コミも参考にしながら選んでいただきたいですね。引っ越し業者の中には、不用品の買い取りや、新居に家具家電が届くまでのあいだのレンタルをやっているところもあります。必要な場合は、そうしたサービスを提供しているかどうかも確認してみてください」
POINT03. 家具の配置場所だけではなく、搬入経路の寸法もチェック
新居が決まったら早めに搬入経路の寸法を確認しておくのも、引っ越しをスムーズに進めるための重要なポイントです。新居の出入り口や廊下、エレベーターの寸法をあらかじめ確かめておくことで、引っ越し先に荷物を運んだものの、搬入できなかったというトラブルを防げます。
土屋「『家の中のこの場所に、この家具家電が収まるのか』はしっかり確認する一方で、『そもそも家の中に搬入できるのか』を見落としているという方がとても多いんです。新居が遠い場合は不動産会社に採寸してもらえる可能性もあるので、気軽に相談してみてください。引っ越し当日に家具家電が新居の出入り口やエレベーターを通らなかったときは、急遽クレーンで搬入し、追加料金が3~4万円ほどかかってしまうことも。急な出費を防ぐためにも、搬入経路はできるだけ早い段階で確認することをおすすめします。また、次の引っ越しを想定して、バラして搬入することができない大きな家具を極力買わないようにするのも一つの方法です」
【1~2週間前】必ず完了したいのはライフラインの手続きや契約関連

引っ越し2週間前までにやること
引っ越し2週間前ごろにもっとも優先すべきタスクは、ライフライン関係の手続きです。
| 優先度 | タスク | 届け先 | 必要なもの・その他 |
|---|---|---|---|
| ★★★ | 電気・ガス・水道会社への連絡(新・旧両方の所轄営業所に連絡) | 各社営業所 | 電話(または窓口)で引越し日を通知。新住所のガス回線は立ち会いが必要なので、事前に立ち会い日を設定 |
| ★★☆ | 電話の移転 | NTT | 「116」へ電話し、現住所・新住所。工事希望日を伝える |
POINT01. ガスの開栓手続きは早めに!
電気・ガス・水道などのライフラインや電話・インターネットなどの開始・停止手続きは、比較的早い段階から日付を指定できます。引っ越し直前はやるべきことがどっと増えるため、忘れないうちに手続きを済ませておきましょう。
土屋「特に気を付けたいのは、ガスの開栓手続きです。開栓時に必ず立ち会いが必要なため、業者の日程を早めに押さえておかないと、引っ越し当日からガスが使えなくなることもあります。また、いい部屋ネットではお部屋のご契約時にライフラインご案内センターをご紹介させていただいております。水道電気ガスの契約お手続きのサポートや代行も行っておりますので、ぜひご利用いただければと思います」
POINT02. 荷造りは余裕を持ってスタートし、梱包も工夫しよう
引っ越し時に苦戦しがちな荷造りも、引っ越し2週間ほど前からスタートするのが理想的。「荷造りが終わらず自分で運ばないといけなくなった……」という事態を防ぐため、前日までには必ず終わらせましょう。
土屋「荷物を梱包する際は『本』『服』『雑貨』のようにジャンルごとに分けるよりも、『洗面所』『リビング』『子ども部屋』といった場所ごとに分ける方法をおすすめします。荷解きや配置が格段に楽になりますよ」
1週間前までにやること
続いて、引っ越し1週間前までに済ませておきたいタスクを紹介します。こちらも手続き関係が中心なので、取りこぼしがないように注意しましょう。
| 優先度 | タスク | 届け先 | 必要なもの・その他 |
|---|---|---|---|
| ★★★ | 電話の新設・新規加入 | NTT | 最寄りのNTTへ本人確認書類(運転免許証・保険証等)と、 申込み費用持参 |
| ★★★ | 住所転出届 | 旧住所の市区町村役所 | 印鑑と本人確認書類(運転免許証、パスポート等) |
| ★★★ | 国民健康保険 | 旧住所の市区町村役所 | 印鑑と保険証 |
| ★★★ | 福祉関係の手続き(児童手当・年金など) | 旧住所の市区町村役所 | 必要な証書などと印鑑 |
| ★★☆ | 新聞の解約・精算 | 新聞販売店 | 新聞店に解約の申し出 集金の依頼 |
| ★★☆ | 転校届け(小・中学校) | 転入学先の学校長 | 在学中の学校長から受け取った 在学証明書類一式など |
| ★★☆ | ペット類 | 保健所 | 印鑑、鑑札、予防注射済書、廃犬届、 転入先で登録して新たな鑑札を受ける |
| ★★☆ | 郵便物の転送 | 旧住所の所轄郵便局 | ハガキで新住所を知らせると向こう1年間転送される |
POINT. 見落としがちな子どもの手続きと、スムーズに進めるヒント
土屋「子どもが転校・転園する場合は、旧住所で発行した課税証明書の提出を新しい転居先の自治体で求められることも。引っ越し後に再び旧住所に戻って手続きをすることのないよう、特に遠方に引っ越す場合は気を付けてください。郵便物の転送手続きは、Webやアプリでできる『e転居』が便利です。ただ、申し込みから手続き完了までに少し間が空くので、引っ越し1週間前までには申し込みたいですね」
【前日・当日】いよいよ引っ越し! 前日と当日にやるべきポイントは?

引っ越し前日にやること
引っ越し前日までには、旧居に関わる清算を済ませておきましょう。家賃だけでなく、水道や電気、ガスの清算も忘れずに。
| 優先度 | タスク | 届け先 | 必要なもの・その他 |
|---|---|---|---|
| ★★★ | 家賃の精算 | 大家・管理会社 | 残りの家賃や管理費、敷金の返還など |
| ★★★ | 水道料金の精算 | 旧住所の所轄水道局営業所 | 引っ越しが日曜の場合は使用量を予測して、前日精算 |
| ★★☆ | 電気・ガスの精算 | 各社の所轄営業所 | 引っ越し前に、当日までの精算可能 |
POINT. 引っ越し当日のスケジュールをきちんとイメージしておく
引っ越し前日には当日のタイムスケジュールをよく確認し、動き方をイメージしておくことも大切です。不動産会社での鍵の受け取り、引っ越し作業やガスの開栓立ち会いなどの時間を間違ってしまうと、大きなトラブルにつながるケースもあります。
土屋「引っ越し当日に不動産会社に鍵を取りに行く場合は、ご自身で想定している時間通りに受け取れるのかを、前日までに担当者に必ず確認しておきましょう。実際、事前に確認せずに不動産会社に鍵を受け取りに行ってみると、営業時間外や休業日だったことが分かり、引っ越し日時をずらさなければいけなくなった、という人もいます。最も避けたいトラブルの一つなので、入念に確認してください」
引っ越し当日にやること
いよいよ迎える引っ越し当日。必ずやっておきたいのはライフラインの開栓と確認です。
| 優先度 | タスク | 届け先 | 必要なもの・その他 |
|---|---|---|---|
| ★★★ | 電気・ガス・水道の開栓 | 各営業所からの担当者 | ガス開栓の立ち会い |
POINT. 電気が通っているかを最初にチェック! 業者がつけた傷の確認も忘れずに
新居に到着したら、まずは水回り、電気関連、冷暖房などの設備が正常に作動するか点検しましょう。そこから、あらかじめ業者と約束していた時間にガス開栓の立ち会いをします。
土屋「まれに『日中、電気を消したまま作業し、夕方になってようやく点けようとしたら、通電していないことに気付いた』というケースもあります。すでに業者の営業時間が終わっている場合は対応が翌日になってしまうので、早めに確認したいですね。なお、電気が開栓していないと、ガスを開栓する際に給湯器の動作確認ができず、別日に再度立ち会いが必要になることがあるので、先に電気が通っているかをチェックしてください」
加えて、荷物の搬入搬出作業の際は、引っ越し業者が家具や荷物を壁などにぶつけていないかを必ず確認しましょう。作業開始前に搬入搬出経路の写真を撮っておき、元の状態が分かるようにしておくと安心です。
【引っ越し後】ついに完了! 入居したらすぐにやるべきことは?

引っ越しが完了しても、まだまだやるべきことはたくさん。入居直後から1週間程度までに済ませておきたい、優先度が高いタスクを紹介します。
| 優先度 | タスク | 届け先 | 必要なもの・その他 |
|---|---|---|---|
| ★★★ | 住居転入届 | 新住所の市区町村役所 | 転出証明、印鑑、本人確認書類(運転免許証、パスポートなど) |
| ★★★ | 国民健康保険 | 新住所の市区町村役所 | 印鑑と保険証、転出証明 |
| ★★★ | 福祉関係の手続き(児童手当・年金など) | 新住所の市区町村役所 | 必要な証書、印鑑、手当請求者名義の通帳など |
| ★★★ | 印鑑登録 | 新住所の市区町村役所 | 実印、本人確認書類(運転免許証、パスポートなど) |
| ★★☆ | 運転免許の住所登録 | 新住所の警察署 | 新住民票、写真、免許証 |
| ★★☆ | 自動車の登録変更 | 新住所の市区町村役所 | 車庫証明、車検証、新住民票、印鑑、車 |
| ★★☆ | 口座の住所変更 | 取引銀行 | 印鑑、通帳、住所変更後の運転免許証・住民票など新住所のわかるもの |
| ★★☆ | 電気・ガス・水道・電話の銀行振替 | 各所轄営業所 | 通帳、印鑑、各口座振替依頼書 |
| ★★☆ | クレジットカードの住所変更 | クレジット会社 | 電話連絡(変更届け) |
| ★★☆ | 各種保険の住所変更 | 保険会社・共済組合 | 生命保険・損害保険(含む自動車保険)会社などへ電話連絡 |
| ☆☆★ | 新聞購読の申込み | 新聞販売店 | 電話連絡 |
| ☆☆★ | 挨拶状発送 | – | ご友人、知人になるべく早めに発送 |
まず、入居したらなるべく早めに確認したいのが、室内にもともとあった傷や汚れです。自分がつけていない傷や汚れの補修代を退去時に請求されないよう、撮影して保存し、管理会社にも共有しておきましょう。
また、引っ越し先の地域によって、ゴミの日などのルールが異なることもあるため、引っ越し後は市区町村のホームページを確認するようにしましょう。中にはごみの分別の専用アプリを用意している市区町村もあるので、チェックしてみてください。
POINT01. 支払い関係の住所変更は、抜け漏れがないように注意!
転居後は免許証、自動車の登録など、さまざまな住所変更手続きが必須ですが、特に気をつけたいのはクレジットカード、納税などの支払いが伴うもの。住所変更を忘れて支払いが正常に行われないという事態に発展する可能性も。
土屋「私の知人は、割賦(かっぷ)払いで買った携帯電話の住所変更を忘れてトラブルになりました。『支払いができていない』という通知が旧住所の方に届き続けていて、意図せず未払いの状態が続いてしまったんです。その結果、信用情報に傷がつき、住宅ローンの審査が通らなかったようです。こうしたリスクを防ぐには、やはり事前にチェックリストを作り、全ての住所変更ができているかを確認するのが確実です。今ではマイナンバーを使って簡単に手続きすることもできるので、ぜひ活用してほしいです。
その他、今だとネットショッピングなどのサブスクなどを契約している人も多いと思いますが、通販サイトなどで定期購入しているものは注意が必要です。引っ越し前の住所に届いてしまわないように、しっかり確認しておきましょう」
POINT02. ご近所への引っ越し挨拶など、少しでも迷ったら不動産会社に相談してみよう
引っ越し後にどうすべきか悩みがちなのが、ご近所への引っ越しあいさつ。近年は見知らぬ人が家に訪ねてくるのに抵抗を感じる人も少なくないため、必ずしもやったほうがいいとは言い切れないのが実情です。
土屋「近所にどんな人が住んでいるのか、集合住宅であればどんな属性の人が多い物件なのかは地域によってさまざまなので、正解がないのが悩みどころですよね。迷ったときはご自身で判断せず、不動産会社に相談してアドバイスをもらうと安心だと思います。不動産会社は引っ越しのお手伝いをさせていただく1番身近な存在だと思うので、些細なことでも気軽に相談していただきたいですね」
やるべきことが膨大な引っ越しですが、今回紹介したチェックリストやポイントをもとにタスクを整理し、スケジュールに落とし込んで順番に実行していけば、きっとスムーズに進められるはず。これから引っ越しを迎える人は、ぜひ参考にしてくださいね。













































