
PROFILE この記事の登場人物

星川 直美 リテール第一部 副部長 兼 レディースグループ長(青山商事)
新卒入社後、店舗販売スタッフを経験。現在は店舗運営を管理する部門の副部長として勤務。今回は女性モデル用のコーディネート術を指南する。

小山 史 リテール第一部 営業企画グループ マネージャー(青山商事)
新卒入社後、店舗販売スタッフを経験。営業企画グループマネージャーとして勤務。今回は男性モデル用のコーディネート術を指南する。

上田 貴史 品川支店 支店長 (大東建託)
2008年入社。支店長として、支店運営および支店スタッフのマネジメントを行う。身長は179cm。既製品では袖丈や裾丈が足りないことが多く、普段はサイジングを重要視している。

竹澤 里穂 板橋支店 コンサルタントセールス課(大東建託)
2020年入社。土地活用を通じて、オーナー様のさまざまな悩みを解決する提案を行っている。身長は154cm。手持ちの仕事服は、つい同じものばかりを着てしまいがちなことが悩み。
オフィスカジュアルが浸透する一方で、「今日はスーツ? それともラフに?」など、仕事服に迷うことは多いもの。本記事では、「洋服の青山」の星川直美さんと小山史さんに、着回しやすいアイテムを軸としたシーン別の着こなし術をレクチャーいただきました。
大東建託の2人をモデル役に迎え、「どう考えれば迷わなくなるのか」「迷ったら何を選べばいいのか」といった疑問を、“仕事服のプロ”の視点でひも解きます。
仕事服の基本は“相手ファースト”で考える
自分が心地よければ成立するプライベートの服装と比べ、仕事の場では相手がいます。だからこそ、会う人に「印象がいいな」と感じてもらえるように“相手ファースト”の視点を持ちましょう。
小山「『ビジネスウェア ガイドマップ』でいうと、迷ったときは、相手先企業の風土と同等か、一つ上のフォーマル度のコーディネートと目指すと失礼はないと思います。単純に星が多いものを選べばOKということではなく、“まわりや相手に合わせる視点”が重要です」
(左)青山商事株式会社 リテール第一部 営業企画グループ マネージャー 小山史(こやま・ふみと)さん/(右)リテール第一部 副部長 兼 レディースグループ長 星川直美(ほしかわ・なおみ)さん迷ったらコレ! 失敗しないアイテム選びの基本
先ほどご紹介した“相手ファースト”を実践する第一歩は、アイテム選びです。「自分一人じゃ選べない…」「分からないから、スーツでいいや」など、そんな悩みを抱える人に向けて、迷わないための選び方をレクチャーします。
【素材】見た目を“スーツっぽく”寄せて

着心地は楽でも、カジュアル見えしない便利な素材のアイテムを選ぶようにしましょう。その代表格といえるのが「ポリエステル」。かつては安っぽさがあったポリエステルも、いまはウールのような“高見え”するものがあるなど、年間を通してオススメの素材です。
【トップス】迷ったら「白」でOK

白は、清潔感があり、相手に与える印象も安定しやすいカラー。社会人デビューしたての人や、コーディネートに悩みがちな人は、白に頼ってみるのもいいでしょう。
【小物】色は「黒」、靴は「外羽根タイプ」

小物に迷ったら「黒」を選びましょう。他のカラーがNGというわけではないですが、黒はどんな装いにもなじみやすい万能選手です。また、レースアップシューズを選ぶ場合は、フォーマル度満点の「内羽根タイプ」ではなく、ややフォーマル度を落とした「外羽根タイプ」を。靴のフォーマル度が高すぎると、ラフなアイテムと合わせたときにチグハグな印象になってしまいます。
【色合わせ】革小物は装いのトーンに合わせる

まず、靴とベルトの色は合わせるのが基本です。全て「黒」で合わせれば間違いありませんが、バリエーションを持たせたい場合は、コーディネートの色の濃淡に合わせて革小物のトーンをそろえましょう。例えば、ダークネイビーにはダークブラウン、ライトグレーにはライトブラウンといったように、装いに合わせて革小物の色も明るめにすると、全体に統一感が生まれます。
印象を変えたいなら「トップス」と「色」

クイックに印象を変えるなら、「トップス」と「色」を意識しましょう。カラーアイテムは1アイテム程度にとどめると、コーディネートがバランスよくまとまります。トップスはその割合で色を差しやすいアイテム。まずはトップスやネクタイでカラーアイテムを取り入れるのがオススメです。
印象を左右する、身だしなみとサイズ選びの基本
「身だしなみ」と「サイズ選び」は、実は密接にかかわっています。サイズが合っていないとシワが生じやすくなるなど、見た目の印象を大きく左右してしまうこともあるのです。
小山「清潔感に欠かせない“シワ対策”は、実は手軽にできます。例えば衣類ならシワ取りスプレーを活用する、ジャケットは厚みのあるハンガーにかけるなど。パンツは逆さにかけて吊るしておくと、クリースライン(前後の中心に入った縦の折り目)も落ちづらくなります。靴にはシューキーパーを使いましょう。身だしなみを整えることは、相手への配慮であり、自分の気持ちの表れともいえます。そうした意識を持つことで、自然と『整えよう』という気持ちが生まれるはずです」
パンツのサイズ選びは“ヒップと太ももまわり”に注目
仕事用のパンツはピタピタすぎるものを避け、クリースラインが真っすぐ落ちるくらいのサイズ選びが理想。太ももの幅がぴったりすぎたり、逆に幅が広すぎてもシワの原因になりやすいので注意が必要です。
パンツの裾が靴の甲に触れて軽くたるむ裾丈感は「ワンクッション」と呼ばれ、靴下が見えにくく、スタンダードな長さとされているQ:パンツの裾丈には、どんな種類がある?

A:パンツの裾丈は、靴の甲に当たったときにできる「クッション(生地のたるみ)」の出方によって種類が分かれます。好みやシーンに合わせて裾丈を選ぶことで、印象を変えることができます。
・ワンクッション:裾が靴の甲に乗り、軽くたるむ長さ。靴下が見えにくく、ビジネスシーンではスタンダードとされている。
・ハーフクッション:靴の甲に軽く触れる程度の長さ。すっきりとした見た目で、きちんと感と軽快さのバランスが取れる。
・ノークッション:靴の甲に触れない長さ。足元がすっきり見え、爽やかでややカジュアルな印象に。
きっちり見せは“クリア仕上げ”で
梳毛(そもう)というツルッとしたテクスチャーの生地を選ぶと、清潔感のある雰囲気に着こなせます。逆に、毛足が毛羽だった紡毛(ぼうもう)生地は、単品使いでカジュアルダウンしたいときにオススメです。
左は毛足の長い「紡毛」、右はツルッとした「梳毛」を使用したジャケットQ:ジャケット着用時、シャツの袖はどのくらい出していいの?

A:メンズスーツの場合、目安はジャケットの袖口からシャツが1〜1.5cmほど見える長さ。腕を下ろしたときに、シャツの袖が少しのぞく程度がバランスのよい見え方とされています。購入時に長さを調節する際は、ジャケットは手首の骨あたり、シャツは手の甲に軽くかかる長さにしましょう。また、レディーススーツの場合は、袖口からシャツやブラウスなどが見えないよう、袖丈は手首から親指のつけ根あたりまでの長さが目安です。
仕事服は“コミュニケーションツール”
今回、先生役でご協力いただいた「洋服の青山」の2人に伺ったお話から見えてきたのは、仕事服は単に身だしなみや服装にとどまらず、“コミュニケーションツール”になり得るということ。
星川「ビジネスマナーに気を配り、スーツを着慣れている方ほど、オフィスカジュアルの浸透などによって多様化する仕事服を、少し面倒に感じている方が多い気がします。でも、仕事服は相手との距離を縮める“コミュニケーションツール”の一つ。スーツでもオフィスカジュアルでも、装いがやわらかくなるだけで話しかけやすい雰囲気につながりますよね。相手やシーンに合わせて仕事服を選ぶことで、年齢差や役職の壁を取っ払い、コミュニケーションを円滑にしたり、風通しのいい環境づくりに寄与したりするかもしれません。ぜひ、そのきっかけとして挑戦していただきたいです」
明確な“正解”がないからこそ悩みがちな仕事服ですが、今回ご紹介したポイントを押さえれば、買い物の際にも迷いにくくなるはず。日々のコーディネートはもちろん、アイテム選びの場面でも実践してみてください。
仕事服でつくるのは、装いだけでなく、話しかけやすい空気。そんな視点をこれからの一着に込めてみてはいかがでしょうか。






































































「服装に限らず、第一印象をマイナスからスタートさせないことに気をつけたいですね。たとえ社内の人間同士であっても印象を覆すほどの深いコミュニケーションが取れるまでには時間を要してしまいますし、相手が社外の方であれば、次に挽回のチャンスがもらえるかも分からないですから」